思惟石

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『ダメをみがく』女子力と縁を切る生き方

2022-09-28 15:53:23 | 日記
『ダメをみがく ―“女子”の呪いを解く方法―』
津村記久子
深澤真紀

自称「ダメ」な二人の対談エッセイ。
深澤さんは編集者件コラムニスト。
「草食男子」という言葉をつくった人らしい。

津村さんのひとまわり上なので、
深澤さんが話をリードする感じはあるかな。
相性が良い二人の対談という感じ。
テンポ良く気持ちの良い応酬が楽しめます。

「仕事篇」では、お二人のパワハラ体験話がなかなか。
それはしんどいよなあ…と思うし、
私にも二アリーなことあったよなあ、とか
働く全ての女性の心を揺さぶるんじゃなかろうか。

コンビニの店員やコピー機担当の人との交流話は
ほっこりする。
仕事との距離感。職場の人との距離感。
めっちゃ参考になるなあ…!!
リモート勤務だけど。

副題の「“女子”の呪いを解く方法」は
被害者っぽい感じがして、津村さんらしくないなと思った。
あとがきでも、本人が言及してたけど。

オードリー若林氏のエッセイが「ダメを肯定する」感があったけど、
こちらはもう、「ダメをみがく」とこまで行ってて
清々しかった。
私もメイリオ大好きだし。
ヒラギノ角ゴシックも好きですが。

そういえば津村さんの日々のディテールが
浮遊霊ブラジル』『現代生活独習ノート』あたりの
短編ディテールそのまんまじゃん!
という津村ファンには二度おいしい内容ですね。

『アイトール・ベラスコの新しい妻』(浮遊霊ブラジル)の
目立たない海外スポーツ選手の翻訳記事ブログとか
『地獄』(浮遊霊ブラジル)
コンテンツ消費しすぎ地獄に落ちた主人公の日常が
まんま津村さんだった笑、とか
『給水塔と亀』(浮遊霊ブラジル)や『ポースケ』で
ひたすら自転車こぐシーンが気持ちよく描かれてるのも
作者の日常じゃないですか、と。
読んで得した気になる笑

『台所の停戦』(現代生活独習ノート)
には、ご本人の親子関係がちょっと垣間見える。
『牢名主』(現代生活独習ノート)
のメインテーマである架空の共依存(?)症例の
「A群B群」というのは、津村さんのパワハラ体験が
ベースにある気がする。
お互いが「加害者」「被害者」(もしくは精神的な
「搾取」「被搾取」かな?)の関係性にしかならないような、
最悪の相性の人っているよな〜!!
と、短編を読んだ時にびっくりした。
このエッセイでもそういった人間関係の話しが出るんですが
深澤さんは
「相性最悪、逃げた方がいい、“運命の黒い糸”」
「仲良くなるのと、“支配・被支配の関係”は紙一重」
などと返していて、会話のフットワークと表現力が高え!!
と密かに感動しました。
感動するところ違うかもしれんけど。

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