Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

「風評」ではなく「事実」なのだ

2013-07-25 | Weblog
「湯気」が出ているなどと、実態をかすませる報道の多かった東電福一3号機では、2000ミリシーベルト(2シーベルト/1時間)を超える放射線量が確認されているようだ。2011年、原発爆発直後に比する非常に高い線量という。今度は福一6号機の冷却機能が停止したとの報。東電は「汚染水が海に流出している可能性」をようやく認めたが、溜まり続ける汚染水について、原子力規制委員会の田中俊一委員長は「汚染の濃度が国の基準よりも低いものは海に捨てられるようにしないといけない」「排水基準が決まっていますので、そのレベル以下になったものについて排出するというのは避けられないのではというのが私の率直な気持ち」との見解を示した。福一原発には現在40万トン以上の汚染水が溜まっていて、地下水の流入により、1日400トンのペースで増え続けている。
これらについて、東電が既に一部の分析を終えていたにかかわらず、公式公表を遅らせた理由として、「原発再稼働」も焦点となる21日の参院選が終わるのを待ったのではないかと私も指摘してきたが(というか、誰でもそう思うだろうが)、フィナンシャル・タイムズ紙は同様の指摘をしているという。汚染水流出については、日本では大きく取り上げられていないようだが、海外メディアのほうが深刻に報道している。
水といえば、厚生労働省は1キロ当たり965ベクレルの放射性ヨウ素が検出された福島県飯館村の水道水を飲むのを控えるよう要請。
暮らしと農漁業にとっては致命的な状態だ。相馬双葉漁協組合からは「風評被害で試験操業が続けられず、本操業が遠のく」「流出を否定していたのに一転して認め、信用できない」という声が上がっている。しかし、以前から思うことだが、数値が出ている以上、ほんとうに、「風評被害」という言い方は、今後あらためなければならない。「風評」ではなく「事実」なのだ。
原発事故の除染作業に携わる264業者で、賃金の不適正天引きなど計684件の違法行為があったという。労働者に無断で賃金から寮費や食費を差し引いた例など473件、放射線測定器を正しく装着させずに作業させたケースなど211件、作業員に支給される特殊勤務手当の不払いも19件。違法業者は全体の3分の2を超す。こんないい加減な事業に「5兆円」をかけるというのは、いったいどういうことなのか。
沖縄市の米軍基地返還跡地のサッカー場から米国の枯れ葉剤製造大手企業の社名が記されたドラム缶が発見された。国定環境基準値を超えるダイオキシン類を検出。これはどう考えても「除草剤」などではなく枯れ葉剤由来のダイオキシン類だろう。ごまかしは全国どこでも行われている。米軍基地が返還されても、それらの土地をこれもまた毒物を「除去」しなければならない。なんとも無駄な金だ。そして時間がかかる。
防衛省は尖閣諸島周辺などでの警戒監視体制を強化するため、無人偵察機グローバルホークのような「高高度滞空型無人機の導入」を考えているという。これは今までどのようなことに使われたか、考えてみるといい。日本はそれをしてはいけないだろう。こんな勢いでは、いずれは無人機での攻撃も想定しかねない。
麻生副総理・財務・金融相は、2014年4月に予定する消費税率の引き上げについて、9月中に判断すべきだとして、「首相の決断」を促している。
環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉では、守秘義務があるため、なかなか情報が開示されない。コメ、麦、牛肉・豚肉、乳製品、砂糖の「重要5品目」を関税撤廃の例外とするようことがほんとうにできるのか。いざというときには撤退するというが、それを誰がいつ決めるのか。そもそもそれは「日本が聖域を求めれば、TPPの合意は難しくなる」として、初めから許されないとも言われていることではないのか。
あらゆることが「安全」と「カネ」に左右されている。それをいい加減に決めているのが現政権である。政党交付金を受け取らない共産党への評価が高まっているのは、確かに一理ある。
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