思惟石

懈怠石のパスワード忘れたので改めて開設しました。

ライトにライトなものを読んでみたら食い足りない

2015-10-22 13:41:51 | 日記
ずーっと男臭い小説続きだったので
ライトなものを読もうと思って
「クローズド・ノート」を読んでみました。

うーん…。
物足りない…。

主人公の女子大生の平凡さは
まあ、この年齢ならではのかわいらしさ
なのかなと思いますが。

隆一の魅力の無さ…。
えっと…、優しい?とか?
なんつうか、男としても社会人としてもイラストレーターとしても
主張を感じないというか、うーん。大丈夫?

当て馬っつうか、女ライバルとして
大手代理店で推定お嬢の星美ちゃんという
いじわる美人が出てくるのですが、
これがまた、典型的な当て馬として描かれていて。
ちょくちょく主人公を睨み付けたり嫌味を言ったり
ちょっと姑息な妨害をしかけたりするのですが、
なんか、これもなあ…。

ぶっちゃけ、星美のスペックあったら
こんなうだつのあがらないイラストレーターと
小便臭い小娘の恋愛ごっこなんぞに関わらないでしょう。
もっと良い男を見つける嗅覚と環境をお持ちでしょうよ。

という感じで、どちらかというと本線とは関係ないところで
いろいろ考えさせられました。

うーん…。
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終戦のローレライ

2015-10-07 14:04:13 | 日記
所謂「積ん読」になっていた「終戦のローレライ」
読了しました。
文庫で4冊!
そりゃ手を出しかねるわ。

とはいえ前評判通り(?)ほぼ一気に読めました。
しかし徹夜するほどではないかな。

映画化が前提で書かれたという通り、
登場人物がそれぞれ魅力的でそれぞれ物語を抱えていて
見せ場もたくさんあって、
とてもとても映画的な小説でした。
ポジティブな意味です。

映画的な小説というネガティブな意味として
大まかな筋書きが見えてしまうってのはあるのですが、
終わり方はどうするのかな、というのは
わからなくて、ずっとあれこれ考えていました。


以下、ネタバレ的な感想書きますよ。



征人が、何者にもならなかったという終わらせ方は
私個人の感想としては、とてもよかったと思いました。
政治に影響を及ぼすような大人物になるとか、
一代で財を築いて一部に高名を馳せるとか、
なんらかの突出した技術を持って暗躍するとか革命するとか、
全っ然、そういうのじゃなくて、
工場通って働いてローン組んでこども育てて
「俺は一体なにをしたんだろ」
って泣きながらパウラに言っちゃう60歳。
これだけのページを割いて、物語を割いて、
たくさんのキャラの人生背負って、
何者にもならない征人。
なんか、すごいと思う。
そういうことだと思う。
それで良いと思う。

折笠征人、後の伝説の革命家である。
とかやらかしたら、もう、がっかりですものね。
ファンタジーの彼方の物語ですものね。

あと、細かいけど、パウラが
「本当にこの男で大丈夫だろうか
 早まっただろうか」
的なことを考えちゃうんだけど、
そういうのも、大事な気がしました。
そういう疑問を抱いた上で、
ちゃんと覚悟を決めてるパウラ。
良いと思います。


あとはホントどうでもいい感想ですが、
福井作品はどれも出だしが冗長だなと思います。
どんどんストーリーにスピード感が出てきて
リカバリするとはいえ。
映画的といえばそうなんだけど、
小説はもう少し初速を上げてもいいと思うのです。

あとオッサンかっこいい。

福井作品はこれで一通り読了で、
個人的なベストオブオッサンは
「Twelve Y.O.」のヘリコプターのオッサンで
ベスト作品は「亡国のイージス」ですが
一番記憶に残ったのは「Twelve Y.O.」あとがきの
大沢在昌の熱い想いが迸るコメントですw
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