思惟石

懈怠石のパスワード忘れたので改めて開設しました。

村上春樹『騎士団長殺し』読了!楽しかった!

2020-04-30 20:48:20 | 日記
村上春樹の『騎士団長殺し』
新潮文庫版の4冊、無事読了〜。

楽しかった!!

新潮から出版された単行本は
第1部「顕れるイデア編」と
第2部「遷(うつ)ろうメタファー編」
で、文庫だとそれぞれ上下に別れてます。
全部で1000ページ超えの長編です。

第1部の上巻を読みきった後、
都内の本屋で続きがない!という
ひと幕がありつつ、近所の本屋に全部揃っていたので
ガシッとまとめ買いさせていただきました。

在宅ワークの合間にちょこちょこ読んでいたら
結構、あっという間に読みきりましたね。
楽しかった〜。

主人公(36歳)が妻に一方的に別れを切り出される
というおなじみ(!)なところから始まりますが。

同級生の父である日本画家の元アトリエに留守番代わりに住み、
画家の未発表の謎絵画を見つけ、
謎の金持ちの紳士に会い、
謎の井戸(毎度!)を掘り起こし、
謎っぽい思春期の少女も出ます。

そして登場するイデアとメタファー!!

おなじみのモチーフはおなじみですが、
だからと言って小説として既視感はないんですよね。
読んでて楽しいよ!

音楽や文化、歴史も多数出てきます。
高尚!
とはいえLPしか聴かない父と、
カセットテープを愛聴する息子とか。
なんか、いいよね。
「トゥーランドット」も「ルック・オブ・ラブ(ABC)」も
ちゃんと聴いたことないけど!

『1984』を書いたジョージ・オーウェルのエピソードは
ほんわかしましたけど。

タンノイのスピーカーとかスタンウェイとかは、
この歳になっても憧れますね。
20代のころは作中の人物がバドワイザー飲んでるだけで
「憧れる!」とか思ってましたが。
とりあえずシーバスリーガルは飲みたい時に飲める年齢になったよ!

と言う感じで(?)
ハルキスキー的には、随所で楽しかった。
もちろん、小説の全体や世界観も楽しかった。
ど新規の若い読者の村上春樹入門編ではないと思いますが。

でもね、とことん村上春樹らしいし、
だからと言って新しくないわけじゃないし。
私は好きです!

でもでも一番好きなのは『羊をめぐる冒険』です!
耳がきれいな彼女、いいよね!!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【読書メモ】2013年1月④ アクロイド殺し

2020-04-27 10:10:12 | 【読書メモ】2013年
<読書メモ 2013年1月④>
カッコ内は、2020年現在の補足コメントです。

『アクロイド殺し』アガサ・クリスティ
ミステリの新ジャンルをつくった作品。
なんで今まで読んでいなかったのか。
同じジャンルで低レベルなものを読む前に読んでおきたかった。

(知っている人の方が多いかもしれませんが、
 ミステリに「とある新ジャンル」をつくった作品ですね。
 現在では、ジャンル名を見るだけでネタバレになります…。
 ちなみに、そのジャンル名を踏まえて何冊か読む、という
 本末転倒なことをしたのがこちら。

 この、ミステリ界に大波紋を起こしたという
 歴史的事実が大きすぎて
 ウィキペディアで『アクロイド殺し』を調べると
 7行目くらいでネタバレをかまされます笑
 みんな、気をつけて!!!

 初版は1926年(日本だと大正の最後の年!ですね)。
 <エルキュール・ポアロ>シリーズの3作目にあたる
 長編小説です。

 どうでも良いですが、私はクリスティの作品では
 『そして誰もいなくなった』が一番好きで、
 特に大好きなのが、真鍋博が装丁した表紙なんです。
 本棚にあったはずなんだけどな…。
 最近、見かけないな…。
 (本がすぐに行方不明になる…)

 何はともあれ、名作古典と呼ばれる作品は、
 早めに読んでおいた方が良い気がします。
 自戒の念も込めて)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【読書メモ】2013年1月③ 浅田次郎!

2020-04-22 19:48:12 | 【読書メモ】2013年
<読書メモ 2013年1月③ 浅田次郎2冊>
カッコ内は、2020年現在の補足コメントです。


『日輪の遺産』浅田次郎
おもしろい。いい意味での大衆小説家なんだなじろう。

(なんだかんだで、(浅田)じろりあんな私です。
 これは、映画にもなった人気作ですよね。
 93年初版の、作者の初期長編。
 ご本人が「大幅に書き直したい」といっているくらい
 細部や文体が荒かったりしますが、
 それでも!一気読みできる!!
 エンターテイナー浅田次郎節が感じられる
 マジで良い意味でのエンタメ小説ですよ!!
 校閲が趣味!みたいな文章の粗にこだわらない人なら、
 一読の価値あり!

 始まりは競馬場で、破産ギリギリだめオジサンから。
 浅田次郎らしいなあ…。ほっこり。
 で、小汚いおじいちゃんに親切にしたら、
 戦後の財宝の隠し場所メモ?みたいな手帳を託され…。

 そしてストーリーテラー浅田の本領発揮!
 時空が飛んで、終戦間際の様々な人間ドラマが紡がれ、
 パズルの様に繋がり、徐々に全貌が見えてきて…。

 ああ楽しいっ!! 

 個人的にはプリズンホテルが一番好きだけどね!)


『蒼穹の昴』浅田次郎
途中から主人公の影が薄くなったな…。
中盤以降、ちょっとだれた気がする。

(とはいえ大作&名作ですよ!
 清朝末期が舞台の歴史エンタメ小説。
 直木賞の候補になったり、日中共同制作のドラマ化されたりしました。

 主人公の二人は架空の人物。
 貧しい子ども時代から、一方は宦官として、
 もう一方は進士(科挙に合格しないとなれないアレ)として
 紫禁城に仕えるようになります。

 李春雲(り しゅんうん)・春児(チュンル)
 梁文秀(りょう ぶんしゅう)・史了(シーリャオ)

 文庫版四冊分、なかなかの時間を共に過ごすので、
 主人公ふたりの名前とルビを見るだけで
 なんだか懐かしい気持ちになります笑

 話しが進むと、主人公の二人が大人になって
 社会的な地位や人間関係も出来上がり、
 激動の政治や時代に対してできることが少なくなってくるというか。
 ちょっと影が薄くなる感はありますが。

 西太后や李鴻章、袁世凱などの教科書でよく見る人々が登場し、
 清朝末期の空気感や政情がよくわかります。
 フィクション部分を見極めた方がいいけれど、
 それでも歴史の勉強になる小説です。

 一読の価値ありです!
 シリーズというか、後日譚というか、スピンアウトというか、
 って感じで『珍妃の井戸』『中原の虹』『マンチュリアン・リポート』
 『天子蒙塵』があります。
 が、春児と史了の成り上がってやるぜ!という
 あの頃の胸にギュッと来る感じは取り戻せないですね。
 『蒼穹の昴』がシリーズ内で最高傑作となります。

 個人的にはプリズンホテルが一番好きなんだけどね!)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【読書メモ】2013年1月② アルケミスト

2020-04-21 14:32:10 | 【読書メモ】2013年
<読書メモ 2013年1月②>
カッコ内は、2020年現在の補足コメントです。

『アルケミスト』パウロ・コエーリョ
表紙の絵が『ベロニカは死ぬことにした』と同じ画家で、
イマイチなイメージ…と思ったら、同じ作者の小説だった。
でもこれは面白かった。
大人の童話と言う感じというか。
ベロニカはうすっぺらいなーと感じたんだけどな…。

(羊飼いの少年が宝物を探してエジプトのピラミッドを目指す旅に出ます。
 錬金術師と出会ったり、大いなる声(?)に触れたり、恋をしたり。
 ちょっと啓蒙書っぽい感もあるけれど、素直な気持ちで読めれば
 元気をもらえる一冊です。
 こちらの翻訳は山川紘矢と山川亜希子。
 読みやすくって、良かったです。

 『ベロニカは死ぬことにした』は、
 自殺未遂をして精神病院に入れられ、ついでに余命数日と宣告された
 思春期のベロニカちゃんが大急ぎで自分を見つめ直す話し。
 これはこれで、胸を打たれる人もいると思います。
 私は、あざといなあ〜と思ってしまいました。
 こちらの翻訳は江口研一。

 作者のパウロ・コエーリョは、こういう大人の啓蒙書というか、
 気持ちをリセットする系の物語が上手な人。
 『アルケミスト』でアンデルセン文学賞(2007)受賞。
 ブラジル在住。

 日本版の表紙イラストは、平尾香さんという作家さんのようです。
 角川から出ているパウロ・コエーリョの邦訳は
 ぜんぶこの人のイラストで統一しているのかな?
 ファンだと探しやすいし手に取りやすいから、良い手かと)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【読書メモ】2013年1月① ロールシャッハの鮫

2020-04-20 10:10:59 | 【読書メモ】2013年
<読書メモ 2013年1月①>
カッコ内は、2020年現在の補足コメントです。


『ロールシャッハの鮫』スティーヴン・ホール
分厚くて重いので、へろへろ体力で持ち歩くのは大変だった…。
が、面白かった。
訳が良かったのかな。
もう少しネコが活躍しても良かったが。

(邦訳は池田真紀子。
 記憶喪失の主人公、意味深に残されたメッセージ、
 現実と非現実が次第に曖昧になる感覚…。
 って、なんか、あるある設定!ではあるんですが、
 紙面にタイポグラフィ?アスキーアート?が侵入してきて
 そういう視覚的なお遊びも足されています。
 だから分厚いんだけどね!(重かった…)

 意味深な日記に登場する意味深な「元」恋人に振り回される
 主人公エリックと一緒に行動するのが、
 気難しい猫のイアンってのが良いですね。
 『夏への扉』か!

 どうでも良いけど、こういう主人公が翻弄される系SF?
 な設定には猫が似合いますよね。

 『SF的な宇宙で安全に暮らすっていうこと』に出てくる
 非実在犬みたいなのも好きですが、こっちの犬は、
 『ボートの三人男』的というか、日常とブラックユーモアと犬
 というか。

 なんか自分でも何言ってるのかよくわかんなくなってきたけど。

 ちなみに!
 この作者、アメリカの超有名な建築家と同姓同名なんですけど…。
 別人だよね…。

 と思って調べたら、イギリスの作家なんですね。
 1975年生まれ。
 建築家の先生は1947年生まれなので、年齢もだいぶ違う。
 アーティスティックな建築物やドローイングの印象があったので、
 とうとう小説まで書いたのか?!と、ちょっとびっくりしてしまった。
 別人です)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする