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“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

「500億円名護振興基金」石破発言の虚偽と不成立

2014-01-18 | Weblog
12日に「基地の場所は(地元=名護市の意向ではなく)政府が決めるものだ」と発言した、自民党石破茂幹事長。
今度は16日、名護市に約500億円規模の「名護振興基金」の創設を検討していることを、名護市長選で立候補している末松文信候補の応援演説で明らかにした。政府と一体の地域振興をアピールし、米軍普天間飛行場の移設を進める狙いと報道されている。
石破幹事長は「世界一幸せな島にしたい」と歯の浮くような物言いの後、「(末松氏の政策である)スエマツビジョン実現の財源として、500億円の名護振興基金の実現を図る。一括交付金をベースに国、県、市が分担する形で、基幹病院の整備や交通網の整備などに活用したい」と説明、報道陣から「末松氏が当選した方が移設がスムーズに進む考えか」と問われると「そうでしょうね」と答え、現職の稲嶺進氏が当選した場合も基金を創設するかどうかは、回答を避けたという。
末松候補は、石破氏が掲げた振興基金を遊説で強調。「基金を活用して新しい名護市をつくり、北部全体の活性化を図りたい」と言う。それを特化したポスター、チラシまで用意した(写真)。「スエマツ新市長誕生で「名護振興基金」五百億新設!」とある。
稲嶺候補は「相手陣営の応援で中央から入る大物が口にするのは金、金、金だ。金と権力で名護市や市民をも否定するやり方で(基地建設を)迫っている」記者団に対して「振興策、基金をちらつかせて市民の気を引こうとしている。金権政治そのものだ」と批判している。

一方、菅義偉官房長官は16日夕の会見で「資金の新設について、政府として答える立場にない」「それは県や関係者が調整を図って実現していくということ」「新しくではなく、政府として北部振興事業で2021年度までの8年間、年度ごと50億円を確保すると約束している。沖縄の一括交付金として100億円程度が北部所在の市町村に配分されている」と述べ、既存政策の枠組み変更で対応する考えを示し、与党・政府側でも足並みが揃っていないことを露呈した。
北部振興事業費は名護市を含む北部12市町村が活用する予算であり、石破発言は国として新たな予算の創設や上積みを企図するものではない。名護市に特化した財源とする説明は、おかしい。一括交付金の北部12市町村への配分額もこれまで数十億円にとどまっているという。

そもそも与党幹事長に予算配分の権限があるわけもなく、国会や政府、省庁を飛び越えて、国の予算権限を全て取り仕切ることも許されるはずがない。
伊波洋一元宜野湾市長は、「石破幹事長の「500億円名護振興基金」発言は名護市民をだますだけでなく、今日から配られた末松陣営の選挙違反ビラに手を貸すもので、許すことはできない」と発言。
こうして報道をまとめていくと、石破幹事長は、選挙に勝たせるために告示後になって特定の候補者の勝利を条件に巨額の予算を提示、基金をつくると言っているということになる。じっさい、このような動きは、「公職選挙法」における「利害誘導」に該当しないのか。

「名護振興基金」というものは、存在しない。そもそも公約をひっくり返してばかりの自民党陣営である。どうしてここまで民主主義が機能していないことばかり見せつけてくれるのだろうか。
危険かつ自然を蝕む不必要な基地を作ろうとして、それを「カネ」で解決しようとしている。
仲井真弘多知事による辺野古埋め立て承認の取り消しを求め、辺野古住民ら194人が那覇地裁に提訴した。同時に承認の効力の一時執行停止を申し立てた。
当然だ。
選挙以前に、そもそも前提が間違っているのである。
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