「極楽」はインドで会ったまほちゃんのおじぃちゃんのお酒である。
まほちゃんのおじぃちゃんは熊本の球磨で球磨焼酎を作っている。
その酒造場は江戸中期から球磨焼酎を作っている。
それも聞けば、おじぃちゃんはカトリックと言う。
おじぃちゃんはいつもロザリオを持ちながら働いているらしい。
熊本と言えば、隠れキリシタンの末裔かとも思ってしまう。
そのおじぃちゃんが作った「極楽」を昨日頂いた。
まほちゃんはうちから車で15分くらいのところに住んでいるので、ミニに乗って、あんと一緒にお酒をもらいに行った。
初めて行く場所ではあんは落ち着かないので、まほちゃんちの近所を少し散歩してきた。
行く前に圧力釜で作った豚足の煮込みをつまみに「極楽」を美味しく頂いた。
おじぃちゃんの揺るぎない信仰心が入っていると勝手に想像して飲む「極楽」は格別美味しかった。
「極楽」は常圧タイプのものを頂いた。
常圧とは「圧力を変えずに加熱のみにより、焼酎をもろみより取り出し、冷やして液体にする旧式の蒸留方法」らしい。
そんな説明文をしっかりと読めながら、熊本の球磨郡に思いを馳せ、グラスを傾けた。
「この三年貯蔵の極楽は今失われつつある球磨焼酎本来の味と風味を頑なに守り続けている逸品です。独特の甘味とキレ、そして、香ばしい薫りのオペラをお楽しみください」とあった。
この「頑なに」が何とも心を騒がした。
「頑なに」と言う言葉は、「し続ける」と言う行動を伴う。
そこに思いを寄せる。
揺るぎない信仰心に勝手に繋げてしまう。
そこにまた「オペラ」と来る。
「オペラ」なのかとそのハーモニーを探し味わいながら、丁寧に頂いた。
「オペラ」の鑑賞はしたことはないが、それも十分楽しんだ。
友達から「自分のおじぃちゃんのお酒です」とお酒を頂けるなんて、生まれて初めてだった。
まったく有り難いことである。
それもいつもロザリオを持ちながら働いているおじぃちゃんのお酒である。
神さまの配慮を感じる。
そして、もちろん飲みながら、温泉には入っていないが、「極楽、極楽」と言ったのは言うまでもない。