二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

星稜野球部 練習を見に行く(2010年 初)

2010年01月12日 | 高校野球
最近は、業界の仕事や行事、会議などが入り、なかなか練習を見に行けませんでしたが、久しぶりに練習を見に行ってきました。今年初ですね。

現在は室内練習場にて、下半身と体幹を中心とした基礎体力作りが練習の内容であるようです。選手は皆、下半身に疲労がたまっているようでした。身体のケアをすることも大事ですが、この季節は身体をいじめる時期でもあり、やや疲労が加重するくらいのほうが筋力やスピード、俊敏性などの基礎体力ができてくるというものです。


体育館を疾走する投手陣 投手は野手の数倍走らないとね 野球の中で一番体力が必要で、試合でもっとも光る存在は投手なのですから

選手個々に身体の完成度や、クセなどあり、筋力や柔軟性なども様々です。その辺りを練習を見ながら、体の動かし方や意識の置き方などワンポイントアドバイスするのも私の仕事のうちです。正しい、選手にあった身体の動きをすることが、この時期、機能的な筋肉をつけていく上で必要になってくるのでしょう。

久しぶりに練習を見ていて、「やっぱりこのチーム面白いな~」と思いましたね。何かチームから出てくる明るさというものがあり、きつい練習だと思いますが悲壮感がありません。これから段階的に練習の強度も増してくると思いますが、この気持ちを忘れずにやって欲しいと思いますね。




練習メニューをみるとスタッフが飽きないように、それでいて総合的に体力がつくようなメニューになっています。これは選手にとって幸せなことでしょう。そんな中で”意識して練習する”ということが、さらに自己のパフォーマンスを高めていきます。このトレーニングはどの筋肉を鍛えているのか、どの野球の動作に関連するのか、この練習の意図は、など練習の内容に関して意識して行う。また、自分の冬季の大きな目標、中期的な目標、日々の目標を立て、それを意識して練習に取り組むこと。筋肉だけの問題ではなしに、脳神経のネットワークも活性化されるわけです。

そして、この時期の身体をつくる大きな要素は”食事”です。食事もトレーニングのうちです。ただお肉(タンパク質)を摂取すれば、疲れにくい、回復しやすい(修復能力が高い)、機能的な(野球に)筋肉がつくというものではありません。人間の身体の消化・代謝システムというのはそんな単純にはできていません。ようはバランスのよい食事を摂るということなのですが、やはりご飯をしっかり食べるということが基本になります。

炭水化物(糖質)をしっかりとり、エネルギーを筋肉に蓄えます。激しい運動をすると身体各所で新陳代謝が活発に起こります。この際もエネルギーが必要になります。脂肪と酸素を反応させてもエネルギーをつくるのですが、運動選手のスタミナにおいて大切なのは細胞内に糖質や瞬時に利用するエネルギー物質がどれだけ蓄えられているかにかかっています。

タンパク質はトレーニング期においてはしっかりとります。鶏・豚・牛・魚などの動物性のものとともに、大豆など植物性のものを一緒にとるようにすると、腸の中に入ってからの毒性が少なくなります。腐るという字は、中腔の器官を表す「府」=腸菅に「肉」という字がつきます。食物繊維のまったくないお肉ばかり食べると、腸壁にひっつき排便が上手くできなくなり、腸のひだの間で腐敗して、免疫力も低下しますし、血管の機能も低下します(循環が悪くなる)。また、疲れすぎて食欲が低下したり、どうしてもタンパク質の摂取量が運動量に対し足らない場合は、プロテインなどで補ってもいいと思います。あくまでの食事がベースであり、補助のプロテインです。

脂質はお肉を食べれば自然に一緒に入ってきます。揚げ物やてんぷらなどはほどほどでいいでしょう。食事を簡単に済まそうとするとどうしても脂肪(揚げ物など)が多くなってしまいます。脂肪は取り過ぎるとエネルギーとして体内の脂肪細胞に蓄えられるわけですが、スポーツ選手でも溜まり過ぎると(肥満)、細胞が糖質を取り込む時に利用されるインシュリンというホルモンの機能が低下し、エネルギー製造システムが上手く循環しなくなります。普通の人なら糖尿病への道に向かっていくということです。

三大栄養素だけでは身体の中では機能的に利用することができません。そこには、ビタミン・ミネラルという微量栄養素が必須となります。これらは身体の中で合成することはできず、食物から摂取しなければいけません。この微量栄養素の摂取不足こそ病気の原因とも言われています。野菜や果物をしっかりとるということです。それも”季節のもの””地元産か産地が近いもの”がベターです。無農薬・有機肥料を使っていればそれに越したことはないのですが、そこまで求めると、現代の食事情からして食べるものがなくなってしまいます。ビタミンはエネルギーの最終段階で必要な補酵素を作るため、ガン化しそうな細胞を除去するため、身体の様々な場所で三大栄養素を援助しています。ミネラルも、神経伝達、筋肉収縮、細胞の新陳代謝など身体の様々シーンでこれがなくては身体機能として成り立たないくらい重要な働きをしています。

もう一つ、食物繊維をとるということです。人間は息を吐くから吸えます。食物もカスが出るから、次が入ってこれるわけです。排便です。食物繊維は腸壁にひっついている腐敗物や便などを外へ排出する刺激となります。また、腸内細菌の餌、特に乳酸菌などの善玉菌の餌にもなり、腸内環境がよくなります。そうすると、朝一番に気持ちよく便が出て、腸管機能(消化・吸収・転換・排泄)がよくなっていますので、よりスムーズに身体に必要な物質(栄養素)が必要な場所へ送られるということにもなります。

