思惟石

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『泣き虫弱虫諸葛孔明 第伍部』

2018-11-08 15:48:39 | 日記
酒見賢一による孔明論『泣き虫弱虫諸葛孔明』、
とうとう読了しました。
終わってしまったっ!!!
孔明っ!!!

人生初の「三国志」体験でしたが、
ものすごく楽しかったです。
これで私も立派なサンゴクシシャンへの第一歩を
踏み出せそうです。
ありがとう酒見先生!
(最後までルビが少なかったね!
 南征や北伐で初登場した人名、最後の方は読み流したよ!)

第四部で劉備が死んでしまい、
終始なんとなく寂寞感がただよう第伍巻。
内容としては、蜀を背負った孔明の「南征」と「北伐」です。

前半の南征は、いわゆる「七縱七禽(しちしょうしちきん)」です。
敵の大将である孟獲(もうかく)が孔明軍に七回敗れ捕らわれ、
七回放されて心服したというもの。
四字熟語としては、圧倒的実力を見せつけて敵を屈服させる
意で使われるようです。三国志以外で見たことないけど。

『三國志』ではあっさり南征は終わっており、
「七縱七禽」などというメンドクサイことをしているのは
『三国志演義』の方だそうです。
酒見版は演義のオモシロストーリーの方を採用して
孟獲との戦いを細かく書いています。
孔明の変態っぽいところが出てはいますが、
敵役の孟獲がただの無知なオッサンなので
個人的には第弐部第参部のような面白さは感じませんでした。

まあ、最終巻ってことで、
勝手に切ない気もちになりながら読んでいたのも
影響しているかもしれません。

後半は、孔明最後の戦いである「北伐」。
孔明が病没する第5次北伐までの間に
ちょこちょこ孫権の呉の事情も併記されます。
呉も世代交代が進んでいて、なんだか寂しい気もちになります。
こんなに三国志世界に愛着を持つとはね…。
陸遜がんばれ。

第1次北伐の街亭(がいてい)の戦いで
孔明の愛弟子・馬謖(ばしょく)がやらかして
「泣いて馬謖を斬る」という故事ができ、
第5次北伐の死後は、孔明の病没を隠して撤退しつつ
司馬懿をだまくらかして「死せる孔明、生ける仲達を走らす」
という故事になりました。

切なさ満載の第伍部は、意外と名言の宝庫でもある。

司馬懿と孔明のやりとりは酒見節も揮っていて良かったです。
小城に追い込まれた孔明が、ひとりで琴を弾きながら
司馬懿をからかうエピソードなんかは
裴松之(はいしょうし)が疑わしい!とか言ってますが
真偽はさておき、面白かったです。

私が三国志の基礎知識が無いための
消化不良感もあったかもしれませんが
孔明が亡くなり、これにて幕引き、の感じは
食い足りないような、妙なさみしさがありました。

とはいえ面白かった!
全五巻を読んでる間、幸せでした!
電車で何度も爆笑もしたし!!

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