Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

映画『 i 新聞記者ドキュメント』。望月衣塑子は「憲法さん」である。

2019-10-24 | Weblog

東京新聞社会部・望月衣塑子記者を追った森達也監督の新作ドキュメンタリー映画『 i 新聞記者ドキュメント』。

お誘いを受け、来週、森監督と対談の予定もあるので、試写を観せていだいた。

劇映画のほうの『新聞記者』は、具体事実や固有名詞を出せないところにアメリカ映画『バイス』等との決定的な違いがあり、そこに残念さがあったが、こちらはドキュメンタリー。説明は要らない。本人がここにいる。目の前に当事者たちがいる。報道やネット上などで知っているはずの数多の事件や政治制度のディティールを、こうして一人の記者の活動を追って繋いだとき、私たちの現在の息苦しさ、逃げ場のなさの実相が、あらためてまざまざと迫り、観る者自身に響いてくる。ディテイールが気になったら、本当はどうなのかと疑問に思ったら、自分自身で調べ、知ればいいのだ。あなたもまた、当事者である。

厳しく胸に迫るものがある一方、こんかい、森監督は愛嬌というかユーモアを武器にしている。

そして、望月記者は、新聞記者として当然のことをしているのであり、彼女が目立ってしまうことじたいに、この国の現在の倒錯がある、という指摘は、正しい。もちろんそれは、望月記者の魅力をじゅうぶんに認めた上でのことだ。そして、表層だけを眺める批判者は、なぜ、彼女のような存在が他に出てこないのかということを、真剣に考えるべきだ。

いま『憲法くん』の劇化に取り組んでいる身としては、憲法についての言及が特にあるわけでもないこの映画で、しかし、望月さんもまた一人の「憲法さん」なのだ、という思いにとらわれた。

宮古島の場面では、石嶺香織も登場。自衛隊基地建設が進んでしまっている現実を大画面で観ると、あらためて打ちのめされる。あそこのトンデモ市長にも突っ込んでほしかった、と、一応、ないものねだりしておく(^_^)。

『新聞記者』をヒットさせ、『宮本から君へ』の文化庁助成金取り消し問題でも注目を集めている、河村光庸プロデューサーの最新作。

11月15日より東京・新宿ピカデリーほか全国順次公開。

http://i-shimbunkisha.jp/?fbclid=IwAR32JLnrR0YSDMEzMf9i-bFqeBOVRdQYHS94SYjn15HMyD-9YdjiVbgkBmU

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『なにもおきない』終了

2019-10-24 | Weblog

『なにもおきない』終了。

長い日々だった。

ご来場の皆様に感謝します。

ともあれ、おつかれさま。

ご協力・ご支援くださった皆様に、あらためて御礼申し上げます。

全員参加ではないけれど、あらためて劇団としての根っこを再確認、そして、新たにみつけました。

 

 

撮影・姫田蘭

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