思惟石

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門井慶喜『銀河鉄道の父』こんな息子イヤだ

2021-10-05 12:14:58 | 日記
『銀河鉄道の父』門井慶喜

第158回直木賞(2017)受賞作。
宮澤賢治の父・政次郎の視点の物語。

政次郎パパは、
大正という新時代を意識している世代。
デモクラシーとか、女性解放運動とかね。
でも両親は明治生まれで前時代の価値観100%。
そういう親に育てられた世代でもある。

というわけで幼少時代は成績優秀だったものの
「商売に教育はいらない」という家のモットーに従い
進学を諦めて家督の質屋を継いだ政次郎パパ。

さて、自分はどんな父になるべきか、と。
子どもに無条件の愛を感じつつ、家長としての体面は大事。
でも、新時代の父としての生き方も真面目に考えちゃう。
政次郎パパ、めっちゃ良いお父さん。

そして賢治は働かない笑
クソ坊ちゃん。
ワガママ、甘ったれ、金食い虫、商売センスゼロ。
そして極め付けにシスコンだ笑

こんな長男、オラ嫌だ。
でも政次郎パパ、一生懸命に向き合う。
愛しちゃってるから。
超良いお父さん。

さらに、長男がダメダメなので、弟妹の自立も遅れる。
妹たちは婚期が遅れる、養い扶持ばっかりかかる、
政次郎パパ大変。
私も良い中年なので、お父さんの気苦労にシンクロしちゃって
涙なしには読めないレベルだった笑

ちなみに宮澤賢治は、石川くんこと石川啄木と同窓で
憧れていたらしい。
ダメ男どもめ…。
コメント
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