思惟石

懈怠石のパスワード忘れたので改めて開設しました。

【読書メモ】2010年12月 ②

2019-05-09 11:39:52 | 【読書メモ】2010年
<読書メモ 2010年12月 ②>
カッコ内は、2019年現在の補足コメントです。


『タイムスリップ・コンビナート』 笙野頼子
この人、苦手なのに懲りずに読んでしまった。
マグロと恋愛する夢を見たことを、ずっと引きずっているのが良かった。
絲山秋子とたまに印象が被るけど、こちらの方が崩壊していて着いていけない。

(『タイムスリップ・コンビナート』は第111回芥川賞受賞作(1994)。
 これ以前に、『金毘羅』(2005)を読んでいます。
 くり返しになりますが、難解すぎて7割以上わからなかった。
 あと、9年前の私に伝えたいが、絲山秋子とは印象被らんよ)


『f植物園の巣穴』 梨木香歩
主人公が女の子だと、ちょっとウェットになりがちな人だと
個人的に思っている。
(西の魔女とか。そっちの方が売れてるけど)
なので、主人公が男だった時点でホッとして読んだ。

(ウェットというか、私は思春期の女子が主人公の物語が
 本能的に苦手で読みたくないのです。
 自分の10代の頃の痛々しさと暗さを思い出すからね!
 『西の魔女が死んだ』とか湯本香樹実『夏の庭』とか
 とにかく苦手。作家さんとしては良いのだけど、テーマが苦手。
 完全に個人的な問題である)


『私が殺した少女』 原りょう
ハードボイルドもの。面白かった。
なんでハードボイルド探偵はよくわからない悪態をついたり、
敢えて殴られたりするんだろうね。
という理解できなさも込みで、なんか良かった。

(第102回直木賞受賞(1989)。
 <私立探偵沢崎シリーズ>の第2作目。
 作家の真壁氏からの依頼で、誘拐された一人娘(天才ヴァイオリニスト)
 の身代金を運んでほしいと頼まれ…。
 というお話し。
 ちなみに沢崎の下の名前は非公表。猿渡くんと同じですね。

 この作品、ミステリ名作枠に入っているようで、
 <文春ミステリー20世紀国内編>で14位とか、
 <このミステリーがすごい!ベストオブベスト>
 (2008年までの20年分のベスト20内が対象)で3位とか、
 ロングスパンでのミステリランキングでよく見かけます。

 おもしろかったです)


『生ける屍の死』 山口雅也
アメリカの小説を翻訳した風の文体が上手い。けど、鼻につく。
アメリカンコメディ風なのか、くだらない演出が多かった。
棺桶特急とか。

(総じて、なんだこれ、って感想でした。
 しかし前述の <このミステリーがすごい!ベストオブベスト>で
 堂々の2位である。なんだそれ)
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【読書メモ】2010年12月 ①

2019-04-26 15:15:08 | 【読書メモ】2010年
<読書メモ 2010年12月 ①>
カッコ内は、2019年現在の補足コメントです。
長かった竜馬月間が終了し、勢いに乗って積ん読をやっつけた。
相変わらず仕事は忙しかったけれど、10月頃のような
読書メモも書けないような荒み方ではないので


『竜馬がゆく(8)』 司馬遼太郎
長かった…。
O次長とM次長との飲み会が、竜馬のおかげで盛り上がった。
おっさんはみんな竜馬(&歴史)が好きだな。
ありがとう竜馬。しかし最期は不用心にも程があると思う。

(というわけで文庫本全8巻読了!
 途中で一回休みはしたけど、ダレることなく一気にこの分量を読ませる
 司馬遼太郎は本当に偉大だと思います。
 ちなみに歴史好き次長ズと飲む会があり、竜馬の話しと
 その頃大河化が決まっていた「お江」の流れで
 浅井三姉妹の話しで盛り上がりました。
 日本史はビジネスに役立つなあ。
 ちなみに私の中で浅井三姉妹といえばAZAISMです)



『いつか王子駅で』 堀江 敏幸
競馬系の雑誌に連載されていたお話し。
どうりで馬の話しが多いと思いました。
馬の話しはついていけなかったが、
主人公が読んだ本の回想なんかは良かった。
咲ちゃんがトムソーヤをトム木挽きと訳したのもよかった。

(連載誌は『書斎の競馬』という雑誌だそうです。
 連載途中で休刊になってしまったものを書きあげたとのこと。
 当時は王子駅からひと駅の駒込に住んでいたので、
 私の住む街のすぐ隣に、こんなステキな時間の流れる場所が
 あるのだろうか…と不思議な気もちで読んでいた。
 私は相変わらず仕事がハードでした)


『チルドレン』 伊坂幸太郎
登場人物のちょっと気のきいたひと言がうまい人だと思う。
『オーデュボンの祈り』の頃より断然良くなってる。
一作目の印象悪かったからな。

(伊坂作品、総じておもしろいとは思っているのですが、
 作品によって記憶に残るか、好感が持てるか、の振れ幅が大きい作家なのです。
 ちなみにデビュー作の『オーデュボンの祈り』は出版後すぐに読んで
 すごい新人作家だなと思いつつ、クズ警察官の描写がクズすぎて
 嫌悪感を抱いていました。今でも伊坂作品は読むけど、
 ちょっと構えて読んでしまうのは最初の悪印象のせいだと思います)
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【読書メモ】2010年11月

