思惟石

懈怠石のパスワード忘れたので改めて開設しました。

【読書メモ】2015年6月 ① コナリー3冊

2021-05-28 14:57:03 | 【読書メモ】2015年
<読書メモ 2015年6月 ① コナリー3冊>


『天使と罪の街』マイクル・コナリー
ボッシュシリーズ10冊目。
ようやくボッシュに娘マデリン登場。
というか、エレノアとぎすぎすしすぎ。
そしてレイチェルに手を出してしまうダメ男…!!
とはいえFBIメンバーの小者感がすごかったため、
ボッシュがいつもより5割増しでかっこよく見えたわ。
ポエットが殺戮に至る心理は謎のまま死んでしまった。
この腑に落ちない感じ。どうなのよ!
マッケイレブが最後を決断するのも早すぎないか。
もう少しポエットのことを調べてからでも
よかったのではないのか。


『終決者たち』マイクル・コナリー
ボッシュシリーズ11冊目。
ボッシュシリーズ内で一番好き。
警察小説としてよくできてるし、
本当は解決できたはずの単純な事件が、
当時の世相や警察の都合のせいで迷宮入りしてたってのは
納得の設定。
物語内で復讐も果たされて、持ち越し無しというのも
この作者にしては珍しい。
読後感すっきり。
あと、ボッシュの退職は失敗だった的な作者談があった模様ですが、
うん、知ってた。
退職した時点で、ほとんどの読者は知ってたと思うよ。


『リンカーン弁護士』マイクル・コナリー
<リンカーン弁護士>シリーズ1作目。
ボッシュの異母弟の弁護士ミッキー・ハラーが主人公。
ですが、コナリーにありがちな横断出演がゼロだったので
とても新鮮な気分で読めた。
ボッシュ刑事とか出てきちゃうと、
誤認逮捕はないだろー、とか読めてしまうので。
ボッシュ周辺の同一世界に飽きはじめていたのもあり、
純粋に楽しめた。おもしろかった。
サンオブビッチだったか、というオチもすとんと落ちた。
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『2666』ながい!!重い(物理的に)!!!!

2021-05-26 12:24:31 | 日記
ロベルト・ボラーニョ 著
野谷文昭/内田兆史/久野量一 訳
『2666』

チリ出身のラテンアメリカ文学作家
ロベルト・ボラーニョの遺作にして問題作。

何が問題って、長いのよ。重いのよ!
単行本で868ページもある!
1ページ2段組で、字詰めもところどころで
ひらがなと漢字が肩寄せ合っちゃうくらい密ですよ。
ページ数でピンと来ないなら、
ぜひとも定価で驚いてほしい。
税込み7700円!!!
辞書かっ!!!

5部構成で、ボラーニョはそれぞれを分冊して
出版しようと考えていたそうです。
(死期が迫っていたこともあり、
遺族に残す印税的なことも考えていたようです)
彼の思惑に反して、没後、
文学的な遺言執行人(という立場があるのか〜)と
遺族による判断で一冊の物語として刊行したとのこと。

まだ全部は読めてないけれど、
これはまとめて一気に読むのに向いている作品だから
良い判断をしてくれたと思います。
分厚いけど!

でも分冊されたら、まとめ買いしないかぎり
(そして私は貧乏くさいのでまとめ買いしないタイプ)
第2部あたりまで読んで、放置したことでしょう。

阿部和重の『シンセミア』(文庫4冊)も
北杜夫の『楡家の人びと』(文庫3冊)も
おもしろいと思いつつ、最終巻まで読んでいないのは
ひとえに物臭い性格と貧乏くさい買い物癖のせいだと思う。

というわけで、超絶分厚いけど、
『2666』を単行本で出してくれてありがとうございます!
ちゃんと最後まで読むよ!
(2週間かけてようやく第4部まできたよ!)
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津原泰水『11』良い短編集!

