名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

20200107今日の一手(その957);穴熊感覚

2020-01-07 | 今日の一手

2020107今日の一手

11月23日の名南将棋大会から、OさんとIさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。

 

 

一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。

金と銀桂歩の交換で馬竜を作り合っていますから、先手の駒得です。(後手は歩切れなので歩も数えます。)

玉の堅さは後手のほうが堅いです。先手玉は遠くはあるのですが、金銀は2枚だけ。

先手の攻め駒は持ち駒飛銀桂で3枚。

後手の攻め駒は58竜と持ち駒角金で3枚。

総合すれば互角です。

 

☆ 大局観として

後手玉を攻めるとしたら53歩ですが、52歩成~61と で詰めろの3手すき(現状は4手すき)、先手玉は39歩成が詰めろ(現状は2手すき)です。攻防手も見当たらず、寄せ合いが2手違いでは逆転は難しく、受けを考えるしかないところです。幸いにして駒得ですから、受けに回っても楽しみはあります。

駒損をしない受けを考えるのが普通です。それが受けきれているかどうか。

だめならば金か銀を取らせて受けます。後手が歩切れなのでまだ難しいか。でも駒得とは言えなくなるので、その後で攻め合いにもっていけるかどうかを考えます。

 

 

△か× 穴熊党ではないと両取りを避ける48金から考えると思います。

57竜同金39銀の形で勝てないと思うのが穴熊党の感覚です。(持ち駒に金があれば49金と受けて難しいですが。)竜を切ってこない相手だと思えば勝負手と考えることはできるのですが。

 

☆ 簡単なまとめ

意外な感じはするのですが、38同金が正しいです。

1枚金か銀を取られても、穴熊の形を残すのが「それらしい」です。先手を取りたいので38同金がシンプルでした。

 

△か× 駒損を避ける48金でどうか。

69竜38金

あるいは59竜49飛(38金57竜も考えられる)

後手が竜を逃げるのならばどちらもまあまあです。

 

ということで怖いのは57竜

57同金39銀58飛

綱渡りの受けですが、48金同飛同銀成(不成もある)53歩

受けも難しくなったので、寄せ合いしかありません。でも後手玉は3手すきなのです。39歩成同銀同成銀28銀48角

千日手にもできず、受けもなくなっていきます。強く攻められるとまずいようです。対局相手の実力次第ということはあるのですが。

 

例えば後手が3つ前の図から28銀成同玉49銀を選べば48銀

これはまずまず指せそうで、金を上がって竜を切って来いというのは、受けの勝負手と言えそうです。

 

 

× 実戦は48銀と引きました。

39歩成同銀左で穴熊が安泰に見えましたが、16歩13馬17歩成同香38歩

後手には端で1歩手に入れる手段があり、(香は取りましたが)歩で銀を取られてしまいます。やむなく38同銀同竜39香47竜38銀

また穴熊を構築するのですが、38同竜同香47銀68飛58歩

受ける手も無くなり、64歩から反撃しても届きませんでした。

 

 

○ 38同金は

38同竜39銀打47竜13馬

38歩には48銀上と逃げることができるので、受けきりとは言えないにせよ、寄せ合いにもっていけそうです。

 

 

× 48銀打

駒を打つ方が手堅いという守りの原則がありますが、39歩成同銀右というのが嫌な形です。16歩13馬17歩成同香49金

後手から38歩や56歩が嫌らしく、駒損を避けにくいです。

 

 

△か× 13馬は

瞬間は駒得を拡大し、銀取りを防ぎました。(66馬よりも働いています。)39歩成同銀49金28銀打59竜

38飛と受けても楽しみがなくなるのです(寄せ合いも駒得も望めない)。後手も間違えてくれなさそうな手順ですし。

 

 

△か× 59歩は怪しい手です。

57竜38金59竜53歩

これは形勢不明です。

 

怖いのは59歩に39歩成

58歩38金

39銀同金28銀38銀39銀同銀成28金38金同金同成銀28金49銀38金同銀成28銀と長い呪文で金銀を入れ替えて、駒取りが途絶えたときに49角

あるいは49角ではなく49金39桂48角

とするのが良いのかもしれませんが、先手の受けは難しいです。

 

 

× さらに怪しいのは48飛の受け。

57竜38飛も面白くはないですが、39歩成58飛49角48飛38金

39銀同金28銀38銀39銀同銀不成28金58金

食いつかれて受けきりは望めません。

 

 

☆ まとめ

穴熊党ではないと両取りを避ける48金から考えると思います。

57竜同金39銀の形で勝てないと思うのが穴熊党の感覚です。(持ち駒に金があれば49金と受けて難しいですが。)竜を切ってこない相手だと思えば勝負手と考えることはできるのですが。

 

意外な感じはするのですが、38同金

後手の竜を近づけ先手を取って受けるのが(消去法ですが)最善でした。駒損を気にしているとだめなのです。とにかく固めてしまえば

有利ではありませんが、まだ戦えます。

 

相振り飛車の穴熊は、上から攻められるのが難点で、囲うまでに手数がかかることを含めて主流にはなりえません。(相居飛車の穴熊は手詰まりになれば現れるので、相振り飛車でも手詰まりになれば、ですが。)

問題図は飛交換になっているので、対抗型の振り飛車穴熊と同じようにも見えるのですが、どこかで38歩を打たれるから指しにくそうです。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 大山将棋問題集20200106 | トップ |  大山将棋研究(1465);石田... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

今日の一手」カテゴリの最新記事