Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

東海地区の劇作家たちに拉致され

2014-02-01 | Weblog
名古屋にいる。
昨年二月、私も審査員で参加した「劇王X 天下統一大会」から一年。「劇王」という短篇コンテストのプロジェクトを十年続け、毎年この二月にはそのイベントを開催、十年目の昨年には全国大会までに拡大して大成功した劇作家協会東海支部が、今年も同じ長久手文化の家で、イベントをやっているのだ。
東海支部は、劇作家協会でもっとも活発で勢いのあるセクションである。才能もある素敵な人材を次々に輩出している。彼らはみんな仲がいい。私も彼らと一緒だと嬉しい。で、今年は「劇王」は一休みしてやらないが、特別イベントをやるので来てくれないかと言われ、二つ返事でオーケーしたのだが、蓋を開けてみると、「どしのぎ祭」と名付けられた今年のイベントは、どうにもおそろしい仕掛けが施されていたのである。

以下、東海支部と長久手文化の家による広報から。

当日券も用意していますので、よろしく。

…………………………

長久手演劇王国vol.14
日本劇作家協会東海支部プロデュース「どしのぎ祭」 ~劇作家が頭と体を使って凌ぎを削る~

「劇王」は昨年のXで一旦くぎりをつけ、今年は装いをあらたに「どしのぎ祭」を開催!
地元の劇作家たちが、さまざま趣向で3日間にわたりシノギを削ります。実際にその場で戯曲を書いたり、アドリブで芝居をしたり……普段は見られない、いろいろな劇作家のカオをお楽しみに!!
支部メンバー全員が出演する他、ゲストに坂手洋二、諏訪哲史、柴幸男、安住恭子、煉瓦ホリオ、サリngROCK、ごまのはえらを迎え、熱く真剣にけれどゆるく、支部の総力を上げてさまざまな趣向で凌ぎを削る3日間。

[日にち] 2014年1月31日(金)ー2月2日(日)
[会場] 愛知県長久手市/長久手文化の家 風のホール・光のホール・展示室

プログラム
31日(金) 初日はきっちり始まります!
 19:30 開会式
 20:00 ちゃんとした文士劇『通夜の雨』(作:北村想)

1日(土) 劇作家イベント満載!どれも見逃すな!
 13:00 アドリブ文士劇+振り返りトーク
 16:00 劇王かてっ!
 18:00 劇作家大喜利

2日(日) 劇作家の未来を考える最終日!
 13:00 どんな困難な状況でもやらねばならない時がある
      ──その場で書く短編戯曲+ゲストトーク
 14:20 合作戯曲リーディング
 16:00 東海地区に演劇賞を作れないかを考える会議
 16:30 閉会式

http://www.jpwa.org/main/activity/region/toukai/245-doshinogi
http://www.city.nagakute.lg.jp/bunka/bunka_ie/jishujigyo/dosinogi.html

…………………………

つまり、というか。想像がつくと思うが、「どしのぎ祭」というのは、「シノギを削る」といいつつ、「劇王」じたいをやらない今年を、なんとか「しのぐ」というほうの、「しのぎ祭」なのである(かもしれない)。
「ただの間に合わせではないか」という批判をよそに、とにかく皆があきれる企画を立て続けにやるということなのだ。
私も劇作家協会の会長なので、東海支部がここまで思い詰めたのなら、責任を取ってつきあうしかないのである。
まあ、もちろんユーモアだ。そう。こういう力の抜けたような機会に、それなりにちゃんとしたものを見せたいということなのかもしれない。
げんに明日は札幌、広島の有力な演劇人たちの発表の場が、大まじめに用意されている。
げんに初日の今日も、「ちゃんとした文士劇」と銘打った『通夜の雨』(作:北村想)は、「東海支部顧問の北村想が、東海支部員にあて書き。劇作家総勢14名が夢の共演!」というキャッチフレーズのままに、じつに「ちゃんとした」北村想さんの最新作上演だった。(下ネタが多かったのはなぜだろう)
終演後に壇上に立った想さんに、東海支部から、今年になって決まった想さんの『グッド・バイ』鶴屋南北賞受賞のお祝いもした。良い空気だ。
想さんが、しかし、その後の挨拶で、「やはり、ここに瀬辺ちゃんがいないのは……」と言葉を詰まらせたのは、もちろん、出演するはずだった、東海支部の名花・瀬辺千尋さんのことである。なにしろ亡くなってまだ六日なのだ。
今日のために登場人物が喪服である通夜の劇を書いた想さんも、まさかこのようなことになるとは思っていなかったのである。

明日、瀬辺ちゃんも出るはずだった<アドリブ文士劇>なる企画以降、ほとんどのプログラムに、何らかの形で私も出演する(のだと思うが、詳しく聞いていない企画もある)。
しかし劇作家は「文士」じゃないだろう、と、この手の企画で「文士劇」とつくと、いつも思うのだが。

終えて、会場そば、藤ヶ丘近くの「味仙」で、佃典彦、平塚直隆両氏と食事。
私が佃君と二月下旬に行くはずだったソウルの仕事(佃作品の韓国デビューのリーディング)は、私が仕組んだ側でもあるので参加したかったが、私自身は自分の稽古スケジュールのために断念した。
私が二月下旬に誘われていた沖縄の6日間のワークショップ講師の仕事も、とても行けないので平塚君を推薦し、この食事中に沖縄から返答があり、決まった。安堵したが、正直、平塚君が羨ましい。
やはり私が二月下旬に呼ばれている某市での会議の仕事も、お断りしている。
今年の私はおそらく、世界で一番「二月下旬に縁のない男」である。

さて、名古屋に何軒かある「味仙」の台湾ラーメンは、名古屋の名物としては、なかなのものである。
そういえば昨年夏に新潟へ仕事で行ったとき、「「味仙」台湾ラーメンのカップ麺」を、宿で食べた。このカップ麺の製造場所は北海道だったので、「北海道」で作った「名古屋」名物の「台湾」ラーメンを「新潟」で食す、という地理感覚破壊状態だった。そしてカップ麺は所詮カップ麺だった。
やはり本物はうまい。「味仙」は名古屋人のソウルフードである。
佃、平塚両氏に、ひそかな名古屋名物である「あんかけスパゲティ」について聞いた。あんなぼんやりした食べ物が本当に人気があるとは思っていなかったし、じっさい名古屋でも「あんかけスパゲティ」の看板はほとんど見ない。ところが、彼らは「あんかけスパゲティ」の大ファンでもあった。ご推奨の食べ方を聞くと、それは確かにぼんやりした感じにはなるまい。いつか試してみよう。その内容は、また、後日。
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