素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

390億円か!?

2015年01月24日 | 日記
 今日の朝刊のオピニオンに、柳田邦男さんが、公立小中学校の統廃合に関して『排すべき教育の効率主義』というタイトルで寄稿している。

「いい作品を創ろうとすると、ものすごく手間ひまがかかるんです。手間ひまかけるのを惜しんで、効率よくものづくりをしようとしたら、絶対にいいものはできないんです。」という宮崎駿さんの言葉を引いて、この世で最も手間ひまのかかる大切なこと、子育てと教育がバブル経済崩壊後の20年ほどの間に『効率』という用語が企業の世界だけでなく、行政の分野でも徘徊し教育行政までも支配するようになってきたことを危惧されている。

 文部科学省が今月19日に発表した公立小中学校の統廃合に関する「手引案」の根底にあるのは教職員の人件費減らしなど経済的な効率主義であると指摘する。現在、全国の公立小中学校のうち、これまで文科省が適正規模としてきた「標準」を下回る学校は半数に上り、それらの学校を標準通りに統廃合すると、教職員1万8千人を減らすことができると財務省ははじきだしている。そのことで人件費がどれくらい節約になるかといえば毎日新聞の試算では約390億円だそうである。

 この数字を見た時、(メ・ん・)?とくるものがあった。1週間ほど前に掲載された毎日新聞による衆院選を受けての2015年分の政党交付金の試算額と大きく変わらないのである。

 身を切る改革と政治家が言うならば、一番最初に手をつけるべきは政党交付金だと私は思っている。筋の通らない金であり、無駄使いの最たるものである。

 毎日新聞の試算によると2015年分の交付総額は320億1400万円。

 見込み額の内訳は、自民党(172億9600万円)・民主党(77億9200万円)・公明党(30億700万円)・維新の党(27億1000万円)・次世代の党(6億2000万円)・社民党(4億7900万円)新党改革(1億600万円)である。生活の党は〈「国会議員が5人以上」か「国会議員が1人以上所属し、直近の国政選挙の得票率2%以上」〉を満たしていない。共産党は制度に反対して申請していない。交付要件を満たすための議員移動などもあり、制度の矛盾は露呈してきている。

 これを削れば、無理のある統廃合はしなくて、地域の実情に合わせた教育行政が可能になる。柳田さんも山梨県市川三郷町や福島県飯舘村の例を紹介しながら警鐘を鳴らしている。

 「地方創生」は地域の学校づくりからだろう。多くのことを考えさせられたオピニオンであった。
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