私はこの一年ぐらい前から身体に良いとのことでアーモンドを毎日20粒ぐらい食べている。
仕事の合間、車での移動中に間食として食べるのにはアーモンドは最高である。
もちろん塩分の付いていないアーモンドである。
ラップに包み、持って行っているのだが、ある日、私は油断していた。
まさか、愛犬あんがアーモンドを食べるなど考えてもいず、私の部屋のテーブルの上にラップに包んだアーモンドを置いておいた、それを気付いた時にはガリガリとすでに半分ぐらい食べていた。
「コラッ!」とあんを叱り、あんは尻尾を垂らし、反省の表情で後退、だが、私の感情はすぐに怒りより心配に変わった。
アーモンドは犬にとって大丈夫なのか、毒ではないのか、すぐにネット調べてみると、人間の身体に良いものが犬にも良いものだとは限らないがアーモンドは犬が食べても大丈夫らしいことが分かった。
食べたあんもその後、嘔吐などせず、いたって元気だったので私の心配は消えて行った。
ただ丸飲みしてしまっては、そのまま便として出てしまうだけなので、慣れないうちは小さくして食べさせると良いとのことだった。
それから、あんは私が仕事に行く直前、アーモンドをラップに包む時間を野生の感か、日々の習慣からか、一階に居ても気が付き、階段を勢いよく上がってきて、ラップに包まれるアーモンドに凝視し、必ずもらおう、絶対ちょうだいと口のなかにヨダレをためて待つようになった。
「あん、あんは小さいからアーモンド一個ね」と言って、アーモンドを一粒あげる。
あんにケチと思われても、それは譲れない、あげすぎは良くない、と私は私に言い聞かせる。
あんはちゃんとアーモンドをガリガリと噛んで食べ、その後、辺りをペロペロする、その姿はとても愛らしい、そう思う心を与えられているのが私の新しいおやつにもなった。