特定秘密保護法の運用基準と、施行期日を十二月十日とする施行令が閣議決定された。
自衛隊のことはみんな秘密。米軍と何をやっているかも秘密。自衛隊が得た情報はそれが誤謬を孕むかどうかも確かめられないし、他の用途に役立てることも許されない。
外交上の秘密と定められたら、状況を知りたい人間の安否さえ確かめられない。外交そのものの詳細や国境紛争が日々どうなっているかも知らされない。
兵器や物資の輸出入についても教えてもらえない。危ない物を持ち込まれたりよその国に売りつけたり運んだりが、こっそり行われる。
サイパー攻撃防止のための処置と理由をつけられたらネット上の情報も勝手に操作される。理由を示す必要もないからだ。
「テロに関わる」と疑われたら人知れず闇に葬られる、その対象はどこまで広がるかはわからない。
……というふうに読めるが。私が被害妄想なのか。
現実の施行はそうでもないのか。施行後にはそれを確かめることさえできないらしい。ということを確かめることもできない。
運用基準、指定判断は政府に委ねられている。国民の知る自由は奪われ、政府のやり方が「拡大解釈」になっているかどうかをチェックする方法がない。
秘密指定の期間は原則三十年というが、その指定を解除したかどうかを確かめる方法はない。
やりたい放題ではないか。
ともあれ、特定秘密保護法、特定秘密の指定対象になり得る四分野計五十五項目の要旨は次の通り。
【防衛に関する事項】(十九項目)
・自衛隊の運用、これに関する見積もり、計画、研究
(1) 自衛隊の訓練、演習
(2) 自衛隊の情報収集・警戒監視活動
(3) 自衛隊法に規定する防衛出動、治安出動、自衛隊施設などの警護出動、その他のわが国の安全を確保するための自衛隊の行動
(4) 自衛隊、米軍の運用、これに関する見積もり、計画、研究
(5) 電波情報、画像情報、その他情報収集手段を用いて収集した情報
(6) 外国の政府、国際機関から提供された情報
(7) (5)または(6)を分析して得られた情報
(8) (5)から(7)までに掲げる事項に関する情報の収集、分析の対象、計画、方法、情報源、実施状況、能力
(9) 防衛力の整備のために行う国内外の諸情勢に関する見積もり、これに対するわが国の防衛、防衛力の整備に関する方針
(10) 防衛力の整備のために行う防衛力の能力の見積もり、これに基づく研究
(11) 自衛隊、米軍の防衛力の整備に関する見積もり、計画、研究
(12) 武力攻撃事態、その他の緊急事態への自衛隊の対処に際して自衛隊の部隊が装備する武器、弾薬、航空機、その他の防衛の用に供する物(船舶を含む)の種類、数量のうち当該部隊が当該事態に対処する能力を推察できるもの
(13) 自衛隊の部隊の間での通信に使用する通信網の構成、通信の方法
(14) 防衛の用に供する暗号で、わが国の政府が用いるために作成された暗号
(15) 自衛隊の潜水艦、航空機、センサー、電子戦機器、誘導武器、情報収集機器、これらの物の研究開発段階のものの仕様、性能、使用方法
(16) 武器、弾薬、航空機、その他の防衛の用に供する物、これらの物の研究開発段階のものの仕様、性能、使用方法のうち外国の政府などから提供されたもの
(17) 自衛隊の潜水艦、航空機、センサー、電子戦機器、誘導武器、情報収集機器、これらの物の研究開発段階のものの製作、検査、修理、試験の方法
(18) 武器、弾薬、航空機、その他の防衛の用に供する物、これらの物の研究開発段階のものの製作、検査、修理、試験の方法のうち外国の政府などから提供されたもの
(19) 防衛の用に供する施設の構造、その他の設計上の情報、施設の能力に関する情報、内部の用途
【外交に関する事項】(十七項目)
・外国の政府、国際機関との交渉、協力の方針、内容のうち、国民の生命、身体の保護、領域の保全、その他の安全保障に関する重要なもの
(1) 国民の生命、身体の保護
(2) 領域の保全
(3) 海洋、上空などにおける権益の確保
(4) 国際社会の平和と安全の確保
(5) 外国の政府などとの協力の方針、内容のうち、当該外国の政府などにおいて特定秘密保護法の規定により行政機関が特定秘密を保護するために講ずることとされる措置に相当する措置が講じられるもの
・安全保障のためにわが国が実施する貨物の輸出、輸入の禁止、その他の措置、その方針
