写真の世界が一部を除きほとんどデジタルになった今、レンズもデジタル用に開発が進んでいるのは当たり前の話。東京の暗室を閉じて10年が経過し、その間暗室作業からまったく疎遠になった。当時私は、カラーよりモノクロフィルムを使い印画紙にプリントしレンズの善し悪しを決めていた時代だったので、プリントの時のトーン出方とピントが合った場所の見え方と、そこからボケるまでの見え方を基準にレンズを選んでいた時代だった。また、現像液は廃液処理などの問題で製造を止めたプロマイクロールというイギリスのMay&Baker社の現像液をメインに、D76を使い続けた後、T-maxも使用していた。そして、レンズはM用ライカか中判はツァイス製レンズで、大判はローデンストックかシュナイダーかコマーシャルエクターを使っていた。つまりレンズ全部が欧米製レンズという事になる。(35mmの仕事はキャノンのみ)
フィルムからデジタルに変わり国産の古いレンズを使いだしたのは、ここ4年ほど前からだ。理由は、最近のレンズはどれを使ってもあまり大きな違いが無いほど優等生になってしまった事だ。上の画像を撮影した東京光学社製のオートトプコール58mmf1.4と付き合いだしたのは4年ほど前から。なので、銀塩で使った時の性能は知らないが、デジタルで使用すると銀塩で撮影したような描写になるのでとても気にいって使っている。また、昔は広角がメインだったが、今では35mmに換算すると標準から100mmまでがメインとなった。一番好きな焦点距離は、ちょっと長めの標準レンズ。撮る被写体にもよるが、レンズの焦点距離の好みや物の見方もずいぶんと変わった気がする。このレンズの開放からf2くらいの描写は好きだ。
上の画像 Ricoh GXR A12Mount Nokton classic 40mm f1.4 下の画像 Canon 5D Mark RE.Auto-Topcor 58mm f1.4