Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

「「海外の現代美術作家」vs「日本の市民」という不毛な対立構図」って何のことだ?

2019-08-15 | Weblog

「表現の不自由展・その後」が中止となった、あいちトリエンナーレで、東浩紀氏が企画アドバイザーを辞任。アドバイザーを離れてようやく「一個人として発言する」というのは、「津田芸術監督と対立していた」ということを世間に言いたいのだろうか。彼が「離脱作家が増えるかどうか」を問題にするのは、責任回避のように思われる。「外交問題に巻き込まれたことが本質だ」というのには、目が点になった。「政治的に利用されてしまいました」という言い方も、まるで他人事。「市民への説明不足」という言い方は自民党そっくりだ。不足しなければわからせられる説明があなたにはできるというなら、とっくにやってあげればいい。

「ぼくの観察するかぎり、今回「表現の不自由展」が展示中止に追い込まれた中心的な理由は、政治家による圧力や一部テロリストによる脅迫にあるのではなく(それもたしかに存在しましたが)、天皇作品に向けられた一般市民の広範な抗議の声にあります。津田さんはここに真摯に向かい合っていません。」「日本人は天皇を用いた表現にセンシティブすぎる、それはダメだと「議論」することはできますが、トリエンナーレはその日本人の税金で運営され、彼らを主要な対象としたお祭りでもあります。芸術監督として顧客の感情に配慮するのは当然の義務です」という発言は、支離滅裂だ。本当にわかって言っているのだろうか。「一般市民」と天皇の関係を勝手に決めつけて、それを自分の辞任の理由にしようとしているのではないか。

「今後、「海外の現代美術作家」vs「日本の市民」という不毛な対立構図が作られないよう、微力ながら情報を発信できたらと考えています」と締めくくっているけれど、「「海外の現代美術作家」vs「日本の市民」という不毛な対立構図」って。あるんですか? これでは、東氏こそがそれを皆に提示し喧伝し始めたように、うつる。

解決に向かう意志をお持ちなら、「「海外の現代美術作家」vs「日本の市民」という不毛な対立構図」というような、いたずらに現在の混乱を増幅させるような、誤解を招く表現を、やめてほしい。

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