雪月花 季節を感じて

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東北の手仕事(二) 米沢絣

2009年01月22日 | きもの日和
 
 北国や雪深い国の織物が好きです。素朴であたたかな風合いの生地に、自然のきびしさと、その土地に生きる人たちの辛抱強く、謙虚な暮らしぶりが表れているように感じるのはわたしだけでしょうか。

 写真は、経糸に絣糸を使って織り上げられた米沢絣八寸帯。
 山形米沢の織物の歴史は江戸時代初期までさかのぼります。領民が自家用として織っていた青苧(からむし)や麻布を、関ヶ原の合戦後に初代米沢藩主となった上杉景勝の重臣・直江兼続(今年のNHK大河ドラマ「天地人」の主役ですね)が産業として整備したことに始まります。 そののち、藩の産業振興を図るため、婦女子の手内職として推奨し、本格的な米沢織の開発に取り組んだのが、藩中興の名君・上杉鷹山でした。


 若い職人さんがインドネシアに古くから伝わるイカットの柄をアレンジし、二ヶ月をかけて織り上げたもの。風通織のため、裏面は反対色の同柄です。


 小物とのとり合わせを考えるのも楽しく、しなやかで、「身にまとう」という言葉の意味をつくづく実感する帯です。