鎌倉 佐助の風街便り

陶芸、街歩き、クルマ、オーディオ・・。思いのまま徒然に

「昭和」の名残りを感じつつ、「緑の街に舞い降りて KAMAKURAという響きはドイツ語みたいだった…」

2020-04-29 22:57:36 | 日記
本日4月29日は私達のような還暦を過ぎた世代にとっては子供の時から「天皇誕生日」として認識され、それはまさにその後の5月の連休に向かうゴールデンウイークの幕開けとして、まことに嬉しい休日でした。そして1989(昭和64)年に昭和天皇が崩御された後に 自然の恩恵に感謝する日として「みどりの日」となり、さらに2007(平成19)年には「激動の日々を経て復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」との願いを込めて、あらたに「昭和の日」という名の祝日に制定されてきた経緯がある、ようです…。その変遷はともかく、この4月29日はワタシにとってはやはりあの昭和の「天皇誕生日」という響きが最もしっくりくるように思います…。

そしていっとき「みどりの日」と定められたように、今この時はまさに新緑が萌え、そして陽光眩く輝く一年のうちで最も躍動感あふれる候。ウチの工房とカフェの窓からも陽光を浴びる若葉が輝きを競っています。


ラジオにて時おり流れる「ゴールデンウイーク交通情報をお伝えします…」というナレーションに触れて「あぁ、今まさに連休だ…」と感じるこの時季、午後の太陽もだいぶ北方向に大回りしつつあり、夕方5時を過ぎてもウチのリビング北側の壁の窓からはやわらかな陽射しが差し込んでいます。


4月はじめから中旬まで工房とカフェスペースで開催した「黒猫展」の際、リビングはテーブルと椅子を隣の部屋に移動して お客様とウチの黒猫ノワールが触れ合うオープンスペースに模様替えしてみました。ノワールはこの「平場でじゃれ合えるシチュエーション!?」がいたく気に入ったようで、今もってリビングはテーブルも椅子も無く、オープンなまま。かのコロナ禍なぞ 「柳に腰…」とばかり絨毯に寝こぞり、無邪気に「ニャ~ニャ~」鳴くノワールになりたい…!?

ワタシとしては、ダイニングテーブルと椅子を定位置にリセットしてきちんとしたスタイルで食を楽しみ、そしてきっちり酔い潰れたいところではあります。されど、ノワール、ならびにウチの同居人さんとのパワーバランスを鑑みるとワタシからのささやかな「異議」が聞き入れられる余地はほとんどありません、トホホ。

ともあれ「天皇誕生日」「みどりの日」「昭和の日」といった具合に目まぐるしく呼び名、そして意味づけが変わる感のある4月29日ではあります。そのような中、ウチの同居人とワタシにとって この4月29日はきわめて大切な一日でもあります。我が家にとっては、かつて一緒に暮らしていた オルカという雄ネコの誕生日でもあります。

今から14年前に15歳で亡くなったオルカという猫は、ウチの同居人さんにとっては「オルカと私は一身同体!」と言いきるほどのかけがえのない存在であったようです。たとえばワタシがこの同居人に対して丁寧に接しようとも、「私はアナタと一身同体」と言ってくれることは永遠に無いであろうことは自信をもって言えます。なんとも悲しい事実ではありますが…。

毎年、オルカの誕生日には大好物だったイチゴのショートケーキをプレゼントしてあげていました。

というわけで、今年もオルカの写真を前にショートケーキ…。

ウチの同居人がまだシングルだった当時、オルカはともに暮らし、仕事を終えて帰宅した時に会話を交わし合うかけがえのない存在だったようです。

その日常になんとなく成り行きでワタシが入り込むようになり、オルカにとってワタシはまことにうっとおしい存在だったことでしょう。「3人」で暮らすなんとも摩訶不思議な生活が始まって以来、2年ほどワタシはオルカから信頼を得ることが出来ずに監視され、事あるごとに脅される日々を過ごしていました。

そして時を経て、いつしかオルカとすっかり気が通じ合うようになり、このように食卓を供にするまでに至りました。

蛇足ながら、平成の世に写真屋さんで紙焼きしてもらったモノクロ写真は、かくの如くモザイク文様さながらの惨憺たる状態で残るハメとなってしまうことが多いようです。このような状況は昭和時代の紙焼き写真にはほとんど無かったように思います。あらためて、昭和は良い時代 だったかも…。

ともあれ、ある意味において「オルカ備忘録」の感のある今回のブログの締めは、今から四半世紀前のウチの同居人さんとオルカが収まるこのなんとも微妙なカット…。おもわず、中島みゆきさんが40年ほど前にリリースした「時代」という楽曲の♪「そんな時代もあ~たよね…」という一節が浮かんできます。

今あらためてこの一枚見るにおよび、遠く平安時代末期から鎌倉時代初期にかけてあまたの作品を発した鴨長明が遺した「方丈記」になぞって「ゆく顔の眺めは耐えずして、しかももとの身図にあらず…」といった所感に至った次第でもあります。それにつけても昭和は遠くになりにけり。そしてウチの同居人をして「一身同体」と言ってはばからなかったオルカよ、永遠に…。


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