思惟石

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『ポースケ』最高に良い、なんそれ!感

2022-07-04 17:08:59 | 日記
『ポースケ』
津村記久子

『ポトスライムの舟』の5年後の世界。
前作の主人公ナガセはちょっと出てくるけれど、
今作の主人公というか舞台となるのはヨシカが開いた
カフェ・ハタナカ。

カフェの常連さんや従業員、その娘など、
ちょっと関係のある人々の物語。

相変わらず、それなりにまっすぐ生きて、それなりに働いて
(いや、だいぶ真面目に働いてると思うよ!それなりなのは
給料だと思う!誰かなんとかしてくれ!)、
それなりに疲れちゃってる人々。

ディテールが最高にうまい。
胸にぐさぐさくる。

あと小ネタも良いよね!
語学が趣味の竹井さんがエスペラント語を学んでて、
いつかパスポルタ・セルボに行きたいと。
世界中のエスペランティスト(って単語があるのか)による
宿泊可能な家らしい。
なんだそれ笑

ついでに、竹井さんは前職のトラウマに悩まされていて、
すぐ思い出して辛くなっちゃうから、
頭なんかいらない、「首から下だけで生活したい」と考える。
なんだそれ!
彼女たちのつらつらと考える思考の表現が、最高に良い。

『ポトスライムの舟』の姉妹作品ではあるけれど、
『現代生活独習ノート』『この世にたやすい仕事はない』の方が近いイメージ。

タイトルの「ポースケ」もなんだそれ笑と思ったら、
ちゃんと意味もあるし、意義もあった。
素晴らしいよね!

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