思惟石

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皆川博子『愛と髑髏と』

2020-10-27 12:02:14 | 日記
皆川博子御大の初期短編集『愛と髑髏と』。

ちょっと猟奇的で残酷で幻想的な8つの短編。
女性の妄執というかサガというか、
うすら寒い恐怖のような、虚し悲しいような
不思議な気持ちになります。

特に、一作目『風』の1行目
「庭は、寝がえりをうって、背をむけた」
の破壊力がすごいです。
内容もすごいんですけど。

他も良いのだけど、
個人的には『風』がぶっちぎりで良いと思う。
あとは『丘の上の宴会』が良い。

この作品集は昭和60年が初版かな?
図書館で借りてきたんですけど、
光風社出版から出たこの装幀のものは絶版のようです。
表紙の画も良いけど、
中表紙の文字がちょっと不安定さとか
もの凄く良い感じです。
カバー内側の本体表紙も素敵っぽいんですが、
図書館ビニル加工なので、ちゃんと見えない笑
超残念。

装幀家は司修という「寺山修司か?」と二度見する名前の人ですが、
本名らしいです。
絵本作家で芥川賞候補にもなったこともあるとか。
多芸!


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