二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

第22回 加賀・三策塾(合同学術研修会)

2009年07月16日 | 鍼灸
7月5日(日)、午前10時~午後12時、加賀・三策塾が開催されましたので参加しました。この日は、午前中はこの研修会、午後から(社)石川県鍼灸マッサージ師会の臨時総会、その後、金沢市鍼灸マッサージ師会の理事会と、午前10時~午後7時まで予定がギューッと詰まっていた一日でした。

この時期は高校野球に集中したいのですが、いろんなお役目を与えられると、欠席できない会もあるんですね~。ありがたいことなんですがね

◎内 容
 ・講習会:『外来診療の実際と総合診療』
         金沢大学付属病院 救急部 尾山 治 先生

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 進行役の中田先生(左)と尾山先生

本日は、金沢大学付属病院 救急部の尾山先生をお迎えして、上記の表題で講義をして頂きました。もともと尾山先生は、金沢大学附属病院にあった総合診療科に所属されていましたが、様々な事情により今年の4月より総合診療科が廃止され、救急部へうつられた経緯があります。救急部にあってその仕事を真剣にされることはもちろんなのですが、総合診療的思考を常に持って、また、総合診療の重要性を常に追求する姿勢をもって日々取り組まれている先生です。

病院の外来で行われている総合診療を、模擬症例をあげ患者側から、家族側から、その訴えをどう捉えるか。医師としてどうアセスメントし、診断・治療・患者教育のプランを立て、EBMに基づきあるいは経験に基づき、患者を診ていくのかというお話がありました。医師がどんな診療をしているか非常に勉強になりました。私たちの治療院にも、病院に通院している患者様が多くみられるのですが、患者様を通じての医師とのコミュニケーションを考える上でも勉強になりました。

また、総合診療とはという項目では、総合診療とは明確な定義はないということですが、専門性が顕著な今の医療現場にあって、各科の専門医と協力して、様々な分野に横断的視野に立ち、患者に全人的診療(医療)を提供する役割であるとのお話がありました。このような診療科があってくれると患者様も安心できると思うのですが…。



総合的立場で患者様を診るという点では鍼灸医療もまったく変りはありません。私の師匠が常々言っているのは”鍼灸医療は総合内科である”です。鍼灸は幅広い疾患に適応します。腰痛や膝痛などの整形外科的疾患だけでな、糖尿病、高血圧、肝臓病などの生活習慣病、不妊症、月経困難症、更年期症候群など婦人科疾患、癌治療のサポート、リウマチ、アトピーや喘息などのアレルギー疾患、あげるとたくさんあるのですが、東洋医学を考えると、やはり総合診療科あるいは総合内科ということになるんだと思います。

また、西洋医学では、このような総合的に判断する流れがあり、これから医学教育をされて出てくる医学生においては総合診療科は教育の一環として組み込まれているというお話がありました。私たち東洋医学の立場で診療している側も、その取り組みを理解して、大きな視点から医療を患者様を診ていかなければ、本来の患者様の立場にたった診療はできないんじゃないかなと思いました。



鍼灸師が苦手なことの一つに医師との情報交換、医師とのコンサルテーションがあると思います。医師と医師との間でもこのような能力が必要であり、それを橋渡しするもの総合診療の役割だというお話もあり、私たちも医療を担うという立場にあるなら、どう医師と対話していくかが課題であると思いました。

最後に、実際にあった症例から、総合診療の流れの解説があり、たいへん分かりやすく勉強になる講義で時間があっという間に過ぎてしまった感じでした

日々の臨床を行ううえでヒントがたくさん見つかりました~

二葉鍼灸療院 田中良和


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