思惟石

懈怠石のパスワード忘れたので改めて開設しました。

フロスト日和

2016-06-27 14:14:37 | 日記
R.D.ウィングフィールド著、芹沢恵訳
「フロスト日和」を読みました。

イギリスの架空の街デントンを舞台にした
フロスト警部のシリーズものです。
シリーズの、第二作です。

はい、例のごとく会社のリサイクル本棚から
ゲットした次第でして。

でもね!
一作目を読んでなくても楽しめたよ!
よかったよかった!!

このシリーズはモジュラー型と分類されるらしいのですが、
とにかく大小様々な事件が同時並行で重なりまくって
最終的にあっちとこっちが繋がって、
そっちとあっちが連動して、
なんかもろもろ解決大団円、というものです。

事件も複数発生するので、それに伴って登場人物も多いのですが、
街の人々がなかなか人間味があって良い感じです。
そばに来れば臭いでわかるホームレスやら、
男好きの金持ち夫人と名門校に通う15歳の娘やら、
小汚い家に住んでお金をしこたま貯めこんでる金貸し婆やら。
その中でもっとも人間味があるのが、
主人公のフロスト警部というわけですが。

とはいえ、警察のメンバーは、
いまいちキャラが立っていないような。

フロスト警部の相棒ウェブスターも
一作目とは違う人物のようですが、
いまいち魅力に欠ける気がしていて
次回作でさらにチェンジされてしまうのでは
なかろうか。
余計な心配をしてしまうな。

にしても、本当に大量の事件が同時進行して、
700ページにもなるみっちりした一冊ですが
時間にして火曜夜から金曜までの一週間足らず。

いつもこんな感じで働いてますって感じですが、
平均睡眠時間が3時間あるかどうかってところでは
ないでしょうか。
普通に夜勤と日勤が繋がってるし。
帰宅は二日に一回。
フロスト警部、このペース、明らかに過労ですよ!!
労基署とかに怒られちゃうよ!!!

なにはともあれ面白く読めましたし、
全ての事件がスッキリ解決!!というわけではないけれど
それも込みでいい感じのラストだったし
フロスト警部は引き続きドタバタと事件に取り組んで
いくんだろうなという読後感。

さ、次は「フロスト気質」を読むぞ。
シリーズ第四作目の。

誰か三作目を寄付してくれないものだろうか。
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名作!星を継ぐもの

2016-06-22 15:55:34 | 日記
ハードSFの代表作として名高い
ホーガン「星を継ぐもの」を読みました。

おもしろかったなあ。
やっぱり名作と呼ばれる小説は
読んでおくべきなのだなあ、としみじみしました。

(で、ネタバレっぽい感想を書きます)

私は科学とか歴史とか宇宙学とかに関しては
まったくの素人なので、
この小説の技術的背景の確かさとかはわかりませんが、
それぞれの分野で最先端の知識を持つプロたちが
職責とプライドを持って謎に取り組んでいくプロセスが、
共感やら好感やら持てて、楽しかったです。

チャーリーが抱いている5万年分の
謎とか孤独とかに思いを馳せると、
さらにグッとくるものがありますよね。
(心の中の中二的な部分が特にね!)

コリエルとは対照的に、実名が最後まで明らかにならず、
5万年後に人類に発見された際のコードネームである
「チャーリー」のまま終わる、というのがまた良いですよね。

そういえば、プロローグでさかんにコリエルを
「巨人」と表現しているので、
その点だけが謎で、ガニメアンなの?なんなの?
と混乱して読了したわけですが、
原文ではタフとか大男とか、そんな感じの表現なのを
訳者がダブルミーニング(というかミスリードのため)に
「巨人」と訳した模様。

とはいえ、日常会話で「巨人」と言うなら、まあ、
平均より高身長の人に対する揶揄というか、
そういう意味で使うかもしれませんが。
SFとかの文章で「巨人」と表現されたら、
それは「巨人族」の意味であり
人類以外の生命体系に属する生物を意味すると
解釈するじゃないですか。

この一点だけ、なんだか惜しい気が。

と、小姑みたいな文句を言いましたが。

やっぱり読んで良かったな!というのが感想です。
名作って良いなあ、と。
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