思惟石

懈怠石のパスワード忘れたので改めて開設しました。

【読書メモ】2013年2月⑤ その他2冊

2020-05-28 14:34:59 | 【読書メモ】2013年
<読書メモ 2013年2月⑤>
カッコ内は、2020年現在の補足コメントです。


『低空飛行』丸谷才一
ちょっと政治的な話が多くて、いつもの雑学感がなかったので残念。

(これ、いつもの丸谷節なエッセイ集なんですよね。
 うんちく満載、読んでお得!って感じの、いつもの。

 むしろ政治的な話って、そんなにあるか…?ていう。
 メモを間違えたのかな?)


『白蛇島』三浦しをん
借りたのも忘れていた。うーん、、、あんまり。

(これは図書館で借りて、期限ギリギリに慌てて読みました。

 田舎の島。土地神様の言い伝え。伝統的な祭り。
 不穏な事件。怪異。禁忌。
 十数年ぶりの里帰り。夏の夜。
 キーワード的には、おもしろそうな雰囲気満載!です。

 が。
 なんとなく、この作者の良さはイマイチ出ていない気がしました。
 うーむ、だいぶ初期の作品だから、作風とか文体がふわっとしていたのかな。
 絶対に、もっと「なにこれすごい」な読後感にできると思うんだけどな。

 2005年に『白いへび眠る島』に加筆・改題したようです。
 内容も変わったのかな?
 機会があったら読み直してみたい)
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塩野七生『十字軍物語』地図を描くと良い!

2020-05-27 08:47:57 | 日記
『十字軍物語 <一>
-神がそれを望んでおられる-』
を読みました。
新潮文庫版・全4巻のうちの、第1巻です。

塩野七生作品は、ずっと前から気になっていたけれど、
時間がなくて手を出しかねていたんですよね。

緊急事態宣言が明けてもしばらく在宅は続きそうですし、
思い切って読み始めてみた次第です。

第1巻は十字軍発足から、イェルサレム奪還(?)、
十字軍国家の成立までを成し遂げた、第一世代の物語です。
1096年から1100年にかけてイェルサレムへの行軍を続け、
その後も防衛と安定のために戦い続ける一期生の苦労たるや!

対するイスラム教サイドも、キリスト教の人々が
はるばる自国側に来た意味(大義)がピンとこなくて、
対応が遅れに遅れちゃって…、という話しも
「お前らちゃんとしろー!」と叱咤したくなる一方で
「さもありなん」と思える背景があったりして。

教科書だと1ページくらいの十字軍も
紐解くとこんなに面白い!と思えます。楽しい。

ちなみに、最初は地名や人名、肩書きがとっつきにくくて
読みにくかったので、図にしてみたんですよ。
わかりやすくなってすいすい読めましたし、
地図と登場人物をちまちま描くのが、なかなか楽しい。



とはいえロベールが二人いたとはね!
しばらく気づかなかったぜ!!
二人目のボードワンも忘れた頃に再登場するとはね!!
でも図があるから大丈夫笑

この調子で、あと3冊です。
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【読書メモ】2013年2月④ 浅田次郎というか村上豊

2020-05-26 10:34:03 | 【読書メモ】2013年
<読書メモ 2013年2月④>
カッコ内は、2020年現在の補足コメントです。


『憑神』浅田次郎
宮部みゆきの『ぼんくら』と同じ画家の装丁だったので
印象がかぶるなあ…。

(読書メモが表紙の件だけか…。

 ちなみに表紙イラストは画家の村上豊氏。
 時代ものの表紙はこの人に頼めば売れる!みたいなセオリーがあるの?
 と出版社に問い合わせたいレベルで、本屋でよく見ますよね。
 個人的には好きな画家さんです。

 村上氏は、宮部みゆき『ぼんくら』シリーズや、
 朝井まかて『すかたん』、夢枕獏『陰陽師』シリーズ、
 新潮文庫の池波正太郎作品の表紙も描いています。
 講談社「小説現代」の表紙を長らく描いていらしたようなので、
 まあ、作家との信頼関係とか、あるのかな。
 
 あ、小説の中身はですね。
 文武両道で人柄も良いのにどうにもならない貧乏御家人が、
 貧乏神、疫病神、死神にとり憑かれまして…。
 という話し。

 人情というか、男気というか、
 まあ、浅田次郎節全開なお話しです。
 私は結構ジロリアンだと思うんですが、
 これは、そこまでグッと来なかったんですよね…。
 貧しくとも清く、みたいなのが好きじゃないからかな。
 そこは、ある程度の救済というかサクセスが欲しいというか)
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【読書メモ】2013年2月③ つくもがみシリーズ

