思惟石

懈怠石のパスワード忘れたので改めて開設しました。

『その女アレックス』

2020-10-30 12:44:11 | 日記
ちょっと前に、結構売れてましたよね。
ピエール・ルメートル『その女アレックス』
二転三転のプロットがすごいサスペンスミステリで、
イギリス推理作家協会賞受賞作。
日本国内でも本屋大賞やらこのミスやらの7冠だそうです。

受賞歴も凄くてめちゃくちゃ食指が動いたのですが、
表紙が暴力的で怖いし
(狙ってるんだろうけど、シリーズ全作もれなく表紙が暴力を匂わせるので、
 島田荘司とは別の意味でカバーかけないと外で読めない)
「イヤミス」だったら嫌だな
(読後感最悪と決まってるジャンルは読まないと決めている)
と思って、長らくスルーしていたのですが。

ふと気が向いて、読んじゃったんだな。

うわあ、と思うエピソードもあったけど、
ジェットコースター感がすごくて一気読みでした。
すごいなこれ!!

多分、<ミレニアム>シリーズを淡々と読める人なら大丈夫だ!多分!
(私の海外系読後感どうなのよ基準はドラゴンタトゥーの女である)

夜のパリで誘拐事件が起きるも、
被害者も加害者も身元がすぐにはわからず、
さらにそれは序章にすぎず…という導入からの展開が
ホントすごい。

ちなみに、その導入部分で
「身元不明の被害者といえば思い出す事件が〜」的な会話があり、
私のポンコツ脳にビビッときました。アハ体験の予感!
「なんだっけ?!読んだ気がする!
運河からあがった身元不明の女性の話し!!」
なんだっけ?北欧系の!!!警察小説の!!とがんばったけど
案の定、思い出せませんでした。

正解は<マルティン・ベック>シリーズ第1作の『ロセアンナ』です。
アハ体験にならなかった時の敗北感…。
そもそもこちらの<カミーユ・ヴェルーヴェン警部>シリーズ一作目
『悲しみのイレーヌ』は身元不明人の話しではないらしいです…。

まあそれはおいといて。
『その女アレックス』は
むなくそエピソードもあるけどそれを上回る求心力があり、
これだけの話題や受賞も頷ける凄い小説でした。

とはいえ北欧(これはパリだけど)系ってやっぱり
とんでもない虐待エピソードが多くないか?偏見か?
地域は関係なくて、作者の作風なのかな。
同シリーズの他作品も読んでみようかなってのと、
でもなあ〜って気持ちで半々です。
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【読書メモ】2014年2月 ②

2020-10-28 13:17:45 | 【読書メモ】2014年
<読書メモ 2014年2月 ②>
カッコ内は、2020年現在の補足コメントです。


『探偵はバーにいる』東直己
「俺」が28歳!若い!
最初に読んだのが58歳だったので、若くてビックリした。
頭の弱いヤンキーの口語(なに言ってるのコイツ?という絶妙の
意味不明感!)がうまいなあと思った。


『村上ラヂオ』
(メモなし。
 村上エッセイのなかで一番好きなシリーズ。
 定期的に読み返してます。
 安定してドーナツ食べたくなる!)


『幕末奇談』子母澤寛(しもざわかん)
江戸の怪談がおもしろかった。
新徴組(しんちょうぐみ)はあんまり…。
まあ、知名度低いしなあ。

(新徴組は庄内藩預かりの浪士隊で、
 江戸市中の警護を任じられていました。
 京都の新撰組は有名ですが、こちらはほぼ無名ですよね。
 私もまったく思い出せなくてググってしまった)


『鎌倉河岸捕物控 冬の蜉蝣』佐伯泰英
(メモなし)
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皆川博子『愛と髑髏と』

2020-10-27 12:02:14 | 日記
皆川博子御大の初期短編集『愛と髑髏と』。

ちょっと猟奇的で残酷で幻想的な8つの短編。
女性の妄執というかサガというか、
うすら寒い恐怖のような、虚し悲しいような
不思議な気持ちになります。

特に、一作目『風』の1行目
「庭は、寝がえりをうって、背をむけた」
の破壊力がすごいです。
内容もすごいんですけど。

他も良いのだけど、
個人的には『風』がぶっちぎりで良いと思う。
あとは『丘の上の宴会』が良い。

この作品集は昭和60年が初版かな?
図書館で借りてきたんですけど、
光風社出版から出たこの装幀のものは絶版のようです。
表紙の画も良いけど、
中表紙の文字がちょっと不安定さとか
もの凄く良い感じです。
カバー内側の本体表紙も素敵っぽいんですが、
図書館ビニル加工なので、ちゃんと見えない笑
超残念。

装幀家は司修という「寺山修司か?」と二度見する名前の人ですが、
本名らしいです。
絵本作家で芥川賞候補にもなったこともあるとか。
多芸!

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高木彬光『刺青殺人事件』

2020-10-26 17:04:25 | 日記
日本の探偵小説の三大名探偵は
明智小五郎、金田一耕助、神津恭介の3人らしい。

神津恭介…?

知らなかった…。

というわけで『刺青殺人事件』です。
作者・高木彬光のデビュー作でもあります。

というか、
高木氏、
デビュー作をまったく面識のない江戸川乱歩に持ち込みし、
お眼鏡になかって推薦されて出版にこぎつけたらしい。
本編よりもドラマチックだな!

いや、まあ、本編もおもしろく読みましたけど。

冒頭、刺青に関するうんちくがたっぷり(過剰)で
ちょっと戸惑いましたけど。

あまりにも神津恭介を知らなすぎて、
(御手洗潔と同じく天才タイプなので、登場が遅い)
松下研三(シリーズでのワトソン役)が出ると
「一皮むけてお前が神津になるのか?!」とか
松下くんの先輩・野上久が出ると
「お前の正体は神津か!?」とか
松下くんのお兄さん(警視庁捜査一課長)に
「お宅の部下に神津って人いませんか?」とか、
探偵探しで忙しかった笑

まあ、おもしろく読みました。
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【読書メモ】2014年2月 ①

2020-10-23 12:09:20 | 【読書メモ】2014年
<読書メモ 2014年2月 ①>
カッコ内は、2020年現在の補足コメントです。


『鎌倉河岸捕物控 埋みの棘』佐伯泰英
こんなに武家に尊重される岡っ引きなんかいたのかなあ。
他の時代小説に比べて金座裏の極端な特別待遇っぷりが気になる。


『うそうそ』畠山恵
(メモなし。
 <しゃばけ>シリーズの5作目)


『人形館の殺人』綾辻行人

(超絶ネタバレの感想なので、白文字にしています)

まあ面白かった。と思う。
叙述。
途中で挿入される犯人の独白前に「1」「2」って
あからさまに書いてあるので、
語り手の多重人格だったら興ざめだなあと思ったら、
ホントに其の通りだったのでどうかと思ったけど。



『第三の時効』横山秀夫
やはりこの人はオジサンの挟持や葛藤やアレコレを書くのがいい。
ムリして20代女子を書いてもしょうがないってば。
クセの強いオッサン短編集。すごく良かった。
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