思惟石

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ハリー・ボッシュ・シリーズ読了しました。ぱちぱち。

2015-09-01 16:09:04 | 日記
ちょいちょい言及しているボッシュシリーズですが、
邦訳最新刊の「ナイン・ドラゴンズ」まで
ようやく読了しました。
長かったぜ…。

マイクル・コナリーによる「ハリー・ボッシュ」シリーズは
92年の刊行から現在2015年で全15作。
邦訳済なのは14作。
ちなみに1作品が基本的に上下巻になるので
めちゃくちゃ量がありました。

1作目の「ナイトホークス」で40歳だったボッシュも
今や60歳になろうとしています。
しかし一向に変わらず、尖がったまま。
14作目まで読んでふと思ったのは、
このままじゃボッシュ、老害になるんじゃ…
という大きなお世話な小さな心配。

ボッシュのプロフィールはざっくり言うと、
売春婦の母が殺害されたのち施設で育ち
ヴェトナムに従軍後ロス市警に奉職した天性の刑事。
ハリウッド署に20年近く勤め、一旦、職を離れるも復職。
そんなこんなの間にいろんなダメ女に手を出しつつ
結婚して離婚して知らぬ間に娘ができていて
パートナーはなにかとケガしたり役に立たなかったり
上司やら同僚やらFBIやらは犯罪者ばっかりで
ボッシュは相変わらず誰も信用しないと公言しつつ
ちょこちょこ騙されます(特に女に)。

父親不詳のまま売春婦の母に幼少時代を育てられ、
それでも愛情を注がれて暮らしていたが
母は何者かに殺され、自分は養護施設へ。
いくつもの里親の元を転々としたのち
家出のようなかたちでヴェトナムへ従軍。
という前半生におけるトラウマというか、
自分とは何者なのかという過去への問いが
前半4シリーズくらいのメインテーマです。

この、前半戦がシリーズの土台となっていて
なかなか面白いです。

で、過去との対峙が済んだ中盤戦の作品が
小説としてもボッシュとしても面白いと思います。
個人的には後半戦になるのか(?)の
「終結者たち」が一番おもしろく読めました。
次点が「エコー・パーク」かな。

あとがきで訳者がしょっちゅう言っているのが
「ボッシュ・シリーズは面白いから単品で読んでも面白い」
なんですが、やはりシリーズで通して読まないと
楽しめないと思いますはい残念。

以前に「エコー・パーク」を読んだときは
「?」だったボッシュの行動とか
ちょっとした設定への言及とかが
今回は腑に落ちたというか、
楽しんで読めました。

続いて「トランク・ミュージック」
「エンジェルズ・フライト」
「シティ・オブ・ボーンズ」
「ブラック・ハート」
という順番かなあ…。
エンジェル以下は、なんか、ボッシュは女見る目ない!
アメリカの警官&FBIは犯罪者ばっかり!
みたいなことを思いすぎて、冷静に感想を述べられない(笑)

なんだかんだ言ってますが、
ボッシュファンの先輩からまとめて借りていたこともあり、
数冊読むごとに感想を述べ合っていたりして
がっつり楽しみました。
こういう物量のあるシリーズ物の話しを
共有できる人がいるっていうのは
ものすごく貴重で幸せで楽しいですよね。

でもまあ、このシリーズを未読の方には残念なお知らせですが、
刊行順に読むことをお勧めせざるを得ない。

フォローになるかわかりませんが、
個人的ななんとなくの感触ですが、
3作目辺りから訳文がうまくなってきていて
すごく読みやすくなります。
ストレスなくぐいぐい読める文章で
通勤読書に重宝します。
時間を持て余してケータイゲームやってる方には
おススメです!
コメント
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