2019-04-25 13:28:24 | 【読書メモ】2010年
<読書メモ 2010年11月>
カッコ内は、2019年現在の補足コメントです。

『火天の城』 山本兼一
おもしろかった。映画も観ようと思った。
読んでいる間中、西田敏行のイメージが頭からはなれない。
まだ観てないけど。

(第11回松本清張賞(2004)受賞
 尾張国で代々「宮大工」として数々の建築に携わった岡部家の
 棟梁である岡部又右衛門が主人公。
 織田信長に「天下一の城をつくれ」と下命され
 安土城を完成させるまでの物語。
 木曾に檜を仕入れに行くエピソードとか、面白かった。
 設計や人集めのみならず、材木を探すとこも
 棟梁の才覚なのか、と、しみじみ驚いた。
 城をつくる、という一大事業が、おもしろく読めました。
 山本兼一作品としては『利休にたずねよ』『信長死すべし
 よりもダントツで『火天の城』が良いと思います。
 西田敏行主演での邦画化は2009年。映画は結局観てない)


『竜馬がゆく(6)~(7)』 司馬遼太郎
(メモなし。
 『火天の城』で一回休みをしてから、後半戦へ突入した模様)
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【読書メモ】2010年10月

2019-04-24 14:00:36 | 【読書メモ】2010年


<読書メモ 2010年10月>
カッコ内は、2019年現在の補足コメントです。


『竜馬がゆく(1)~(5)』 司馬遼太郎
(メモなし。
 大学が、男子学生の割合が高い理系だったのですが、
 『竜馬がゆく』を座右の書にしているヤツが
 周辺にとても多かった印象があります。
 ちなみに高校は女子高だったので、男子一般の傾向なのか
 理系男子(もしくは私の交友範囲)に偏った傾向なのか、
 よくわからない。
 『竜馬がゆく』に関しては、文句無しにおもしろかったです。
 これ読んじゃうと、竜馬のファンになっちゃいますよね。
 司馬史観に傾いちゃいますよね。
 本筋とは関係ないですが、司馬遼太郎は執筆にあたって
 関連資料をとことん集める主義だそうで。
 井上ひさしがどこかで「神保町からとあるテーマの資料が根こそぎ消える」
 的に語っていたエピソードが好きです。
 ぺんぺん草も生えなそうだ)


以上! 
『竜馬がゆく』のみ!
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【読書メモ】2010年9月

2019-04-18 18:47:31 | 【読書メモ】2010年
<読書メモ 2010年9月>
カッコ内は、2019年現在の補足コメントです。
当時、仕事がめちゃくちゃ立て込んでいて、
逃避するように読書をしていました。
疲れてたのかな、いつもよりライトな本も入ってますね。
そして、メモが全然ない。一切ない。
どんだけ忙しかったんだよ…。怖いわ。


『峠』(上中下巻)司馬遼太郎
(メモなし。
 言わずと知れた(?)長岡藩家老・河井継之助と言えば『峠』
 世の読者が史実と小説を混同する作品の代表作と言えば『峠』
 の、あの『峠』です。
 そういう前提を知った上で読んでも、私の脳内日本史は
 だいぶ『峠』に引っ張られています。
 「桜飯」と言えば大根の味噌漬けを入れたたきこみごはんだよね!
 長岡名物だよね!と言うくらいには引っ張られています。
 実際には、「桜飯」にまつわる資料は発見されていないし、
 郷土料理としても存在確認されていないようです。
 司馬史観の恐るべきパワーここに極まれり、です)


『奇想と微笑-太宰治傑作選』森見登美彦 編/太宰治
(メモなし。
 太宰治の生誕100年の際に出版された短編集。
 有名作というよりは、森見登美彦氏の好みで選ばれた
 「ヘンテコ」「愉快」な19編で構成される一冊です。
 個人的には「カチカチ山」の太宰的解釈のお話しが、
 こういう見方もあるのか~と、印象的でした。
 当時は気づかなかったけど、『太宰治の辞書』(北村薫)を読んだ際に
 太宰は本歌取りというか新釈というか、そういうのが
 本当に上手いし、凄い人なんだなあと、ちょっと印象が変わりました)


『ダーティー・ワーク』絲山秋子
(メモなし。
 『小説すばる』に隔月連載された連作短編集。
 ローリング・ストーンズの曲がそれぞれのタイトルになっています。
 連作としてしっかり構成されていて、
 登場人物がそれぞれ繋がっているので順を追って読むのを
 おススメします)


『ほんたにちゃん』本谷有希子
(メモなし。
 執筆当時は19歳だったそうです。すごいなあ。
 上京したてのイタすぎて尖りすぎて自意識過剰で
 他人事じゃない恥ずかしさなのに面白くて電車では読めない一冊。
 松尾スズキが監修している雑誌『hon-nin(本人)』に連載された
 作家本人を題材とした「本人本」というシリーズの一冊のようです。
 まるっきりの私小説ではなさそうですが。
 作者の名前は「もとやゆきこ」ですが、この本の影響で
 未だに「ほんたにゆきこ」と読んでしまう)


『西原理恵子の人生画力対決』西原理恵子
(メモなし。
 スペリオールに連載されていた画力対決漫画ですね。
 ロフトプラスワンで公開ライブイベントとして実施して、
 その内容を元に漫画化。コンテンツとしてちゃんとしてますよね。
 ゲストが大御所ばっかりで、めちゃくちゃディスっているのに
 ちゃんとウケてて、サイバラさんすごいわ)
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