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“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

「できない」、で、なぜいけないのか。  ~非戦を選ぶ演劇人の会 ピースリーディング vol.18 ~ ご案内

2015-07-12 | Weblog

安保法制関連法案は、成立させてはならない。

日本は、憲法で、戦争を放棄している。
自国に対する武力攻撃があった場合、侵略に対する「防衛」が目的でない限り、「武力」を行使することはできない。

「支援」であろうが何であろうが、直接関わりのない「戦闘の現場」で「武力行使との一体化」と見なされかねない何らかの業務を行うことは、できない。

「できない」、で、なぜいけないのか。

「できない」のは困る、と言っている人たちには、「そういう皆さんに対してブレーキをかけるためにこそ、憲法があるのだ」と教えてあげるだけでいい。
今以上に国際的な貢献をしたいということであれば、「武力行使との一体化」と見なされる可能性のまったくない活動のみを充実させればいい。
「武力行使との一体化」と見なされる可能性が少しでもあるような「グレーゾーン」では、ダメだ。
「できない」、で、いい。

砂川事件最高裁判決には、集団的自衛権の行使についての直接的な判断はない。これを持ち出す現政権の言い分はこじつけである。
ましてや、中国に対する戦闘ができるようにするために法整備が必要だとしかとれないような発言は宣戦布告に等しく不当だし、その発言者たちは首相も含めてみんな辞職しなければならないくらいの暴言である。そして、彼らが咎められていないということは、この国が政治としての「外交力」を持つことを放棄しているということ、マスコミも国民も神経が麻痺してしまっているということ、である。
現政権が戦前回帰のような蒙昧以外は持論も何もなく、ただ「日米関係」に振り回されているだけであることも、とうに明らかである。
日本という国がアメリカに盲目的に従うことで、じつは国際的な弱者を抑圧する動きに加担してしまっている現実に、気づかなければならない。
アメリカと対等でありたいという言説を展開する人たちから、差別的な日米地位協定を廃そうとする動きが以前にも現在にもないことが、異常である。保守愛国を唱えているはずの者たちが、日本がより完全にアメリカの「属国」になることを望んでいるとしか思われない、不可思議。
「平和」を謳うなら、抑圧者に与せず、弱者を救う国際貢献でなければならない。
自衛隊を駐留させるジブチに不平等を押しつけ、パレスチナを抑圧する側に加担することを公言し、そして何より沖縄県民が揃って反対する辺野古への新基地建設を中止しないでいる現実。
こんな無法が許されているこの国の異常さに気づき、戦争に向かい人々の生存をおびやかしている現状を、速やかに是正しなければならない。

「できない」、ただそれだけでいいはずのことを、なぜ違憲行為に踏み込みたい人たちの言い分を聞いてあげて、悩まないとといけないのだろう。

確かに、意見の違う人の言い分もきちんと聞くことは、民主主義の基本である。

だが、何らかの「既成事実」を産みだし、「憲法が実情に合わない」という言い分を唱えられる状況に持ちこもうとしている勢力に迎合する必要は、一切ない。
憲法が現存している前提を顧みない言動を、許してはならない。
何かみんなが催眠術にかかったみたいに、言い分が通らなければ大きな声でしつこく繰り返す勢力に押し流されようとしている現実は、異常である。

重ねて言う。
憲法上許されない、「憲法が実情に合わない」ような状況を生み出す可能性のある選択は、できない。

それだけである。
それだけでいいのではないか。
この国が戦争を放棄しているという原本に立ち戻ればいい。

現政権の推進する安保法制関連法案は、成立させていいはずがない。
憲法に反する規定・法案を決して作らせてはならない。

…………………………

以上の本文は、私見であり、非戦を選ぶ演劇人の会とは関係ありません。

と、お断りした上で、あらためてご案内。


非戦を選ぶ演劇人の会は、
ピースリーディングを今週にやります。

安倍政権の焦りが、暴走の可能性をちらつかせている、まさにこの週。
声をあげ始めた若者たちだけに、任せておけません。

「演劇人が本気で声をあげている」ことを、支援してください。
デモだけではない、表現者たちの「非戦」への取り組みに、注目してください。
マスコミ関係者の皆さんも、可能な限り取り上げてください。

台本チームはぎりぎりまで粘っています。


7月15日(水)19:00開演
7月16日(木)14:00開演
会場:全労済ホール/スペース・ゼロ(東京)

非戦を選ぶ演劇人の会 ピースリーディング vol.18
「明日、戦場に行く」
作 : 篠原久美子 + 非戦を選ぶ演劇人の会
演出:永井 愛

第2部は、スペシャルゲストをお招きして対談を行います。

【7月15日(水)】三上智恵(映画監督) × 宮城康博(元名護市議会議員)
・三上智恵(みかみ・ちえ)…… ジャーナリスト。映画監督。1995年より琉球朝日放送にて、主に沖縄戦や基地問題をテーマにした番組を多数制作。2014年退社。初監督作品『標的の村~国に訴えられた沖縄・高江の住民たち~』が数々の賞を受賞。今年7月に最新作『戦場ぬ止み(いくさばぬとぅどぅみ))』が全国順次公開。
・宮城康博(みやぎ・やすひろ)…… 沖縄名護市生。1980年代は東京演劇アンサンブルで劇団活動。1990年代に帰沖し地域づくり計画や行政広報を手がけ、1997年に辺野古新基地建設問題の住民投票代表になり市民運動に参画。以来2006年まで名護市議。以後フリー。著書『沖縄ラプソディー』(御茶の水書房)、共著『普天間を封印した4日間』(高文研)他。

【7月16日(木)】高林敏之(アフリカ国際関係史研究者)× 泥 憲和(元自衛官)
・高林敏之(たかばやし・としゆき)…… 日本アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会常任理事。青山学院大学大学院文学研究科博士後期課程(史学専攻)単位取得満期退学。アフリカ協会職員、四国学院大学教員を歴任。現在は育児とNGO役員、早稲田大学非常勤講師を掛け持ち。
・泥 憲和(どろ・のりかず)…… 陸上自衛隊三等陸曹として地対空ミサイル部隊に勤務の後、退職後は自営業や法律事務所勤務を経て、現在は療養の傍ら護憲・平和の立場から講演活動などを行っている。著書『安倍首相から「日本」を取り戻せ』(かもがわ出版)が新しい視点からの護憲アプローチとして反響を呼んでいる。


http://hisen-engeki.com/information.htm

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