また、筋肉の修復・筋肉の増強・疲労の除去を効率的に行うには、練習後、30分~1時間の間にプロテインなどのタンパク質と、バナナやおにぎりなどの炭水化物をいしょに摂取したほうがいいです。

よく考えると量の差こそあれ、身体をつくる食事は普通の学生とそう大きく差はないと感じます。量は別ですよ。食事は各家庭で環境が違ったり、状況が違うので、家族で相談して、栄養もトレーニングのうちであり、成長期には非常に重要な身体づくりの要素になることを話し合って、これも選手自身が意識して食事を行うことが大切です。それにも増して重要なことは「感謝」して頂くということですね

練習も食事も、意識して自分の身体と心を感じることがこの時期には大切です。グランドへ出てからでは、なかなか自分の身体に意識が届きにくいものです。今の内に、しっかり体内意識、体内感覚を研ぎ澄ましておくことが、基礎体力だけに限らず、野球に対する強い意識づけに繋がり、個人のレベルがアップし、チームが強くなっていく原動力の一つになってくると思うのです。

最後のミーティングにおいてもこの話を少しさせて頂きましたが、皆、真剣に、いい目をして話を聴いていました。んん~今年のチームは、なかなか良い成績をを残すと思いますよ 

二葉鍼灸療院 田中良和

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2 コメント

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こんばんは (おむぅ)
2010-01-13 02:41:00
田中先生は人生の節目節目で素晴らしい方と出会ってきたのですね。
僕も45年間の人生で、いろんな素晴らしい人と出会ってきました。
その中で、とくに2人の人に救われました。
僕は中学二年生のときまで選択性緘黙でした。
クラスメートの女の子が僕の選択性緘黙を治してくれました。
精神科のK病院のA先生は、とても気さくで話しやすく、面白い先生でした。
病気の話をしているうちに、いつの間にか格闘技の話になってしまうのです。
その先生と話をしているうちに、だいぶ人見知りがなおりました。

僕の地元にも鍼灸院が、たくさんありますが、どこもかしこも整形外科系の治療しかできず、内科系の治療もできる鍼灸院はひとつもありません。
実に嘆かわしいことです。

最近は病院で処方される漢方薬にも健康保険が適用されるようになりましたね。
それと総合病院や大学病院によっては東洋医学科のあるところもありますね。
神奈川県立精神科病院では、薬で治らないうつ病の患者さんに針治療を始めたそうです。
これらはとてもいいことだと思います。

代謝内分泌内科の病気は、とても難しい病気なんでしょうね。
内分泌系の病気は、いろいろあると思いますが、治療する薬は、あるものとないものがあると聞いています。
そういうときこそ東洋医学の出番だと思います。
西洋医学で治らなければ東洋医学を試してみればいいと思います。
これからは西洋医学の中にどんどん東洋医学を取り入れていかなければいけないと思います。
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人との出会い (二葉院長)
2010-01-13 18:35:32
おむぅさん

コメントありがとうございます。

人との出会いは大切ですね。人間はそれにより成長していくのですから。人それぞれ、いろんな人生模様があると思いますが、必ずいい出会い、自分の転機となる出会い、苦しい時に心から助けになる出会いがやってきます。また、その逆の出会いもあるでしょう。

まずは素晴らしい出会いに感謝することが大切ですね。その気持ちさえ忘れなければ、そして、一生懸命、人生を歩んでいれば必ず道が見えてくると思うのです。

素敵な出会いに感謝!ありがとうございます!!ですね。

さて、東洋医学(鍼灸)ですが、実際、鍼灸院に訪れる患者様の8割が整形外科疾患です。ですから鍼灸師は、整形外科疾患の鑑別ができ、適切に治療できることが必要となります。

それにも増して必要なのは、鍼灸治療というのは基本的に総合内科であるということです。身体の機能は、自律神経などの神経系やホルモンなどの内分泌系、免疫系などが密接に関わりあい、また、脳と末梢(皮膚・胃腸・筋肉など)などの微妙な調節により、身体内部が一定の働きができ健康を維持できるように(恒常性維持機能)働いています。

鍼灸刺激は、末梢を刺激することにより、局所ばかりでなく、脳にも影響を及ぼし、さらに、内分泌や免疫系にも影響を及ぼすのです。その辺りの認識があれば、鍼灸というのは生体の調整に関わることができる、本来、おむぅさんが言われているような、内分泌や代謝などに関わる内科全般を施術できる治療方法なのです。

国は、欧米に遅れること約20年、鍼灸も含めた代替医療を見直す方向に傾いてきています。しかし、残念ながらそれを担うのは、代替医療に理解のある西洋医学の医師や研究者です。鍼灸もその一つで、大学の研究機関や、昨年から国がお金を出し鍼灸の研究にあたっています。

ということは、鍼灸の効果が確認されれば「鍼灸は医療として認められ、医療機関でどんどん行われていくでしょう」しかし、「医療機関で勤務しない鍼灸師に関しては必要とされるかどうかわかりません」。簡単に言えば、鍼灸は必要だけど鍼灸師はいらないということにも未来的にはなりかねません。

そこのところの意識や、危機感を持って勉強している鍼灸師は少ないのです。それを意識すれば整形外科だけでなく、様々な可能性に目を向けないといけない立場でもあるのではないかな~と私は思っているのです。
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