20200109今日の一手
11月23日の名南将棋大会から、KさんとSさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の問題の回答
問題酢の少し前は
後手に中央から強攻されて、ここで48銀と打たれていたら受けきれなさそうなところでしたが、57同飛成同金82玉
飛を切られても61飛があるので82玉、手番が渡ったので少し良くなったか、というのが問題図です。(駒を損して手を戻すというのは疑問手の可能性が高い。)
☆ 形勢判断をします。
金と飛歩の交換で、先手の駒得です。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は持ち駒飛角銀銀で4枚。
後手の攻め駒は角金銀で3枚。
総合すれば先手やや有利です。
☆ 大局観として
先手玉がずいぶん薄いのですが、駒得と攻め駒の数は上回っています。方針は2つで
駒得を生かし、先手玉を固める。
攻め駒の豊富さを生かして後手玉を攻略する。
どちらの考えもありそうで悩みます。棋風によって考える順番が変わりそうですね。いずれにしても後手からの攻めとしては(歩切れなので)48銀または48角からです。この受けを考えておく(あるいは手抜いて勝てるか)必要があります。
☆ 簡単なまとめ
53角48角に47飛
強く受けて後手玉の攻略を考えます。
また、61飛52銀に93銀
銀冠崩しの形を知っていれば使えます。
○ 実戦では53角
馬を作って守る、ではなくて後手玉を攻めるための手です。48角67金37角成61銀81金
駒得は消えてしまいました。よって攻めるしかないわけですが、後手も金銀を持っていましたから受けが利きます。72銀成同銀に攻める手が難しく、62角成71銀
銀を打たせて攻め駒を3枚にしたということでしょう。しかし53馬で後手を引き、55桂68金47馬89飛(敗着で59飛だったか)57銀
受けが利かなくなってしまいました。
戻って48角には47飛
強く受ける方が良さそうです。後手は角を切るくらい。57角成同飛46銀59飛引37銀成61銀
今度は81金72銀成同銀の時に71銀
清算して(71同金同角成同玉)62金を取れないから寄り筋です。
後手としては(47飛があるので)48角がまずくて48銀
とするのが最善だったというわけです。67金47角89飛52金(これを入れないと61飛が厳しい)26角成57金54飛
攻防の飛打ちがあって、やはり先手有利でした。
○ もう一つ有力なのは61飛
(こういうのは小さい駒からが寄せのセオリーですが、61銀62金では駒損です。)飛を打ち込むほうが金取りで自然な攻めのようですが、52銀で飛が死ぬから・・・と打ち切ってしまいそう。でも93銀
先手の攻め駒が多いので、強攻する手段があります。93同香は詰みますね。93同玉91飛成92金81竜82金右71角
それでも千日手になりそう、に見えましたが角を打てば回避できます。竜を残して95歩同歩98香打~94歩と攻めれば寄ります。まだ後手も粘るのでしょうが。
△ 先に93銀だと
93同香には61飛が詰めろ金取り。93同玉でも81飛ですが、71銀91飛成92金82銀
千日手回避のために銀を捨てます。82同銀41竜と進むわけですが、先ほどの変化では後手陣に41金52銀が残っていたのに、今度は7,8,9筋に金銀がいっぱいありますから難しい形勢です。
△ 54歩は
さらに小さな駒で攻めようというわけですが、53歩成としても遅いです。48銀67金57金
これでも61飛で悪くないのかもしれませんが、54歩自体は1手パスになるわけで、実戦的に選べる順ではありません。ただ後手に守りの駒を使わせた効果はあり、67金同玉57金78玉56角88玉29角成に62銀
素直に進めると後手玉が詰めろで先手勝ちになっています。
後手の攻め方に工夫が求められるのですが、54歩には24角あたりでしょうか。
61飛に51金と使えるから攻防です。
△ 95歩は
95同歩ならば61飛がより厳しくなるというわけです。(歩を渡したら寄せ切らねばなりません。)後手も取ってくれないでしょうから、48銀から攻められてどうか。
△ 先手にとって攻防のように見えるのは55角
37桂にひもを付けて、65桂を見ています。65桂とは攻めにくい気もしますが、64銀11角成75歩
元が駒得なので11角成の効果は小さく(馬を使う順が見えない)、67銀と打って受けに回ります。形勢不明でしょう。
△ ならば46角
このほうが攻防なのかという気はします。
△ 26角も攻防です。
実戦の53角よりも優っているように見えますが、24角58歩35歩
後手も攻防の角を打ち、角筋を止められると複雑化します。25桂36歩62銀35銀61飛
進めてみると先手よしになるような。元が駒得だと長い攻防では有利になりやすいです。
△ 46銀でも悪くはなさそうで
受けに回る方針です。
△ 68銀のほうも有力で
先手玉が堅くなりますが、後手玉を上回らないので微妙なところです。48銀67金47角89飛36角成55角
桂を取られても先手もちではないかというくらい。
△ 58歩を打つのは
金にひもを付けたというよりは、5筋を守っています。48銀67金47角61飛
飛取りに手を抜きやすくなっていて、攻め駒4枚を保っていますから寄せ合いです。前にやったように51金打に93銀
後手に持ち駒を使わせたので寄せやすくなっています。
後手は金を打たない方が良いので、52金95歩
飛取りではないと少しゆっくり寄せられますが、71金打でまだ難しいです。(41飛成29角成52竜・・・)
☆ まとめ
攻める方針で、寄せのセオリーで考えれば、54歩や95歩からなのですが、ちょっと遅いかなあというところです。手掛かりの駒がないので53角か61飛から攻めることを考えるわけですが、有利を優勢に持っていくには何か好手が欲しいです。
53角48角に47飛
61飛52銀に93銀
こういう手が成立するかどうかを読まねばならないです。
攻める方は読みの力が必要ですが、受ける方は読みが浅くてもよく、55角、46角、46銀、68銀、58歩、どれがしっくりくるかは感覚的に選んでも良いです。
ただしここでは後手玉よりも固くならないので、後手からの攻めに対応できるかを考えておくことです。
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