思惟石

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『異国トーキョー漂流記』 人間関係が愛しくなるエッセイ

2024-06-27 14:08:39 | 日記
『異国トーキョー漂流記』
高野秀行

毎度おなじみ(すごい勢いで読んでいる)辺境冒険家の
高野秀行さんの、なんと、国内に関するエッセイ。

と思ったら、日本国内で出会った8人の「外国人」とのエピソード。
さすがのコンセプト。

まず、出会い方も高野さんらしい。
辺境を旅するために語学学習の目的で外国人に声かけたり
紹介してもらったり。
他にも帰国する飛行機で出稼ぎ(大したツテもなく)に来た
自称日系人を拾ったり。

私だったら一度遭遇したとしても
以降の付き合いが続かないだろうなという始まりから、
高野さんは高野節で人間関係を築いて行くんだよなあ。
明確な目的があるわけでも、打算があるわけでもなく、
自然な感じで人と接している。
うらやましいなと思う。

めちゃくちゃ仲良し!というわけでもないけれど
コンゴの実家に伺ったり、
わざわざフランスで再会したり、
高学歴無職イラク人のバイト先を探してあげたり。
いやもう、なんかうらやましい。

8人それぞれクセつよな個性を持った性格で
個人的に仲良くなれるかは自信ないのだけれど(失礼)、
このエッセイを読んじゃうと、好きになっちゃうんだよな。

ちなみに、高野さんが10年以上住んでいた
三畳間(野々村荘)がちょこちょこ登場します。
こちらも『ワセダ三畳青春記』を読んじゃったので、
好きなんですよ笑
人間でないどころか、貸間だけど。
「お、元気か?相変わらず三畳か?」とか思っちゃう。

ちょっと元気がない時に読むと元気になれるし、
人間関係に疲れた時に読むと、多分だけど、
人間のめんどくささもちょっと愛しくなると思います。

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