2020-05-25 09:17:09 | 【読書メモ】2013年
<読書メモ 2013年2月③>
カッコ内は、2020年現在の補足コメントです。

『つくもがみ貸します』畠中恵
若旦那シリーズ(?)の方がいいかと。

(毎回同じこと言って、毎回同じように混乱していますが、
 畠中恵といえば、
 若旦那と妖怪が出てくる<しゃばけ>シリーズ、
 江戸の町名主の跡取り息子が主人公の<まんまこと>シリーズがあり。

 どちらも、タイトルがなぜかひらがな4〜6文字で紛らわしい!上に
 たまに、どちらのシリーズにも属さない「ひらがな4〜6文字」があって
 超絶紛らわしい!!!
 なんなの!何を狙ってやってんの!!!わけわからん!!!
 と、小説の内容は関係なく私を翻弄する作家です。

 と言って混乱する人が他にもいたのだろうか。
 とうとう、ひらがな4〜6文字じゃないシリーズが出ました!

 それがこちらの<つくもがみ>シリーズ。
 深川の古道屋を舞台に付喪神と主人公の男女が、
 なんか、事件解決したり、なんだり、したりします。
 タイトルフォーマットは『つくもがみ○○です(丁寧語)』

 まあ、感想は、読書メモにある通りですが、
 読みやすい内容ですし、連作短編なのでひとつのお話しが丁度いい量で
 オヤツ感覚ですいすい読めます。
 とはいえ私、畠中恵作品はそこそこ読んでるんですが、
 いつもタイトルへのあれこれで終始する…)
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杉浦日向子『ゑひもせす』初版が欲しい…!!

2020-05-15 14:32:21 | 日記
久しぶりに読み返しました。
杉浦日向子先生の初期作品集『ゑひもせす』。

おもしろいわ〜!
胸と脳に沁みるわ〜!
好き!!!

22歳という若さで雑誌「ガロ」デビューした作品
『通言室之梅』(つうげん むろのうめ)を含めた
9編が収録されています。

特に評価が高いのが赤穂浪士討ち入りを
ひなこ先生の情報力と、ひなこ先生らしい視点とで
まさに文字通り「考証」した作品『吉良供養』。
どこから資料をひっぱってきたのかな?
ひなこ先生、現場にいらっしゃったのかな?
というレベルのものすごい細かい挿話が多数描かれています。

赤穂浪士は正義、吉良は悪、みたいな構図は
現代では疑問視されて久しいけれど、
1980年代当時、まだその視点はあまりなかったんじゃないかな。
資料だって紙であたらなければならない頃で、
この時代考証の確かさというか、頼もしさ。
すごいですよね!
20代前半ですよ!
私は大学で呑んだくれてましたよ!

個人的には、
現場から逃げちゃったご家老や菓子蝋燭の役人への共感とか、
吉良家の家督を継いだばかりで災難に遭った
若き当主へのまなざしとか、胸に来ます。
彼らに対するまことにひなこ先生らしいコメントを加えつつ、
事後の聞き取りの内容や、死者やけが人の数字など
厳然たる事実の圧倒的パワー!

すごい作品ですよ。
これだけで1冊分のお値段支払っても良いんじゃなかろうか。

もちろん他の作品も素晴らしいですけど!
22歳〜24歳でこれだけ描くって、
すごいよなあ。
何度も言うけど。

個人的には『袖もぎ様』が好きです。

ところで。
私が持っているのは双葉社の新訂版なんですよね。

1983年当時に担当をされた小倉美千子氏が
あとがきで書かれているのですが、
初版本は相当に凝ったものだったそうです。

何しろ小口が真っ黒。
それも職人の手塗り。

なにそれ!

カバー裏には、カバーに描かれた花魁の着物に合うように
本物の古い留袖からとった鶴の刺繍柄が印刷されていたとか。

ステキじゃないか!!欲しい!!

残念ながら予算的にはハマらなかったんでしょうね。
どちらも、新訂版には反映されていません。
ホント残念…。

復刻版つくってくんないかな。
相応の値段を払うからさあ。
(と言いつつ、払えない値段だったらどうしよう)
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