雪月花 季節を感じて

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文様印(14) 露芝文

2008年09月02日 | 和楽印 めだか工房
 
 先週から各地でゲリラ雨の被害が相次いでいますが、みなさまのお住まいの周辺は大丈夫でしょうか。東京は三日三晩豪雨や雷雨がつづき、多少の被害がメディアで報道されたため、みなさまから温かいお見舞いのメールをいただきました。有難うございました <(_ _)>
 雨は激しく屋根をうち、雷神さまは地響きをともなって何度も駆け抜けてゆきましたが、幸い交通機関のダイヤが乱れる程度で済みました。これから台風の季節と重なりますから、まだしばらく油断は禁物です。みなさまもお気をつけておすごしくださいますように。まもなく収穫期を迎える農作物への影響も心配です。


 今月は「露芝(つゆしば)文」です。芝の葉に露がおりたようすを意匠化したもの。季節を問わない模様ですが、とくに涼感を添えるため夏の和装に取り入れられることが多いようです。また、色をおさえて不祝儀としても使われます。
 「露芝文」のカレンダーは こちら です。

 「しば」「しばふ」という言葉は万葉の時代からあるそうですから、露芝は古くから親しまれた身近な模様だったのでしょう。雨上がりのあと、露にぬれた芝や草叢の美しさは格別です。日常のささやかな美を愛で、ここまでみごとに単純化し意匠化した先人のセンスに脱帽です。


 折しも、7日から白露の候。「陰気ようやく重なりて露にごりて白色となれば也」(暦便覧)。

 草木まで秋のあはれをしのべばや野にも山にも露こぼるらん
 (『千載集』 法印慈円)

 白露の宿る芝草の風情も、昨今の豪雨では台無しですね。



 最近ご注文をいただいて制作した四季の消しゴムはんこです。春「さくらさくら」、夏「うちわ」、秋「月にすすき」、冬「雪輪」。彫り上げたはんこには、サクラ材の持ち手をつけて仕上げます。

 めだか工房は、ご依頼主と相談をしながら制作してゆきますので、納期は長めです。ご注文品のはんこや小物に簡単な解説書をつけて発送します。手もとを離れてゆくのを少々さみしくおもいつつ、送り出しています ^^

 

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