カルカッタより愛を込めて・・・。

次のアピア40のライブは6月でしたがお休みします。

夏の再会。その3。

2014-07-23 13:06:17 | Weblog

 上尾駅に二時過ぎに着いた。上尾は毎年この日夏祭りで駅前は賑わっている。この賑わいも毎年恒例のものである。またここに来た、アサダに会いに来たという感傷的な感覚をしみじみ感じさせる。改札を出るともう何人かの友達は待っていた。その集団の先頭でアサダ母ミエコが「テツ兄、久しぶり」と出迎えてくれた。

 ほとんどが一年ぶりか、または数年ぶりの再会になるので容姿の変化が目立つ者もいる。だが、そこに馴染むのには時間は要らなかった。とにかく自然と起きる笑いが次々と私たちを学生時代に戻していく。また新たに身体に墓参りに向かう燃料のガソリンを入れるようにサワキとキョウイチと一緒にキヨスクに行き、ビールを買い、少しみんなと離れた場所で一服する。そこに山形からこの日のために来たトシちゃん、そして、オサノ、ユウが加わり、アサダの話となった。

 そこでキョウイチはアサダが亡くなってから二年後にアサダの夢を見たことを言う、それがあまりにもリアルだったので怖い感じもしたと話した。ユウもアサダの夢を見たと言う、そこでアサダは「オレはちょっと忙しいから、もう行く」と言いながらも見守っていると語ったらしい。そんな話を聞くと歳の所為か、涙腺のパッキンがバカになり始めている私は思わず涙が出そうなったが堪えた。その近くではオサノが話に加わるでもなく、ただ夏祭りに賑わう人たちを一人何か嬉しそうに眺めていた。ハゲ散らかした髪の毛をかき上げながら。

 待ち合わせは二時上尾集合だったが、二時半になってようやくエリが来た。エリはずっと音信不通だったが、数日前にフェイスブックで文化学院の友達に連絡をするようになり、私はアサダの飲み会に参加するように連絡した。そして、運よく新しく始めた仕事の休みが取れ上尾に来たのである。もう12年ぶりの再会、ずっと引きこもりでこの頃やっと社会復帰をし始めたところだとのことだった。エリと最後に会ったのはこのアサダの飲み会だった。その時も少し不安定な精神状態であることが分かったが、エリはみんなの前で夢にアサダが出てきて、「ケンちゃんが私を救ってくれた」と話していた。それ以来の再会だった。幼馴染のような何の遠慮もいらぬ私たちを前にしても少し緊張していたのだろう、エリは髪の毛を何度もかき上げながら、みんなに頭を下げた。

 後はタロウとコウキチが遅れてくるだけだったので、他のみんなはアサダの眠る霊園にタクシーで向かった。今年は例年のアサダの嫌がらせと噂される暑さではないことに
みんな少しほっとしているようだった。ちなみにサワキはこの日毎年の暑さから、今年もしっかり警戒して替えのシャツをバッグに二枚用意していた。

 {つづく}

 
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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2014-07-24 09:53:25
再会では・・・?
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Unknown (Tetsu)
2014-07-24 10:39:29
そうです、ありがとう。
返信する

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