思惟石

懈怠石のパスワード忘れたので改めて開設しました。

【読書メモ】2015年8月 ①

2021-10-28 11:17:19 | 【読書メモ】2015年
<読書メモ 2015年8月 ①>
カッコ内は、2021年現在の補足コメントです。
ここまでくると、当時のブログでもリアルタイムで
読書メモを書いていますね。
もう過去メモはいいかな…と思っていたのですが。
自分の読書振り返りにブログ内検索が便利だと気づきまして
(読んだ端からすぐ忘れちゃうから!)
ひと通り載せるのを目標にしたいと思います。


『黄昏の百合の骨』恩田陸
一回読んでいたみたいだけど、すがすがしいくらい記憶になかった!
なんとなく<理瀬シリーズ>の寮の話しは覚えていたので、
思わせぶりな名前とかは並行世界の住人か?という感じで読めた。
理瀬と稔はあちら側、亘と雅雪はこちら側、みたいなアピールは
なんだか中二病っぽくて、やかましいわと思った笑
友人の女の子とその彼氏のハッピーエンド(?)は良い。

(2009年に読んだものの、再読。
 6年で完全に忘れたか…。早いな…。
 無駄に複雑な<理瀬シリーズ>のまとめはこちら



『大いなる眠り』レイモンド・チャンドラー
村上春樹訳。
フィリップ・マーロウかっこいいよかっこいい。
春樹の訳もすごくいい。4冊しか発刊されていないのか〜、残念…。
(2015年当時。ちなみに2018年に長編7作の翻訳が完了)
清水俊二訳『さらば愛しき女よ』と春樹訳『さよなら、愛しい人』を
読み比べたのは楽しかったな〜!
清水俊二訳『長いお別れ』は学生時代に読んだので
次は『ロンググッドバイ』を買わなくちゃ。
キミのせいで猫をなくしたぞっていうやつね。
『リトルシスター』は清水版『かわいい女』が未読だ。
きっと新鮮だと思う。それも楽しみ!
マーロウかっこいい。

(ちなみに読んだ当時(2015年)のブログもあります。
 読書メモは自分のための覚書なので、独り言感マシマシ。
 いずれにせよ、マーロウかっこいいばかりで小説の内容が1ミリも無い笑
 そうそう、春樹氏の解説が分厚くてビックリしたのでした。
 自分の小説には書かないのにな笑)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『本所おけら長屋』読みやすい〜

2021-10-27 10:45:38 | 日記
『本所おけら長屋』
畠山健二
文庫書き下ろしの時代小説シリーズもので、
17巻まで刊行されているようです。
すごいな。
とりあえず1巻を読んでみた。

貧乏長屋を舞台にした、人情小噺ですね。
落語っぽいなあと思ったら、
そういうテイストが売りのシリーズらしいです。
結構好きだ。

長屋の住人はみんな個性があって良い感じ。
特に、地の文で「危険な目に遭おうが、死のうが、
だれからも心配されない二人だ」と紹介されている
(ひどい扱いだな笑)「万松」コンビこと、
万造と松吉の二人が良い。
落語の熊さん八っつぁんっぽくて良い味だしています。
突っ込まなくていい場所に首を突っ込み、
火がないところでボヤを起こすタイプ。
江戸っ子ですねえ。

著者は漫才の台本を書いている演芸作家でもあるらしい。
なるほど〜。

オヤツ感覚で、仕事の合間や家事の息抜きに読みたい感じ。
あっとういう間に既刊分を読了しそうだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『それからはスープのことばかり考えて暮らした』良い!!

2021-10-26 12:24:19 | 日記
『それからはスープのことばかり考えて暮らした』
吉田篤弘

この作者の作品はお初だけれど、
名前には見覚えあるぞ…!!

と思ったら、クラフト・エヴィング商會の人では
ありませんか。
小説も書くんですね…。
多才である。

しかも、あとがきを読んで知ったのだけれど、
岸本佐知子氏と同郷(どころか、幼少期に
同じ通り沿に住んでいたらしい)だとか。

そういえばエッセイの挿画をしてましたね!
(『なんらかの事情』岸本佐知子)
好きな作家同士の繋がりを知るのは、楽しい。
(そういや北村薫『太宰治の辞書』のあとがきにも
 吉田氏は登場している。
 北村薫が探していた”太宰治の辞書=『掌中新辞典』”
 の現物をお持ちだったという話。すごいな!)

そんな彼らが育った街がモデルの架空の街「月舟町」三部作の、
2作目です。

舞台は月舟町の、ひと駅となり

路面電車が走り、おいしいサンドイッチ屋があり、
アパートからは小さな教会が見える。

主人公の「僕」がささやかに暮らす、ささやかな日常の連作短編。

どの篇も、とにかく1行目が良い!!
”茶色の紙袋に白いインクで数字の「3」がひとつ剃ってある。
(サンドイッチ)”
”どうもストーブを消し忘れてきたような気がしてならなかった。
(うわの空)”
”気がつくと口笛ばかり吹いていた。(口笛)”

もちろん物語も良い!!
サンドイッチ屋のご主人・安藤さんも、
息子のリツくんも、大家さんのマダムも
月舟シネマも、みんな愛おしい。
ほっこりあったかい。

初出は『暮らしの手帖』に連載されていたそうで、
なるほどと思える、良い雰囲気の脱力感と飾らなさ。

あったかいスープが恋しい季節になってきましたね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『あとかた』千早茜

2021-10-22 15:05:23 | 日記
『あとかた』千早茜

恋愛短編集。

うーん、いいのもあったけど、
どうだかなあってのもあった。

そもそも恋愛短編って好きじゃないから、
じゃあ読むなって話ですけどね。

『透明な夜の香り』が良かったので、
他の作品も、と思って読んだのだけど。

セレクトを間違ったかな。
でも、懲りずに読みたいと思える作者ではある。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『インビジブル』良い戦後警察小説

2021-10-19 11:27:17 | 日記
『インビジブル』坂上泉

第23回大藪春彦賞受賞作。
昭和29年の大阪が舞台の警察小説です。

作者は1990年生まれ(若い!)らしいですが、
戦後大阪の臨場感が凄かったです。
いや、私も、戦後大阪を知らないですけど。

戦中、満洲の開拓村でケシ(アヘン)を育てている様子や、
戦後、国内では法律の変遷でケシ栽培がOKだったり
犯罪だったりしたという話は、
考えたこともなかったので興味深く読めました。

当時の自治警察という存在も知らなかったので
そこらへんも勉強になる。

もちろん主筋もおもしろかった。
現場叩き上げ(というには若いけど)コテコテ大阪人と、
帝大出身エリートコンビの掛け合いも楽しい。
お姉ちゃんには幸せになってほしいです!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする