思惟石

懈怠石のパスワード忘れたので改めて開設しました。

『夜と霧』星5つ!!

2021-10-13 18:12:11 | 日記
『夜と霧』
ヴィクトール・E・フランクル
池田香代子

原文のドイツ語タイトル
『ある心理学者、強制収容所を体験する』
が内容をよく表しています。
私は邦訳タイトルが好きだけど。

ぐうの音も出ない「ザ☆名著」。

結構有名な本なので、
今まで読んでなかったのが悔やまれます。
星5つというか、人類の必読書!!
読売新聞のアンケート
「読者の選ぶ21世紀に伝えるあの一冊」(2000)
では世界の名著部門の第3位!
なんで1位じゃないのよ!!
(と思ったら1位は『アンネの日記』だ。
 確かに、まずはそっちを読む方がいい。
 ただ、2位は『論語』だ。
 それよりは先にこっち読もうね!)

で、私が読んだのは“新訳”ではなく、“新版”です。

初版は終戦後間もなく(1947)出版されたのですが、
作者のフランクルその人が後に改訂(1977)したものの
日本語訳です。

初版の邦訳は霜山徳爾氏の訳で、1956年に日本刊行。

著者のフランクルはユダヤ人で精神分析学者で医者。
1942年に強制収容所に連行されて、
45年の終戦まで生きのびた人です。

心理学者としての視点から
被収容者の心理を冷静に描いているけれど、
やはり、事例として、自身や近しい人々のエピソードも
挙げられていて、胸が締め付けられる。

とはいえ著者は絶望しながら書いているわけではなくて、
人の精神性を信じている彼独自のスタンスを感じる。
強く優しい人だと思います。

いわゆる「強制収容所の実態」とか
歴史的俯瞰資料ではないので、
前知識の差で読んでもピンと来ない人もいるかもしれません。
でもね、みんな読んだ方がいいと思う。
コメント
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