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思惟石

懈怠石のパスワード忘れたので改めて開設しました。

【読書メモ】2014年11月 ②

2021-03-08 14:54:59 | 【読書メモ】2014年
<読書メモ 2014年11月 ②>
カッコ内は、2021年現在の補足コメントです。


『月光ゲーム』有栖川有栖
学生シリーズ。
『孤島パズル』も読んだけど、部長の記憶がほぼない…。
途中で悩まないし捜査や無駄推理しないから
ちょっと影が薄いのかな。
御手洗みたいなパンチがあるタイプでもないし。

(<学生アリス>シリーズの第一作目。
 大学のサークル・推理小説研究会のメンバーで行った
 キャンプ先が「THEクローズドサークル」となり、
 殺人事件が起き…、という本格ミステリの見本のような作品。

 謎解きもロジカルで、読者への挑戦もあって、
 ミステリ入門のためにはとてもとても良いシリーズです。
 読んだ当時は若かったので(と言っても30半ばである。若くはないな)
 青春臭い登場人物の会話が苦手だったんですが、
 もはや温かい気持ちで見守れちゃう年齢なので、
 再読したら楽しめる気がします!
 意外とトリック覚えてるけど!
 そして相変わらず、その動機はどうなのよ?!とは思います。

 青春っぷりを温かい気持ちで読めた
 『双頭の悪魔』の感想はこちら



『ちみどろ砂絵』都筑道夫
<なめくじ長屋>シリーズというものらしい。
先生、思った以上に金に汚く稼いでそうなんだけど、
その割に貧乏だな。
貯金してんのかな。

(初版は1969年なんですね。結構ふるい。
 ビートたけしが主演で映像化もされたそうですが、
 1990年、もはや30年前か…。
 なめくじ長屋に住む砂絵師「センセー」が
 長屋の住人たちを手下がわりにつかって謎を解く短編。
 ショート・ショートと言ってもいいくらいの短さなので
 復刻版は「ちみどろ砂絵」「くらやみ砂絵」2冊合本に
 なっているみたいです)



『ガーデン』近藤史恵
女子の一人称の感じが好きじゃない。
『サクリファイス』を読んだときは面白いと思ったのだけど。

(今泉探偵が出るシリーズは、ほぼほぼ歌舞伎ネタらしいのですが、
 二作目であるこの『ガーデン』だけ異なります。
 不思議な魅力を持つ娘「カヤ」を探す若い女性依頼人。
 謎、、、というか、よくわからん、、、というか、なお話し。
 『サクリファイス』が大藪春彦賞受賞や本屋大賞2位で話題になり、
 私もおもしろいと思っていたので、ちょっと、辛口になってしまった)
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【読書メモ】2014年11月 ①

2021-03-01 15:13:50 | 【読書メモ】2014年
<読書メモ 2014年11月 ①>
カッコ内は、2021年現在の補足コメントです。

『氷菓』米澤穂信
☆☆☆
おもしろかった。
ずっとホータローの一人称で良いと思うのですが。

(米澤穂信のデビュー作&出世作ですね。
 <古典部>シリーズの第一作でもある。
 古典部メンバー4人の高校入学から夏休みまでに起こる
 日常の謎を連作短編で描きつつ、
 古典部文集『氷菓』の謎を追うストーリー。
 高校生活の時系列に沿って、6作まで出ています)


『神のロジック 人間のマジック』西澤保彦
☆☆☆☆
おもしろかった!
(ネタバレなので文字色反転)
叙述物(反転ここまで)の名作にカウントしてもいいと思うのですが、
なぜこの人の作品はこんなにも知名度が低いのか…!

(主人公の「ぼく」は、見知らぬ場所の見知らぬ寄宿舎
 「学校(ファシリティ)」にいつの間にか住んでいて、
 学友たちと不思議な「推理ゲーム」の授業を受けている…。
 という不思議な感じで話しが始まります。
 西澤あるあるの「タイムワープします、そういうもんです」的な
 トンデモ設定の説明(宣言?)も無いので
 不穏で、ちょっと幻想的で、わくわくする感じ。
 恩田陸っぽいというか。
 そんでもって、中盤からは連続殺人事件まで起きちゃって、
 どうするの?どうやって風呂敷畳むの?
 まあ、畳まなくてもいいけど!
(恩田陸読者は畳まれない風呂敷に慣れている)
 この作品の不幸は
(ネタバレなので文字色反転)歌野晶午のデビュー作(反転ここまで)と
 設定と出版時期がドン被りしていて、割りを喰らいまくったことでしょう。
 もうちょっと評価されても良いよなあ)


『瞬間移動死体』西澤保彦
あいかわらずトンデモミステリで面白い。
その割にトリックとか設定の整合性はちゃんとしてる。
そこそこトンデモな動機も納得できちゃうのは筆力故か。

(初期のノン・シリーズのひとつ。
 『七回死んだ男』や『人格転移の殺人』に比べると
 評価が低めなのですが、私は好きです。
 瞬間転移(テレポーテーション)能力を持っている
 ヒモ男が妻の殺害を企てたものの、という
 超人なの?ダメ人間なの?何なの?!な感じの
 設定が良いですよね!)
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【読書メモ】2014年10月 ④ 当月のトップツー

2021-02-15 10:42:27 | 【読書メモ】2014年
<読書メモ 2014年10月 ④>
カッコ内は、2021年現在の補足コメントです。
なんの気まぐれか、星をつけていますが、
来月には飽きる予定です。


『村上海賊の娘』和田竜
☆☆☆☆
おもしろい。
おもしろいのだけど、
この人はこういうエンタメ作品の人なのかなとも思う。
映画原案者になるか、作家としての立ち位置を確保するか、
そろそろ岐路に立つころではないかと。
あと、人の思考についての説明が多いように思う。
キャラクターへの愛が大きくて、
すべての人物の「考え方」の正当性を描きたいのかな。

(もともと脚本家志望の方なんですよね。
 2013年の今作以降、小説は出ていないみたい。
 なんだかんだで読んで楽しいから、新作待ってます)


『光圀伝』冲方丁
☆☆☆☆☆
自分に忠実に生き抜いた男の一生は面白いなあ。
和田竜の対極にあるイメージ。
光圀公はかっこいい。
『天地明察』の人物造詣とぶれてないのだけど、
前作書いているうちから光圀の話を書こうとしていたのかな。

(水戸黄門でおなじみすぎて旅するおじいちゃんのイメージしかない
 水戸藩主・徳川光圀公の一生を描いた小説です。
 光圀が若い頃は傾奇者だったこととか、
 『大日本史』の編纂に尽力したこととか、
 全く知らなかった。
 新鮮な驚きと学びがあって、とにかくおもしろかったです。
 冲方丁の時代小説出世作でもある『天地明察』と時代が重なっているので
 共通の登場人物もちょこちょこっと出てきますね。
 ちなみに単行本は0.7キョーゴクの重量。
 (1キョーゴク=1000ページという、私的単位です)
 単行本で読んだので腕がぷるぷるしましたが、
 長すぎるとは全然思わなかった。おもしろかった!)
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【読書メモ】2014年10月 ③

2021-02-12 12:25:05 | 【読書メモ】2014年
<読書メモ 2014年10月 ③>
カッコ内は、2021年現在の補足コメントです。
なんの気まぐれか、星をつけていますが、
来月には飽きる予定です。


『桜姫』近藤史恵
☆☆☆
女性のモノローグがイマイチか。
と思ったけど、『ガーデン』よりは良かった。

(この作者さんは歌舞伎を舞台にした作品が多いそうです。
 レギュラーは大部屋役者の瀬川小菊と探偵の今泉文吾ですが、
 『桜姫』の主人公は大物歌舞伎役者の「愛人の娘」笙子。
 本家に引き取られる以前に起きた、跡取り息子(異母兄)の謎の死。
 亡兄の親友と名乗る女形役者と追う過去の真相。
 歌舞伎シリーズ3作目(今泉探偵モノでは4作目)ってことを知らずに読んだので、
 レギュラー陣の人間関係とか性格がよくわからず、
 のめり込めなかった感があります。残念)


『ABC殺人事件』アガサ・クリスティ
☆☆☆
クリスティがミステリの手法のほとんどを
ひとりで確立してしまったという説は本当なんだなあと。
しみじみ。

(有名すぎる作品ですが、
 改めて読むとやっぱりおもしろいんですよね。
 Aで始まる地名のイニシャルA・Aが殺され、
 次はBで始まる地名に住むB・B、その次はC・Cが…
 って、導入から面白いし、ワクワクする!
 クリスティはやっぱりすごいわー)


『眠りの森』東野圭吾
☆☆
加賀刑事もの初めて読んだ。
バレリーナの話し。

(<加賀恭一郎>シリーズの2作目。
 シリーズ8作目の『新参者』のドラマ化で有名になりましたね。
 阿部寛の濃い顔が印象的な加賀刑事が日曜ドラマに登場したのが2010年。
 ついでに『新参者』がこのミスを獲ったのも2010年。
 なので、<加賀恭一郎>シリーズってその頃に始まった作品かと思ってました。
 加賀刑事の初出は東野圭吾のデビュー2作目、1986年。
 2作目の『眠りの森』は1989年です。意外と古いっ!

 しかも、3作目以降の中期作品は、
 狂言回しというより脇役的な立場で事件に関わる作品が多い。
 要するに、1990年代は<加賀恭一郎>シリーズと言いつつ、
 あまり目立たない人だったんです。

 というわけで、アレですよ。
 2014年当時の読書メモに「初めて読んだ」と言ってる私ですが、
 読んでますよ、加賀シリーズ!
 『悪意』『どちらかが彼女を殺した』と、2冊も読んでる!!
 我ながら記憶力がアレですが、まあ、当時の自分を擁護しても
 いいかな、というくらい加賀刑事は出てこないけど)
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【読書メモ】2014年10月 ②

2021-02-10 14:03:41 | 【読書メモ】2014年
<読書メモ 2014年10月 ②>
カッコ内は、2021年現在の補足コメントです。
なんの気まぐれか、星をつけていますが、
来月には飽きる予定です。


『魔王』伊坂幸太郎
「魔王」と「呼吸」の中編二本。
「魔王」の主人公・安藤は自分に「考えろ考えろ」と言い聞かせ続ける。
弟の潤也は、頭は良くないけれど直感が優れている。
「呼吸」の途中で読むのやめちゃったんだよな。
なんだか消化不良。

(長編『モダンタイムス』の前日譚といった位置付け。
 『魔王』と『呼吸』は序章っぽい作品というか、
 不穏な雰囲気を撒き散らかして
 結末は読者に委ねるというか、思わせぶりな終わり方というか。
 そういう意味でもセットで読んだ方が楽しめそうです。
 私はバラバラに読んだうえ、記憶力もアレなので
 いまいちのめり込めないまま終わってしまった…)


『赤い糸の呻き』西澤保彦
☆☆☆
読みやすい短編集。
なんか女性同士の同性愛ネタが多くないか。

(ノン・シリーズの短編集。
 キャラクターの習作も兼ねていたのかな?
 どれも、ちょっと濃いめの設定の登場人物ばかりです。
 ちなみに『お弁当ぐるぐる』は“ぬいぐるみ警部”の初出。
 だから『ぬいぐるみ警部の帰還』はシリーズ一作目なのに
 タイトルが“帰還”なんですね)


『必然という名の偶然』西澤保彦
☆☆
櫃洗(ひつあらい)市のスピンオフ。
大富豪探偵・月夜見ひろゑが出てくるが、
大して探偵していないような。
高校の教え子に押し掛けられる先生がいたけど、
でもやっぱり手を出しちゃダメですよ。という感想。

(櫃洗(ひつあらい)市というヘンテコな名前の人ばかり住んでいる
 ヘンテコな名前の街は、『腕貫探偵』の舞台です。
 で、今回登場している大富豪探偵は、
 腕貫探偵の長編『モラトリアム・シアター』に再登場します)
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