煩悩から覚りへ:悪循環を好循環に変えればいい

2006年05月02日 | メンタル・ヘルス




 振り返ってみると、1ヵ月以上、煩悩の話ばかりしてきました。

 ネット学生のみなさん、逃げ出したりしないで、ほんとうによく付き合ってくださいましたね。

 みなさんの忍耐力、持続力、探究心、向上心はすばらしいと思います。高く評価させていただきます。

 これからいよいよ、「でも、治る」という話に移っていきますので、気持ちが明るくなることでしょう。

 まず、そのスタートとして、煩悩の悪循環の構造を思い出し、ちょうどその逆に善や覚りの種子を好循環させれば覚りに近づける、というポイントについて復習しておきましょう。

 学んできたように、まずアーラヤ識は善悪どちらでもないのですが、そこに煩悩の種子が溜まっていて、それがマナ識を発生させます。

 マナ識は必ず4つの根本煩悩、我癡・我見・我慢・我愛を伴って発生します。

 そこから意識上の根本煩悩が発生し、さらに随煩悩が発生するのでした。

 そして意識上の根本煩悩や随煩悩は種子として、マナ識をいっそう汚染しながらアーラヤ識に溜まっていきます。

 そして種子はやがて芽を吹いて、またマナ識を汚染しながら意識上に発生し、それがまた種子となって、マナ識-アーラヤ識へ……と悪循環を続けるのでした。

 しかし幸いなことに、意識はまさに意識的になれば善や覚りの行動・業・カルマを起こすことができるのでした。

 (覚りをもらたす行動つまり修行については、もっとも肝腎なことですから、後で詳しくふれていきます。)

 意識的に起こした善と覚りのカルマは、種子となってマナ識を浄化しながらアーラヤ識に溜まり、溜まった種子はマナ識を浄化しながら意識にのぼってきて善と覚りのカルマを起こし……と好循環します。

 ですから、原理はきわめてシンプル、心を煩悩から覚りへと変化させるには、煩悩の種子の悪循環を善と覚りの種子の好循環へと変換させればいい、ということです。

 といっても、最初は悪循環の力のほうが強くて、好循環はなかなかうまくいかず、しょっちゅう逆流するというか元に戻ってしまうのですが、辛抱強く続けていると、力が拮抗してきて、やがて好循環のほうが強くなって、逆流することが少なくなり、最終的には一方的な好循環になっていく、と言われています。

 つまり、長い長い間かかって慢性化した病気は短期間で一度には治らず、行きつ戻りつ、しばしばぶり返すけれども、辛抱強く治療を続けていると、徐々によくなっていくというのに似ています。

 これは、「辛抱強い努力」というふうなことが嫌いな人には、あまりいいニュースではないかもしれませんが、でも、これは「治る」というニュースなのですから、まちがいなくいいニュースだと思うのですが、どうお感じですか?


↓というわけで、是非、クリックしてメッセージの伝達にご協力ください。

にほんブログ村 哲学ブログへ

人気blogランキングへ


コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 奥入瀬はこんなに美しい2 | トップ | 愛するもののための持続可能... »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (サトミ)
2006-05-02 09:23:38
私は、「辛抱強い努力」は苦手です。



でも、自分の煩悩としっかり向き合って、

何とか良くなっていきたい!と思ったので、

がんばって治していきたいと思います。



マナ識の浄化の方法、

心より楽しみにしています。
返信する
Unknown (うめ太郎)
2006-05-02 17:39:09
かなり強いマナ識の力に対抗するためには、そうとう辛抱強い努力が必要なんですね・・・。

マナ識、とてつもなく手強いに違いありませんが、相手に不足はありませんね。なんて・・・

これから、ブログ授業とともに、治していく方法を学び、薬の効能書きを読むだけではなく、ちゃんと服用していこうと思います。
返信する
物質還元主義… (HIRO太郎~携帯~)
2006-05-03 13:17:10
マナ識~強敵ですね。

物質還元主義的には、「オペで取り出してくださいっ!」という感じですが、そうもいかないようですね…





辛抱強い努力。

信奉強い読力で、今後の記事を楽しみにしています。
返信する
Unknown (うりぼう)
2006-05-03 16:25:39
HIRO太郎さんのおっしゃるとおり、ほんとうに「煩悩のオペ」とかがあればいいのですが!



>最初は悪循環の力のほうが強くて、良循環はなかなかうまくいかず、しょっちゅう逆流するというか元に戻ってしまうのですが



というところ、ほんとうにそうだなと、コスモスセラピーや論理療法を実践して思います。しかしそのことがわかっているだけでも、ずいぶん違うような気がします。希望はあると。そして



>最終的には一方的な良循環になっていく



となれますように。でも、こう考えると、世間で比較的「自信がある人」と「自信がない人」がはっきりわかれているのが(すくなくとも特定の分野で)わかるような気がしました。ぜひ前者になりたいものです!

返信する

コメントを投稿

メンタル・ヘルス」カテゴリの最新記事