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“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

教わらなければならない愛国心など、真の愛国心ではない

2013-11-13 | Weblog
報道によれば、文部科学省は12日、教科書検定基準について、領土問題などで政府見解を反映した記述とするよう、見直す方針を固めたという。
沖縄県八重山地区で教科書採択権限を巡り混乱した問題を受け、法律を改正し、権限を一本化して「再発防止を図る方針も決めた」というが、報道が「再発防止」という表現をリードに出すのはいかがなものか。
検定基準の見直しは、主に高校の歴史と地理らしい。
竹島、北方領土など領土問題や自衛隊の位置付けなど、日本政府の見解を踏まえた記述を載せなければいけないらしい。
戦時中の歴史的な事象などで「未確定または諸説ある場合は、確定的な記述をせず、バランス良く取り上げるよう」求めるという。

宮城県議会は先月末、「新しい歴史教科書をつくる会」宮城県支部が提出した請願を受けて、市町村教委が中学校の歴史、公民教科書を採択する際、「愛国心や国旗国歌などの項目を点数化して反映させるよう」県教委に指導を求めた内容を、賛成多数で採択したという。
歴史教科書の記述について、神話や天皇、大東亜戦争など12項目が、「わが国の歴史に対する愛情を深め、国民としての自覚を育てる」などと学習指導要領に明記された教育目標に沿って記述されているかを評価し、点数で順位付けするよう求められている。
公民教科書についても、愛郷心と愛国心、国旗国歌、領土問題と日本人拉致問題など18項目について評価を求めている。

文部科学省によると、中学教科書採択に当たっては、都道府県教委が各教科書の内容を調査研究し、市区町村に示す決まりになっているが、今回のように優劣を付ける点数化は「聞いたことがない」(文科省幹部)、教科書の具体的項目について明確な優劣をつけて評価をすることじたい極めて異例だという。それはそうだろう。
法的拘束力はないが、こうして報道されることが現場の人々を追い詰める。
教科書以前に、愛国心の育成を改正教育基本法に盛りこんだことじたいが異常だ。

私の考えでは、「教わらなければならない愛国心など、真の愛国心ではない」ということだ。
ましてや、点数で計られるようなものであるはずがない。

それにしても、報道が「教科書の正常化」という表現を地の文で使うのはいかがなものか。
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