2021-05-25 11:50:09 | 日記
津原泰水『11 eleven』

ちょっと怖いような現実離れしているような、
「綺譚」と言う表現がぴったりな不思議な短編が11作。

一作目の冒頭から「くだんを買いにいく」ってのが良い。
どういうこと?ってなって一気に読まされる。

ちなみに「くだん」は「件」。
人と牛のあいの子の妖怪と言われています。
内田百閒先生もくだんの短編を書いていますね。

『五色の舟』(くだんのやつ。最も評価が高い。必読)
『延長コード』(嫌いじゃない、むしろ好き)
『追ってくる少年』
『微笑面・改』
『琥珀みがき』
『キリノ』(無駄に青くて好きだな)
『手』
『クラーケン』
『YYとその身幹』
『テルミン嬢』(この作者にしては珍しい角度のSFアプローチでは)
『土の枕』

表紙の四谷シモン人形も雰囲気に合っていて良いですね。
作者が手ずから装丁をしたそうですが、
澁澤龍彦のエッセイ『少女コレクション序説』の表紙に
似た角度と雰囲気は、狙いかな。
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【読書メモ】2015年5月 ②

2021-05-21 09:50:24 | 【読書メモ】2015年
<読書メモ 2015年5月 ②>
カッコ内は、2021年現在の補足コメントです。


『高丘親王航海記』澁澤龍彦
昔読んだような記憶があるようなないような…。
タカノ綾の画集に入っていた絵の印象が強いから、
よけいにあやふや。
宇月原晴明の『安徳天皇漂海記』が
すごく影響受けてるっていう話もあって
ごちゃまぜになってる感もある。
『安徳天皇漂海記』は2006年の直木賞候補で、
その頃に読んだ際、『高丘親王航海記』も読まなくちゃって
思ったはずなのだけど…。

(「私の脳みそポンコツ話」で何回か言及している
 ”『高丘親王航海記』っていつ読んだっけ?”問題。
 多分、若い頃に読んだんですが、もう記憶ないからいいや
 と思って2015年にボッシュの箸休めで再読したのでした。
 ところで、タカノ綾の画集も紛失して久しいのですが
 『高丘親王航海記』のドローイングが載ってましたよね?鳥の女の子の。
 検索しても出てこないので、こちらの記憶まで心配になってきた…)



『ウォッチメイカー』ジェフリー・ディーヴァー
おもしろかった。
映画的というか、
ちょっとドキドキさせてひっくり返す!の繰り返し!
みたいなのが細かい。
ライムのハンサム設定は別に不要ではなかろうかと思う。
キャサリン・ダンスがよかった。キネシクスって何だ。

(<リンカーン・ライム>シリーズの7作目。
 キャサリン・ダンスは尋問のプロフェッショナル。
 キネシクスは、ボディランゲージや言葉遣いを科学的に分析する
 テクニックのことだそうです。
 キャサリンが主役になったスピンオフシリーズもあるとのこと)
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【読書メモ】2015年5月 ①ボッシュ3冊

2021-05-20 16:09:47 | 【読書メモ】2015年
<読書メモ 2015年5月 ①ボッシュ3冊>


『エンジェルズ・フライト』マイクル・コナリー
ボッシュシリーズ6作目。
前回に引き続き言いますが、アメリカの警官は全員犯罪者。
はい。
あとエレノアとの破綻早いよ。
細かく描かれるよりは、夫婦にはいろいろあるよなと思えて、
いい扱い方だと思いますが、
もう、だめだこの男、と思うわ。
辞職までのカウントダウンが始まっている感じです。
あれだけフランキーを信じていたのだから、
条痕一致をコロッと信じたのとか、
チャステインが怪しいと思ったときに
フランキーの自殺を疑わなかったのとか、
人としてポンコツなところがだいぶ出始めている。
歳か。


『夜より深き闇』マイクル・コナリー
ボッシュシリーズ7作目。
マッケイレブ視点で、ボッシュが犯人ではないかと疑う。
アリバイも確認せず、符号だけでそう信じる元FBI捜査官は
相当なポンコツだと思うのだが。
発売時にリアルタイムで読んでいたら、
もしかしてボッシュが一線を越えてシリーズ完結か?!
とドキドキできたのかも。


『シティ・オブ・ボーンズ』マイクル・コナリー
ボッシュシリーズ8作目。
エドガーは優秀だしいいやつだと思うのだが、
ボッシュは彼に対してあたりがキツすぎやしないだろうか。
冷やかすぎるというか。
で、よくわからんメンヘラ女はすぐ信用しちゃう。
もう、致命的に女見る目ない。
ハードボイルド探偵って、女っ気なかったり
恋だの愛だの言わないイメージだけど、
女を見る目無いというのは新機軸かもしれない。
ううむ。
刑事辞める決心つけるのも唐突だ。
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