Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

映画『関心領域』上映館では、ポップコーンの販売を中止していただきたい

2024-07-24 | Weblog
映画『関心領域』は、カンヌ映画祭グランプリ、アカデミー賞で国際長編映画賞と音響賞の2部門を受賞した、話題作。
タイトルの「The Zone of Interest(関心領域)」は、「第2次世界大戦中、ナチス親衛隊がポーランド・オシフィエンチム郊外にあるアウシュビッツ強制収容所群を取り囲む40平方キロメートルの地域を表現するために使った言葉」だという。
「ホロコーストや強制労働によりユダヤ人を中心に多くの人びとを死に至らしめたアウシュビッツ強制収容所の隣で平和な生活を送る一家の日々の営みを描く」という触れ込み通りに、映画は、強制収容所と壁一枚隔てた屋敷に住む収容所所長一家の暮らしを描いていく。

つまり、「壁」「塀」の向こうの強制収容所では、残酷な行為が行われており、それを主に「音」だけで聴かせることで、観客の想像力をかき立てる、という趣向である。アカデミー賞の「音響賞」受賞は、まさにそこが注目されたわけである。

しかし、しかし。
日本公開から二カ月近くたって、ようやく映画館に駆けつけた私だが、隣に座ったカップルが、なんと、それぞれ(一人に一つ)バケツ大のポップコーンを置き、むしゃむしゃパリパリ、食べ続けたのだ。
アカデミー賞の「音響賞」ですぞ。なので画面の向こうの出来事に耳を澄ませていたかったのだが……。
すぐそばからリアルなポップコーンの、むしゃむしゃパリパリ。
なにしろバケツ大だから映画が終わるまで食べ続けられていた。
あまり映画に集中できず、じっさい、映画の展開も思わせぶりなばかりに思われて、あまり面白いとは思わなかった。
だが、あの、むしゃむしゃパリパリがなければ、「傑作だ」と思ったかもしれないのだ。自信ないけど。
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