Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

ストレス抱える自衛官たちの「駆け込み寺」

2014-10-31 | Weblog
ネット上のNHK NEWS WEBに、次のような記事が載っている
……………………………………………………

空自幹部 線路に男性投げ落とした疑い

航空自衛隊の幹部自衛官が29日夜遅く、東京のJR大久保駅で酒を飲んで帰宅途中に肩がぶつかったと声をかけてきた会社員の男性を、ホームから線路に投げ落としたとして、殺人未遂の疑いで警視庁に逮捕されました。
逮捕されたのは、防衛省航空幕僚監部の3等空佐、鶴田義明容疑者(39)で、警視庁の調べによりますと、29日午後11時半すぎ、新宿区にあるJR中央線の大久保駅のホームですれ違った際に肩がぶつかったと声をかけてきた44歳の会社員の男性に対し、「殺してやる」などと言って胸ぐらをつかみ、線路に投げ落としたとして、殺人未遂の疑いが持たれています。男性にけがはなく、電車は駅に近づいていましたが、別の乗客が非常停止ボタンを押したため、電車は駅の手前で止まったということです。
その後、男性と駅員がホームにいた鶴田3等空佐を取り押さえたということです。
警視庁や航空幕僚監部によりますと、鶴田3等空佐は29日、仕事を終えたあと同僚と酒を飲み、帰宅する途中で当時酒に酔っていて、調べに対し「全く覚えていない」と供述しているということです。防衛省航空幕僚監部の猿渡辰也広報室長は、「誠に遺憾で、詳細を調査し厳正に対処します」とコメントしています。
……………………………………………………

まだまだもろもろは企業秘密なのだが、私の新作『8分間』は、とある駅のホームでの8分間の出来事を描いたもので、こういう記事には敏感にならざるを得ない。
http://rinkogun.com/

「別の乗客が非常停止ボタンを押したため、電車は駅の手前で止まったということです」ということだが、えらいよ、別な乗客さん。そりゃ、電車にぶつかったら、まず、死にますから。

噴火した御嶽山の救助活動などで株を上げていた自衛隊だが、このようなことがあると、たんに「不祥事」では片付けられまい。
「殺してやる」と言ってしまえる人間がいるところが「自衛隊」なのだ、と思われても仕方がない。

今回の犯人は自衛隊内でもエリート故の傲慢さが感じられるが、一つの就職先として「自衛隊」を選んでしまった人たちにとっても、新たなストレスを感じざるを得ないであろう新たな事態が続いている。
私が信じたいのは、食べていくために職を選んだ人たちの中に、「人を殺すために自衛官になりたいと思う人」はいないだろうということだ。
現在、安倍内閣が強行しようとしている、「集団的自衛権行使」による「同盟国などの防衛」については、明らかに今の自衛隊法が規定する「自衛隊の任務」ではない。自衛官への「契約違反」であるという考え方が順当だ。
私や周囲の人たちは、そうしたストレスのはけ口、不当な待遇に対する連絡センター、救済施設が必要だと思った。
自衛官たちにも「駆け込み寺」が必要だった。

そうして十一年前に始まった、私も発起人の一人である「米兵・自衛官人権ホットライン」は、今も続いている。

自衛官人権ホットライン http://gi-heisi.doorblog.jp/archives/27316757.html
ホットライン相談室 http://8701.teacup.com/hotlines/bbs

その活動を根底にした小西誠さんの著書最新刊『自衛隊 この国営ブラック企業』(社会批評社)がある。
当時はイラクで人質になった元自衛官・渡辺修孝さんを支えるため、いいだもも、大野和興、小西誠氏らと一緒に「渡辺修孝さんの裁判を支える会」(わったん基金)の発起人にもなった。

「米兵・自衛官人権ホットライン」の初心を忘れないために、開始当時の呼びかけ文を以下に採録しよう。

……………………………………………………


■自衛官と家族のみなさんへ
 ――『米兵・自衛官人権ホットライン』発起人・賛同人・サポーターからの呼びかけ
 
●この「ホットライン」は一過性ではなく、これからの10~20年を見据えて開設しました。  
 私たちは、自衛官とその家族のみなさんの悩み・不安・訴えに真剣に耳を傾け、一緒になって考え、共に解決の道を探っていきたいと思っています。
 弁護士の方々にも法律上の協力をいただいている広範な市民運動であり、相談された自衛官とその家族のみなさんの秘密は厳守します。みなさんの生命・人権・生活問題、どのような悩みや訴えでもかまいません、安心してお気軽にご連絡ください。
 匿名で構いません。相談される方が特定される所属・氏名は言う必要もありませんし、こちらからも聞きません。
 この「ホットライン」は、一過性のものではありません。今後10~20年の長期的なものとして開設しました。今後10~20年にわたって、自衛官と家族のみなさんの生命・人権・生活の問題に取り組んでいきたいと思っています。
 
