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玉村豊男『料理の四面体』料理って楽しい笑

2021-03-02 11:17:03 | 日記
玉村豊男『料理の四面体』
1980年初版で、3回の絶版と復刊を繰り返している名著です。
名著なんですけど、なんでそんなに絶版するのよ笑
と思ったら、なにかと版元が倒産してるんですね。
御伽噺に出てくる呪いの本みたいだ…笑
最新版は中公文庫なので、中央公論新社が無事な限りは
この本も無事だと思います。思いたいです。

氏が語る「料理の四面体」とは、火、油、水、空気が頂点の三角錐で
この4要素で料理の基本から応用までを説明しています。
って言うと複雑に聞こえるけど、
世界中を旅して食した著者が、あちこちの料理を紹介しながら
「料理って楽しいよ!」ってことを自由に語る一冊です。
四面体をベースに、世界中の高級料理から家庭料理から土着料理まで
縦横無尽に様々な事例を挙げて語り尽くすと言う感じ。

執筆当時は34歳だったそうですが、
めちゃくちゃ色んな場所に行って色んな料理を食べて、
しかも自分で色々と試行錯誤してつくる人なんだなあってのが
端々から溢れ出ています。
石井好子のエッセイを読んだときにも感じた
「この人、すごく料理するし、食べるの好きなんだな」
という印象。
食べるって幸せだよなあって思う。

高級フレンチの代表選手みたいなブフ・ブルギニヨン
(ブルゴーニュ風牛肉赤ワイン煮込み)の話しを、
名匠ポール・ボキューズのレシピから始め、
どんどん簡単且つ庶民風・日本風にしてみると…
という話しの流れは、魔法みたいです笑

ポイントは三点。マリネ・ リソレ・とろ火煮込み。
マリネ用のワインは安くていい、牛肉も安くていい、
なんなら羊でも豚でもいいじゃないか、
シャンピニョンと小タマネギが無いなら家にある野菜を入れれば良い、
みたいに簡略化というかその場に適応させていくと、なんとな〜く
アルジェリアの原始的な羊煮込みに通じるものが見えてくる。

あ、私にも見えました!!
フレンチの向こう側にアルジェリアの大地が!!!

国によって手に入る食材は違うのだから、日本で考えるなら、
日本酒と日本で庶民的価格の肉(例えば豚の薄切り肉)で、
マリネして焼けば「エマンセ・ド・ポール・オ・ジャンジャンブル」
である。
それは豚肉の生姜焼きのことである。

ホントだ!!
ポール・ボキューズのフレンチから生姜焼きができた!!

おもしろいな!!
ヘンテコなこと考える人だな!!!

って感じで、いわゆる料理エッセイとは違う意味で
「料理って楽しい」と思います笑

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