思惟石

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再読!『f植物園の巣穴』梨木香歩

2021-10-06 16:05:15 | 日記
『f植物園の巣穴』梨木香歩

『椿宿の辺りに』を読んだ勢いで、再読しました。
ぜんぜん覚えてなかったけど(ゆえに?)
楽しかったです。

自然豊かな日常と、
ちょっと奇妙な出来事と、
怪異に戸惑いつつも淡々と暮らしを営む主人公。
ザ・梨木さんらしい世界観の作品。

1行目から不思議なトーンで始まるけれど、
初っ端からすでに、巣穴に落ちていたんでしょうね。

気付いたら日が暮れていたり、
歯医者で犬が働いていたり、
唐突に不思議なことが起きるけれど
主人公はなんだかんだで日常を生きていく。
私だったら、とりあえず歯医者は変えるけどなあ…。
痛そうだし。

時代としては昭和初期ですかね?
再読して改めて感じたことだけれど、
主人公の「ちょっと古い亭主関白」感覚は
気になると言えばなる。
まあ、時代的にもこんなもんかと思えば、そうなんだけど。

不思議状態に巻き込まれているのに
洋食屋のレシピ(美味しかったらしい)を聞いちゃうとか
真面目に抜けている感じは、すごく良い。

この主人公「サタトヨヒコ」のひ孫が
『椿宿の辺りに』の主人公・山幸彦のようです。

前半、
ふと気付いたら女物の草履を履いていたようだ、
というエピソードが出てくるのだけど、
これ、最後に意味わかるんですけど、ゾクっとします。
コメント
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