思惟石

懈怠石のパスワード忘れたので改めて開設しました。

市川憂人『ブルーローズは眠らない』

2020-06-30 15:39:27 | 日記
数年前に読んだ『ジェリーフィッシュは凍らない』が
なかなか面白かったという記憶があり。

タイトル見ただけでシリーズだな!とわかる
『ブルーローズは眠らない』を読んでみました。

『ジェリー』が、帯でも公式でもamazonでも
“21世紀の『そして誰もいなくなった』!”
と煽っているので、
ある種のネタバラシじゃかなろうかと思いつつ
まあ、そういう系譜ってことで、
どうやって続編つくるんだよ…と思った次第ですが。

読み始めて、なるほど。

『ジェリー』で唯一、難癖つけた部分である
刑事さんがシリーズでした笑


まあ、初読のときはなんとなく好きになれなかった刑事さんですが、
「こういうキャラクター」という前知識があるおかげで
気にせずに受け入れることができました笑
シリーズ効果!

今回も、ふたつのパートが交互に語られる形式。
本格ミステリ!って感じです。

ミスリードも、密室っぷりも、良い感じで
一気に読めます。楽しいね!



物語の軸には「青いバラの完成」があります。
『虚無への供物』と一緒だね!(共通点はここだけです念のため)
虚無での青バラは1954年、『ブルーローズ』は1983年。
ちなみにリアルワールドで青いバラができたのは2004年。
「不可能の象徴」から一転、花言葉は「夢かなう」だそうです。
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【読書メモ】2013年4月⑥ 古典を3冊

2020-06-29 11:31:59 | 【読書メモ】2013年
<読書メモ 2013年4月⑥>
カッコ内は、2020年現在の補足コメントです。
なんでこんなに古典をまとめて読んだんでしょうか。
自分でも謎。


『モルグ街の殺人』エドガー・アラン・ポー
犯人がアレって。

(言わずと知れた“史上初の探偵小説であり推理小説”です。
 犯人ソレかい!!!と思ったのが、良い思い出。
 むしろこの歳まで読んだことなかったんですね、私)


『夢十夜』夏目漱石
変な人だ。

(これも言わずと知れた「こんな夢を見た」ですね。
 おもしろいですよね!!夢十夜。

 高校時代に現代文で『こころ』をテキストにした授業があって。
 当時は全然ピンと来なかったんですよね。
 読了するのが辛くて(1週間で読み切ってから授業!
 みたいなスケジュールだった)何度も寝落ちした記憶しか残らなかった。
 以来、夏目漱石にものすごい苦手意識を持っておりまして。

 いまだに『こころ』と『我輩は猫である』くらいしか読んでないし
 『坊ちゃん』は何回かトライして途中で挫折したままです。

 そんな私ですが『夢十夜』はおもしろかった!変な人!!

 ついでに、どうでも良いですが、
 漱石門下生の寺田寅彦と内田百閒が、私はめちゃくちゃ好きです)


『アルセーヌ・ルパン』モーリス・ルブラン
ルパンはぼっちゃまなんだ。知らなかった。

(現在で入手できるルパンシリーズは
 平岡敦 訳『怪盗紳士ルパン』ハヤカワミステリ文庫のようです。
 他に偕成社文庫とか、新潮文庫(堀口大学の訳!)があるのかな?
 絶版してる?
 ポプラ社とか角川つばさ文庫などの児童向けレーベルからも
 出ているみたいですね。

 とはいえどの版元からも、『アルセーヌ・ルパン』という
 タイトルのものはないみたいです。
 私は何を読んだのだろうか…)
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【読書メモ】2013年4月⑤ 『沙高樓綺譚』

2020-06-29 11:29:25 | 【読書メモ】2013年
<読書メモ 2013年4月⑤>
カッコ内は、2020年現在の補足コメントです。


『沙高樓綺譚』浅田次郎
短編の質にかなりの差が。連載が不定期だったせいか。

(主人公である「作家」が、旧友の小日向(おびなた)君に誘われて訪ねた先が、
 「沙高樓(さこうろう)」。
 そこでは名士が集って、不思議な話を共有する会合があり…
 というフォーマット。

 『黒後家蜘蛛の会』を読んだときも『沙高樓綺譚』を思い出しましたが、
 浅田次郎自ら言及している通り『百物語』を意識しているそうです。
 ホラーとか怪異というより、人情の不思議って感じですが。

 『小鍛冶』『糸電話』『体花新兵衛只今罷越候』
 『百年の庭』『雨の夜の刺客』

 どれもそれぞれによく出来ていて趣向も違うので、
 なんだかんだで楽しめる一冊。
 中短編と言っていいボリュームなので、
 ひとつずつのお話しは、時間をとってガッと読んじゃいたい感じ。

 続編『草原からの使者』も刊行されています)
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『猫を抱いて象と泳ぐ』は超名作!

2020-06-26 15:44:39 | 日記
ちょうど一年前くらいに、
小川洋子『猫を抱いて象と泳ぐ』を読んだんですよ。

超名作!
すごくいい!!!

チェスが大好きで、ちょっと不思議な少年「リトル・アリョーヒン」
の生きた軌跡の物語。

「大きくなること、それは悲劇である」という想いから
身体の成長を止めたまま壮年期までを生きます。
なにそれ不思議。
と思うかもしれませんが、小川洋子なので大丈夫です。
不思議だけど素敵ですから、美味しくいただけます。

ちなみにアリョーヒンは「盤上の詩人」と呼ばれた
実在のチェスプレイヤーです。
からくりチェス人形も実在したものらしいですね。

タイトルがちょっと詩的でわかりにくいなと思ったけれど、
小説を読むと激しく納得。
ただのポエムタイトルなわけなかった。すみません。

でも世界観はホント不思議で素敵。
海に潜って美しい棋譜を奏でる。
小川ワールド、すごいぞ!!


あ、
なんで一年前の本の感想を書いたかというと、
『天盆』という架空の盤ゲーム(限りなく将棋っぽい)を
モチーフにした小説を読んだからです。
感想としては、
「『猫を抱いて象と泳ぐ』は超名作だな!」です。
『天地明察』も名作だよね!
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【読書メモ】2013年4月④ 『龍宮』

2020-06-25 16:11:42 | 【読書メモ】2013年
<読書メモ 2013年4月④>
カッコ内は、2020年現在の補足コメントです。


『龍宮』川上弘美
一人称の主人公が「男」だったりすると、戸惑う。
先入観。

(不思議な生き物の恋(?)を描いた8つの短編。
 私は『センセイの鞄』で胸をぎゅっと捕まれた後に
 エッセイをガーッと読んだというカワカミ原体験をしたので
 なんとなく主語は「私」のイメージがあるんですよ。
 そもそも、登場人物が男女というか、人外なんですけどね、これ。

 「俺はその昔蛸であった」とか言ってるおっさんに付き合って
 飲み屋に行くとか。

 「ほんとうは、ここにはいないもの」な曽祖母との会話とか。

 ふんわり不思議で、気持ちよくわけわからなくて、良い感じです。
 初期の『神様』を思い出す)
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