鎌倉 佐助の風街便り

陶芸、街歩き、クルマ、オーディオ・・。思いのまま徒然に

浴衣でゾクっと「こまめ寄席」。ホントのヒヤリは最後の最後に・・。

2012-09-04 12:01:23 | 日記
7月以来のここ2か月の間、ご近所の方々、友人知人、そして陶芸教室の会員さん方とお会いするたびにまず第一声はお約束ごとのように「暑いですねぇ、異常ですねぇ」という塩梅の日々が続きました。ホントに暑い夏でした。

さりとて、季節の移ろいとはよくしたもので・・。

9月の声を聞いた途端、空からまことに久しぶりのお湿りがあったかと思えば、吹き来る風もそよそよと涼しげに移ろう今日この頃、皆さま如何お過ごしでしょうか。などと、まずはたわごとを。

さてさて、ようやく秋の気配が感じられ始めた9月1日、土曜日の日暮れどき。ご近所の甘味処「こまめ」さんにて恒例の「こまめ寄席」が開催されました。

「こまめ寄席」にお邪魔するのは今回が3回目。自分でいうのもなんですが、もうすっかり常連の域に達しちゃっています・・!?。今回はウチの奥さんと私の母、そしてこの日、陶芸に来ていた会員さんとともに徒歩1分の道をワクワク気分でたどりつつ「寄席」の暖簾をパラリとくぐり。

今回は「浴衣でこまめ寄席」ということにて、ウチの奥さんはなにを血迷ったか「35年ぶりの浴衣・・」。私としては「となれば、記念に」ということで斜め後ろから、そっと控えめに「パシッ~リ・・」

いやはや、驚いたことにというか、困ったことにというか、これって何というか、ウチの奥さんの浴衣姿はそこそこサマになってました、ビックリ。あくまでも、サマになってたというだけですが・・。

まだまだ薄暮といった頃合の午後5時過ぎに「こまめ寄席」は開演。「こまめ」のかえさんの口上と浴衣姿にちょびっとうっとりしつつ

気分はすっかり「末広亭?」。

「こまめ寄席」の高座を務めるのは、三遊亭遊吉師匠で決まりです。

この日の演目は「鰻のたいこ」と、「三年目」。

「鰻のたいこ」は、太鼓持ちを生業とする男が街で出会った男に声を掛けられて「誰だっけ」と思いつつも自分のご贔屓さんだったかなとノコノコと鰻屋さんについていくお噺。鰻屋さんの料理とその男をさんざんおだてた挙句、男がそっと姿を消してしまい、鰻の代金をすべて支払う羽目となる始末。その男は、数人前のかば焼きをお土産に持ち帰ったことに加え、さらに太鼓持ちの履物も失敬してしまうあたりのオチも「あらら・・」と笑えます。

今から約50年ほど前の私が幼い頃、家には父の幼馴染みが落語の修業をしながら居候していました。私が「小出さん」と呼んでいたその人は後年、三遊亭円之助という落語家になりました。私が小さかった頃、私と友達の前で「稽古」と称して「小出さん」が披露する十八番が此度の「鰻のたいこ」でした。私が育った東京・葛飾の家の十畳の和室で「小出さん」が演ずる「鰻のたいこ」、何度聴いたことか。

「こまめ寄席」にて「小出さん」の落語を聴いていた遠い昔を思い出し、目にうっすら涙の私。この時ばかりは、遊吉師匠の背後の障子越しの薄暮の光がほんのりセピア色に映ったりして・・。

幕間はこんな感じ、です。

平均年齢は、いささか高め。浴衣姿もそこここに。ちょうど夕餉の頃とあって、皆さんはそろっておにぎりを注文して、パクパクと。私の母も、「お米が美味しいわ。握り具合もちょうどいい。このおにぎりは絶品だわ」と大絶賛。

此度の「こまめ寄席」では「この夏はゾクっとヒヤっと怪談噺~」ということで、遊吉師匠の二話目の怪談は「三年目」というお噺。このおはなしの筋はさておき、おどろおどろした怪談噺ではなく、さらっと夫婦間の愛情の機微を描いたライト?な怪談噺をあえて選んで演じていただいた遊吉師匠のそのセンス・・。いささかというか、とってもというか、甚だせんえつですが、感服しました・・。

ちなみに先刻、「こまめ」のおにぎりを絶賛していた母は、結構、観察力が高いかも。遊吉師匠の一話目の「鰻のたいこ」を聴き始めた瞬間に「桂米丸さんの語り口とうりふたつ」と感じたとか。なるほど、遊吉師匠のちょっぴり高めのトーンで噺を進めていく感じが米丸師匠の口調を彷彿とさせます。いやはや、母は偉大です・・?。うーん、我ながら何言ってるんだろ・・?。

というか、母と亡き父、そして、これまた今は亡き「小出さん」はその若かりし頃、三人四脚で「小出から真打ち昇進へ」の道をともに歩んできた、いわば「戦友」のような関係で・・。少年時代からどっぷりと落語界に入り浸っていた父と「小出さん」は、多分その頃とっても楽しかったんだろうなあ、と。そのようなこともあり母もまた、昭和20~30年代の落語界にはそこそこに造詣が深いようで。時おり母が語る、円之助や他の先輩落語家さんとの交流の思い出話には、「へえー、それはびっくり!」というような話もそこここに。折に触れて、もっと聞いておこうかな。

「こまめ寄席」お開きの後、遊吉師匠ご夫妻、ならびに「こまめ」のかえさんと記念写真。
 

あーぁ、ついにウチの同居人の姿が白日の下に・・。その姿、見るのがコワかったらすみません。これもまた、怪談噺の番外編ということで・・。














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