●スタッフには、二〇年近くの自衛隊勤務経験者など、元自衛官がいます。
 この「ホットライン」は、PKO派兵の時開設された「自衛官110番」の経験を引き継ぎ、より発展、充実させたものとして開設しました。
 相談に耳を傾けるスタッフには、20年近くにおよぶ自衛隊勤務経験者をはじめ、数名の元自衛官がいます。自衛隊用語や隊内生活の細かなところにも対応できます。安心してみなさんの声をお寄せ下さい。
 今後の問題として、カウンセラーや精神科医との連携も考え、検討しています。
 みなさんの心の問題で、専門的なケアが必要であれば対応できるようにしたいと思っています。
 
●『米兵・自衛官人権ホットライン』発起人・賛同人・サポーターからの呼びかけ
 兵士と共に反戦を!〈米兵・自衛官人権ホットライン〉の市民運動に参加してください。
                              2003年10月1日
◆共同代表 
 いいだもも/今川正美/色川大吉/大野和興/尾形 憲/小田 実/瀬戸内寂聴/鶴見俊輔/ダグラス・ラミス/武 建一/水田 洋/小西 誠(事務局長)
 
 わたしたち一同は今回、ブッシュのイラク先制攻撃戦争・占領支配に反対する立場にたって、「米兵・自衛官人権ホットライン」を開設することを発起しました(2003年6月15日)。
 ブッシュの違法・非道・不当な戦争に参加させられる在日米軍基地米兵ならびに自衛官自身にとって直接な生命・生活・人権の問題について、兵士およびその家族からの身の上相談に乗り、耳を傾ける「人権ホットライン」の連絡センターは、次の通りです。
(住所)165-0034 東京都中野区大和町1-12-10
               「兵士と共に反戦を! 米兵・自衛官人権ホットライン」
★連絡センター    
(Eメール)gi-heisi@jca.apc.org(ホットライン・ホームページ)www.jca.apc.org/gi-heisi/
(郵便振替口座)口座番号 〇〇一二〇―七―五六三八五四 口座名称「人権ホットライン」
 
 米兵・自衛官ならびにその家族からの悩み・不安・訴えに真剣に耳を傾け、一緒になって考え、共に解決の道を探ってゆきます。弁護士の方々にも法律上の協力をいただいている広範な市民運動であり、相談してこられる兵士とその家族についての秘密は厳守します。どのような悩みや訴えでもかまいません。安心してお気軽にご連絡ください。もちろん、サービスは無料です。米兵からの相談には、アメリカ本国のThe GI Rights Hotline (邦訳「米兵人権ホットライン」)の協力を仰ぐこともできます。
 〈兵士と共に反戦運動〉を広げる私たちの公然たる、広範な市民運動の立場は、二つの基本的スローガンに集約されます。
(1)「不殺生」=殺すな・殺されるな・殺させるな!
(2)違法・非道・不当な命令・戦争には「良心的な軍務拒否」を!
 私たちはこの広範な市民運動の趣旨が、国際紛争の解決にあたって先制攻撃および他国の政権打倒を目的とした戦争行為を禁止している(国連憲章)と、戦争の放棄・戦力の放棄を規範化している〈日本国憲法第九条〉との趣旨に適うこと、そしてそのようなものとして「軍服を着た市民」である米兵・自衛官の生命・生活・人権を守ることができるものと、確信します。
 市民としてこのような反戦運動が広範に広がっていくならば、〈ブッシュ・ドクトリン〉に基づいて「二一世紀型の戦争」を呼びかけているドル・核帝国の覇権野望を打ち砕くことができるでしょう。そのようなブッシュ米大統領の世界独裁支配の野望に、日米新ガイドライン安保下に追随している小泉日本首相の有事法制・イラク新法下の参戦・海外派兵をも、打ち砕くことができるに違いありません。
 ブッシュ=小泉の大規模先制攻撃戦争の魔の手が、主権侵犯のブッシュのいわゆる「ドミノ倒し」として、アフガン、イラクから、パレスチナ、シリア、イラン、そして朝鮮半島へと拡大しようとたくらまれています。朝鮮半島・台湾海峡・東北アジアの非核・非戦地帯化・海域化を願っているアジアの民と連帯して行動することが必要になっています。そのグローバルな東の焦点に、米日安保体制下に沖縄をはじめ在日米軍基地を抱え込みながら毎日暮らしているわたしたち市民は、われとわが身を守るためにも、兵士と共に反戦を展開するこの市民運動をみんなで起ち上げようではありませんか。
 兵士と共に反戦を! 殺すな・殺されるな・殺させるな! 良心的軍務拒否を!
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする