思惟石

懈怠石のパスワード忘れたので改めて開設しました。

『地名の謎 その由来から日本がわかる!』 地名は良いよね!

2023-08-31 10:40:06 | 日記
『地名の謎 その由来から日本がわかる!』
今尾恵介

おもしろ地名の本。
日本でぼんやり暮らしているだけでも、
交差点の地名とか見て
「!」ってなったり「?」ってなったりするじゃないですか。

先日もドライブ中、渋沢栄一で有名になった
「血洗村(ちあらむら)」の看板に「!」ってなった直後に
「骨波田」の看板で「?!」となりました。
この界隈、不穏だな!!

ちなみに「骨波田」は「こっぱだ」と読み
藤の花で有名なお寺さんがあります。

そんなこんなで、漫然と生きてるだけでも
地名っておもしろいな、と思うじゃないですか。
そんなおもしろ地名が凝縮された一冊。
お得〜。

著者の今尾さんは研究者ではなく、
地名マニア(アマチュア)だそうです。
その割に地名の変遷などは
資料をとことん遡ってガッツリ調べていて、
すごいなと思う。

プロフィールに
「中学生の頃から国土地理院の地形図に親しむ」
とあるんですが、本棚に地形図が並んでる実家ってのも
なかなか無いと思う。
いいですね。

個人的に好きな地名ネタは以下。

・沖縄では「西」=「いり」、「東」=「あがり」と読む
 地名が多い。西表とか。
 太陽が入る、上がる、に由来する。由来がおしゃれ!

・福島県大信村には
 「田園町府」、「青山墓地」、「赤坂ニュータウン」がある。
 田園調布の漢字をずらしているところがミソ。

・千歳は元の地名「シコツ」が「死骨」を連想するとして改称。
 兵庫県生野(いくの)は元々の「死野」をポジ転換して改称。
 縁起担ぎ改称は各地にあるらしい。
 私は「血洗島」や「骨波田」に出会って楽しかったけど、
 住んだり売買したりする際に色々な思いがあるのかもしれない。

・有名(?)な難読地名
 「一口」=いもあらい
 「人里」=へんぼり
 「間人」=たいざ
 いや、知らなかったら永遠に読めないでしょ、これ…。
 でも誰かにドヤ顔で言いたいから、覚えておこう。
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『辺境メシ ヤバそうだから食べてみた』 ヤバい笑

2023-08-30 13:58:43 | 日記
『辺境メシ ヤバそうだから食べてみた』 
高野秀行

ノンフィクション作家で辺境探検家のグルメ本。
という1行説明だけで、もうヤバそう笑

高野さんのモットーは
「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、
それを面白おかしく書く」。
って聞くだけだと、まあ、イロモノの人かな?と思うけれど、
高野さんはすごい人なんである。
とにかくなんでも良いから高野本を一冊読めば、
「なんてモットーに忠実な人なんだ!」と言わざるを得ない。
ヤバい人なのだ。

そんな高野さんのトンデモグルメが、
なんと週刊文春で連載されていたそうです。
文春すごいな笑

連載ものなので、短い章立てになっていて、
とても読みやすい。
高野ワールド入門本として良いかも。

と言いつつ、冒頭一発目がゴリラ肉です。
いきなり生々しいというか
パンチが効いているというか、
冗談抜きで「うわあ」ってなった。
というか、ちょっと声出たよね。
夏休み中だったのですぐ横に甥っ子がいたけど。

その後も人間の胎盤だの、ヒキガエルまるごとジュースだの、
おばあちゃんの口噛み酒だの、怒涛のトンデモラッシュ。
すごい…。
ヤバい…。
ちょこちょこ現地の人にもドン引きされています。
さすがです!

ちなみにソマリランド名物(で酷い便秘にもなる)でおなじみ
噛むと多幸感が湧く葉っぱ「カート」も登場。
食物じゃないと思うけど。

冒頭の作者アドバイス通り、食事中に読まなくてよかったです。
というか、読みながら思わず声が洩れる(笑いか驚きかドン引きで)ので
親戚や家族がそばに居ない環境で読むこともオススメします。
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『紛争地の看護師』 ルポよりルポ!

2023-08-29 09:58:30 | 日記
『紛争地の看護師』
白川優子

著者は「国境なき医師団」手術室看護師として
8年間活動を続け、17の紛争地に派遣されている。
ジャーナリストのドキュメンタリーとは違った視点で
紛争地のリアルな姿が見えてくる一冊です。

高校卒業頃から「国境なき医師団」に憧れ、
看護資格や語学力、海外勤務経験を積み続けたのもすごい。
30代半ばでようやく夢を叶えているのだけれど、
その道のりがすごい。

夢を叶えてからも迷ったり壁にぶち当たったりしている姿が
素直に描かれていて好感と共感がドバドバです。
途中、一介の看護師では何も変えられないのでは?
という疑問からジャーナリストを目指そうとする。
それが却って看護師としての矜持を確固たるものにする、
というエピソードにも心を打たれました。

紛争地医療の現状や加害者側の理屈などは、
歴史を学び、いろいろな解釈をしようと試みても
私なら無力感に苛まれて心が折れるだろうなと思ってしまう。
でも著者は思考放棄せずに理解しようという姿勢を取り続けている。
本当に頭が下がりました。
良い一冊。
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『毒々生物の奇妙な進化』 意外と専門的な毒毒トーク

2023-08-25 11:20:17 | 日記
『毒々生物の奇妙な進化』
クリスティー・ウィルコックス
垂水雄二:訳

著者はハワイ大学で毒性生物の研究を学んだサイエンスライター。
自らの毒性生物との関わりエピソードや
周囲の研究者たちの毒エピソードを交えて、
様々な毒性生物の仕組みや進化にまつわる話しが綴られています。

エピソードのひとつなのですが。
大量の毒蛇を飼いながら、
自分の体内にペットの毒を取り入れる人種が
一定数いるって話しにはびっくり。
そういうコミュニティとかもあるみたいです。
ど、どういう?

かわいいくせに猛毒ギャップでおなじみ
「かものはし」も、発見当初は研究者の間で
毒性生物だと認識されていなかったそうです。
かわいさが勝つよな!
その毒性が発見されるまでの科学界の
あーだこーだですったもんだ、みたいな話しはおもしろい。

とはいえ、全体的にそういうオモシロ本かと思ったら、
もうちょい免疫学とかのマジ学術寄りだったかな。
一介の読書人としては、ちょっと専門的な話しが多かった印象。
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『戦争は女の顔をしていない』 ちゃんと読んだ。ぜんぶ読んだ。

2023-08-24 15:49:33 | 日記
『戦争は女の顔をしていない』
スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ
三浦みどり:訳

2016年出版の岩波現代文庫で読んだ。
第二次世界大戦に従軍したソ連の女性たちへの
聞き取りをまとめた一冊。

作者は元々はジャーナリストで、
1978年から従軍経験者たちに聞き取りを始めたらしい。

当時は30代。
従軍した頃の女性たちは16歳から20代前半。
語る方の辛さは一冊まるごとから感じられるけれど、
聴く方も辛く、しんどかったのではないか。

元女性兵士が、スヴェトラーナの活動を続けるように
応援するコメントも散見される。

途中、読むのが辛いところもあったし、
少し休憩しないといけないこともあった。
でも読んだ。
ちゃんと全部読んだ。
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