思惟石

懈怠石のパスワード忘れたので改めて開設しました。

壬生義士伝の思い出

2017-05-31 11:41:23 | 日記
20代のころの話ですが、
友人の一人が映画関連の仕事についており、
たまに試写会に誘ってくれたり
招待チケットをくれたりしました。

で、当時日本アカデミー賞を獲ったかなんだか、
それなりに話題になっていた
『壬生義士伝』のチケットをもらい、観に行ったのです。

私は映画に限らず、映像作品の鑑賞が苦手でして。
どんくさいからでしょうか。
ストーリーに置き去りにされることが多く
ついでに言うと顔面認識能力も低いので
役者の見分けがつかなくて混乱することもしばしば。

一方で、友人は映画好きが高じて映画関係の仕事についたわけで、
私の映画評には1ミリも期待してなかったと思われますが、
2時間強の作品を鑑賞した後の感想が
「南部藩って南国っぽい名前なのに、なんで雪国なの?」
だったことには心底あきれたようでした。
うむ、申し訳ない。

そんな私なので、案の定ですが、
映画ではいまいちストーリーが理解できなかったので
原作の『壬生義士伝』(浅田次郎)を読みました。

南部藩は盛岡藩なんだね。
そりゃ雪も降るね。
そういや南部鉄器も盛岡だものね。
鉄瓶、欲しいなあ。

と、思考が脱線した結果、
なんで東北なのに南国っぽい名前なのかを
突き詰めて考えないまま、早十年。

先日、東北旅行に行き、
久しぶりにその疑問を思い出しましたよ。

だって春先とは思えぬ寒さだったんですよ。
雪も残っていて、さすが東北!と思った矢先に
南部せんべいとか南部駒とか南部鉄器とかが
お土産屋やパンフレットでお出迎えしてくれるわけです。

「南」という字面のポカポカ感と残雪&寒風の対比!

そりゃ疑問にも思いますしツッコミたくもなります。

手っ取り早く、ホテルで働いていた
地元のおじいちゃんに聞いたところ
「藩主の名前が南部氏」とのこと。
あ、そういうことかあ。

東北のなかでは南、とかなんとか
方向音痴には理解しがたい由来とかを勝手に予想していたので
すごく腑に落ちました。

ちなみにおじいちゃんに地元グルメを聞いたら
牛肉をめちゃ薦められました。
ここらへんは鯖が名物かと思ってました~と言ったら
「鯖は食い飽きた」と。
おじいちゃんの好みという意味でのお薦めだったようです。

あと浅田次郎はおもしろいよね。
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隆慶一郎と峰隆一郎

2017-05-29 11:49:30 | 日記
先日、
隆慶一郎が苦手、『御用盗、疾る』が理解できない、
と書いてしまいましたが。

自宅本棚の『御用盗、疾る』の背表紙を
何の気なしに眺めていて、目玉が飛び出しそうになりました。

これ、隆慶一郎じゃないぞ!!!!



峰隆一郎という作家さんでした。

寡聞にして存じ上げなかったが、
同時代の作家さんだったようです。
まったく別人の。

背表紙の「峰隆一郎」という字面を見たときは、
もうね、隆さんの第二の筆名だったんじゃないかって
思いましたよね。
思いたかったですよね。

何しろ、しっかり読了して、
読書メモまで書いて、
やっぱり好みに合わないと再確認まで
してしまったのです。

別人だったのかっ!!!!

これは、私の読書力がポンコツだという再確認に
他なりません。
なんてこった。
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『大聖堂』は、大河ドラマでした。

2017-05-24 11:13:13 | 日記
それも、うっかり見始めてしまい
途中で離脱しそびれたやつ。

キャスト(タレント)が決まっているから
「もう退場でいいんじゃない?」と思われるキャラが
しつこくしつこく絡んできます。

長期の放映枠が決まっているから
「それってわざわざ詳述すること?」と思われる
小事件が毎回、しつこく描写されます。

迫りくるウィリアムの黒い影!アリエナ大ピンチ!
次回も見てね!って感じです。


なにはともあれ、読了できたことは良いことです。
そこそこ楽しんだ気もしないでもないです。

私の超私見で未読の方に説明すると、

ウィリアムという華も思想も持たない悪役が
最終的にやっつけられるクライマックスの為に
1800ページ強(文庫版)で彼の悪行(しみったれている)を
読まなくてはならない物語です。

たまに、トム一家の家庭内ごたごた(渡鬼っぽい)と
フィリップ院長の苦悩やら善行やら政治的ファイトやらがあります。

建築の話しは、そんなでもないです。
万が一ですが、『火天の城』のイギリス版を
期待している人がいたら、私はおススメしません。

まあ、作者も、ヒューマン・ストーリーであるって書いてますが。
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ケン・フォレット『大聖堂』の、中巻の真ん中あたり

2017-05-15 14:53:31 | 日記
各所で面白いとか徹夜必至とか言われている
『大聖堂』(ケン・フォレット)を読んでいます。
ソフトバンク文庫(上・中・下)の中巻の前半までようやく来ました。

勇気を出して言いますが。

これ、面白いのか…?




まだ中盤なので、これからだよね!とは思っているのですが、
思いたいのですが、
ついつい心の声がこぼれてしまいました。

なんというか、登場人物のやることなすこと、
こんなに言葉を尽くして書くほどかな、と。
もうちょっとテンポ良く進んでもいいんじゃないかな、と。
特に、悪役が悪役って感じすぎて
こんなに文字数を割いて説明することかな、と。

ウィリアムというのが人として薄っぺらくて
「外道です!」というのがわかりやすすぎるのです。
ザ・わかりやすい悪役として、
佐伯泰英の短編くらいのボリュームの物語に
登場することをおすすめしたいヤツです。

もしかして、物語の後半に向けて、
人間的厚みが出たり、なんらかの宿命を背負ったり、
どんでん返しがあるんですかね。
だったら期待したいのだけど、不安しかない…。
単に大団円でやっつけられてすっきりするためだけの
悪事の積み重ねって感じなのです。
ふふふ不安…。

もう一人の敵役のウォールラン司教に期待したいところですが、
今のところ、出番が少なくて
何を考えているのかイマイチわからない。

まさか、この人もこのまま「フィリップ憎い!キ~!」だけで
終わったりしないだろうな。
不安…。

あまりの不安で、つい、口(筆)をすべらせてしまいましたが、
ちゃんと読了するつもりです。

読むぞ~、お~(自分で自分を励ます)
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ガダラの豚のどうのこうの

2017-05-12 16:52:06 | 日記
『ガダラの豚』を読みました。
中島らも。
名作。

めっちゃ人が死ぬんですが
それでも読後感は悪くなく、
全編通じて良い読書時間を楽しめます。

能天気アル中な大生部(おおうべ)教授の
人徳ですなあ。
とはいえ、能天気過ぎだろうとツッコミたいですが。

中島らも作品は遠い昔に(まだ存命だったと思う)
『今夜、すべてのバーで』
を読んだことがあって。
当時の私は、二日酔いも気にせず安酒を暴飲できちゃう
ヒマ且つ健康な学生という素晴らしい身分でしたが、
アル中怖い…と思ったことを覚えています。

さらにどうでも良い話しですが、
その後『テロリストのパラソル』(藤原伊織)を読んで
アル中なのにかっこよすぎ!と思いました。
別に、アル中の描写にリアリティは求めていないので、
特に問題無いし、好きな作品ですが。

ちなみに『ガダラの豚』の時代設定は
90年代初頭あたりでしょうか(初版が96年)。
テレビというメディアの立ち位置が、
「呪術・超能力」とか「凶悪犯罪」とか「アイドルぽろり」とか
覗き見志向全盛の一方で、絶大な影響力も持っていて、
90年代っぽいなあと、時代を感じました。

ネットもケータイも出てこないしね。

それでもテレビの撮影ということで
さくっとアフリカの辺境の村まで行くわけで、
人って「動く」生き物だな、なんてことを
なぜだかしみじみ思ってしまいました。

多分、アイフォンの買い替えの方が
パスポートの再交付(切れて久しいのです)よりも
ハードル低いと感じているからですね。

時代性は「わしも歳をとったのう…」ってことで
どーでもいいとして、
アフリカの文化風習や呪術的社会的な解釈や
超常現象的なアレコレや現代宗教や
アル中や少林寺やゼブラのステーキなどなど、
面白さてんこ盛りで、大変満足満腹でした。
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