名南将棋大会ブログ 名古屋

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20171028今日の一手(その592);自然に寄せる

2017-10-28 | 今日の一手

20171028今日の一手

7月16日の名南将棋大会から、OさんとIさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
金歩歩と角の交換で と金と成銀を作り合っています。やや先手の駒得ですが終盤ですし損得なしくらいに思っておけばよいです。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は26角と持ち駒飛銀桂で4枚。
後手の攻め駒は75桂と持ち駒飛金で3枚。49成銀を入れれば4枚です。

総合すれば互角です。

☆ 大局観として

一応は先手の駒得なので長期戦を考えても良いのですが、互いに攻め駒が多いので寄せ合いを考えます。
49成銀がそっぽに行った(もとは先手41飛、後手49飛47成銀の形で58成銀49飛成同成銀となったのが問題図)ところなので、後手の攻めが遅くなった(問題図だけ見れば遅い)というチャンスです。
後手のねらいとしては28飛~67金くらい。現状は4手すきくらいですから、それよりも早く後手玉に迫れば良いです。攻め駒が豊富なので自然な寄せを考えましょう。


× 受ける手を見ておくと、76歩は87桂成

でどちらで取っても王手角取りに打たれます。まだ先手不利というほどでもないかもしれませんが、失敗でしょう。


△ 68銀と打てば

先手玉が堅くなり、29飛44角19飛成11角成

で長い戦いです。歩を入手すれば確実に駒得ですから、先手が悪いということはありません。


○ 実戦は41飛で、成銀取りなので自然な手です。しかし29飛に61銀

というのは重くて不自然な手でした。26飛成72銀成同金61銀71銀72銀成同銀71金62金

金銀を打ったり埋めたりでここまで進みました。86桂85銀を利かせて72金同金61角成としたのですが86銀

桂馬を食いちぎられて先手玉は詰めろ。後手玉は詰みません。86歩と取り返しても先手玉は詰みで負けました。二人掛かりで先手玉を寄せたようなもので、良さそうに見えた86桂が悪手でした。

先手の工夫はいくつかあって、86桂を打たなければ61角成に81金くらい。

これは形勢不明です。

もう少し戻って72金ではなくて51飛成

ならば受けにくいので先手有利。

後手はこれを避けて61銀に銀を打たずに71金

と引いてどうだったか。

61銀ではなく81銀なら62金寄

というのも寄せにくそうです。

もっと戻って、61銀ではなく52角成が自然な手です。62金打

で馬を逃げるのではなあ、と見送ってしまいそうなのですが、62同馬同金引86桂

馬を切れば攻めに調子が出てきます。この桂馬がかなり厳しくて、63金なら94桂同香91銀

で寄り筋です。

後手は角を打つしかなく

76銀と打てば結局(63銀85銀同桂)94桂が実現します。


後手としては62金打が無効なら26飛成

くらいしかないのですが、55桂62金打63桂成同金93金

で寄り筋です。


○ 2段目から打つのもありまして、42飛

か22飛か。(後手にどこかで41歩を打たれたら22飛成です。)29飛に45角

と使います。(これが気が付きにくい手なのですが。)54歩は同角同金71角成、54金も同角ですね。62金引には86桂63金打51銀


戻って62金打には55桂

どれも先手が十分です。


○ 飛を打たずに43角成もあります。

これは28飛に53馬同金同角成

と26角を攻め駒にしようという意味でした。71馬同玉51飛は寄り筋ですから、62金打に同馬同金31飛

41飛と打って王手飛車を食らわなければよいでしょう。角しかないので受けにくいです。


△ 52銀は少し重くて

62金引に86桂84金43角成

後手に駒を使わせてゆっくり攻める感じで指します。52銀が質駒なのは嫌なのですが、86桂がかなり厳しいので考えてもよいです。


○ 先に86桂というのもあって

28飛なら53角成同金74桂92玉51飛

という寄せ方です。この図では後手がうまく守ることができません。(81玉と逃げていても51飛です。)

86桂に84金と守られたらかなりの利かしで、52角成には(53角成を防いで)62金上くらい。

51飛52金71銀

81玉52飛成71玉53角成

と寄せます。


△ 55桂は

62金引22飛28飛63銀

という攻め方ですが、千日手模様に粘られて寄せきれるかどうか。



☆ まとめ

相手玉を寄せる時には自然な寄せを考えたいです。もっとも最初は自然な手(駒を取る手、自分の駒の働きを良くする手)を考えますが、どこかで駒を捨てるとか切るとかの不自然な手が入ることになります。一見は駒損でも相手玉の囲いを弱体化するための駒損です。これがきれいに決まれば寄り筋になります。

この場合は符号でいうと
飛を打って敵玉をにらむ41飛や42飛(あるいは22飛)
34角を攻めに使う43角成や52角成や45角が自然な寄せ方です。
大駒の場合は手駒よりも盤上で敵玉をにらんでいるほうが働いているということがあります。

端もにらんでの86桂とか、単純に駒得を狙う55桂も打ったほうが得な感じです。
(桂馬は直接の王手がないのならば一度打っておいてから跳ねる手が有効かも。ただし実戦のように銀を渡して86桂85銀という形は危険でした。)
これらが自分の駒の働きを良くする手です。

銀を打って金を剥がすというのもやや有効ですが、後手は金を手持ちにしているということもあり、それだけでは決定打にはなりません。

中盤なら駒を取る11と も良いのかもしれませんが、香の使い道があればともかく、今は攻め駒が十分にあるので考えません。23角成と歩を取るのも同じことですね。


そのあとはなるべく自然な手を心がけながらも、大駒で金銀を取る手は成立しないかというのを考えます。駒損でも囲いを薄くしてしまえば好手になるかもしれませんから。

問題図では後手の美濃囲いが崩れていて、71金の形だというのが背景にありました。7筋が壁ですから端攻めに弱いですし、71金にひもがついていないので飛や角で切って(取って)しまう手が出やすいです。金の位置によって堅さに差がありました。


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