(6) 外国人の本邦への入国の禁止、制限、邦人の外国への渡航の自粛の要請
(7) 貨物の輸出、輸入の禁止、制限
(8) 資産の移転の禁止、制限
(9) 航空機の乗り入れ、船舶の入港の禁止、制限
(10) (7)の貨物を積載した船舶の検査
(11) 外国の政府などに対してわが国が講ずる外交上の措置(わが国と国民の安全に重大な影響を与えるものに限る)
(12) 領域の保全のためにわが国の政府が講ずる措置、その方針
・安全保障に関し収集した国民の生命、身体の保護、領域の保全、国際社会の平和と安全に関する重要な情報、条約、その他の国際約束に基づき保護することが必要な情報
(13) 電波情報、画像情報、その他情報収集手段を用いて収集した情報
(14) 外国の政府などから提供された情報
(15) (13)または(14)を分析して得られた情報
(16) (13)から(15)までに掲げる事項に関する情報の収集、分析の対象、計画、方法、情報源、実施状況、能力
(17) 外務省本省と在外公館との間の通信、その他の外交の用に供する暗号で、わが国の政府が用いるために作成された暗号
【特定有害活動の防止に関する事項】(十項目)
・特定有害活動による被害の発生、拡大の防止のための措置、これに関する計画、研究
(1) 特定秘密保護法に規定する核兵器、化学製剤、細菌製剤、その他の物を輸出、輸入するための活動の防止
(2) 緊急事態への対処に係る部隊の戦術
(3) 重要施設、要人などに対する警戒警備
(4) サイバー攻撃の防止
(5) 特定有害活動の防止のために外国の政府などと協力して実施する措置、これに関する計画、研究のうち、当該外国の政府などにおいて特定秘密保護法の規定により行政機関が特定秘密を保護するために講ずることとされる措置に相当する措置が講じられるもの
・特定有害活動の防止に関し収集した国民の生命、身体の保護に関する重要な情報、外国の政府、国際機関からの情報
(6) 電波情報、画像情報、その他情報収集手段を用いて収集した情報
(7) 外国の政府などから提供された情報
(8) (6)または(7)を分析して得られた情報
(9) (6)から(8)までに掲げる事項に関する情報の収集、分析の対象、計画、方法、情報源、実施状況、能力
(10) 特定有害活動の防止の用に供する暗号で、わが国の政府が用いるために作成された暗号
【テロリズムの防止に関する事項】(九項目)
・テロリズムによる被害の発生、拡大の防止のための措置、これに関する計画、研究
(1) 緊急事態への対処に係る部隊の戦術
(2) 重要施設、要人などに対する警戒警備
(3) サイバー攻撃の防止
(4) テロリズムの防止のために外国の政府などと協力して実施する措置、これに関する計画、研究のうち、当該外国の政府などにおいて特定秘密保護法の規定により行政機関が特定秘密を保護するために講ずることとされる措置に相当する措置が講じられるもの
・テロリズムの防止に関し収集した国民の生命、身体の保護に関する重要な情報、外国の政府、国際機関からの情報
(5) 電波情報、画像情報、その他情報収集手段を用いて収集した情報
(6) 外国の政府などから提供された情報
(7) (5)または(6)を分析して得られた情報
(8) (5)から(7)までに掲げる事項に関する情報の収集、分析の対象、計画、方法、情報源、実施状況、能力
(9) テロリズムの防止の用に供する暗号で、わが国の政府が用いるために作成された暗号
自衛隊のことはみんな秘密。米軍と何をやっているかも秘密。自衛隊が得た情報はそれが誤謬を孕むかどうかも確かめられないし、他の用途に役立てることも許されない。
外交上の秘密と定められたら、状況を知りたい人間の安否さえ確かめられない。外交そのものの詳細や国境紛争が日々どうなっているかも知らされない。
兵器や物資の輸出入についても教えてもらえない。危ない物を持ち込まれたりよその国に売りつけたり運んだりが、こっそり行われる。
サイパー攻撃防止のための処置と理由をつけられたらネット上の情報も勝手に操作される。理由を示す必要もないからだ。
「テロに関わる」と疑われたら人知れず闇に葬られる、その対象はどこまで広がるかはわからない。
……というふうに読めるが。私が被害妄想なのか。
現実の施行はそうでもないのか。施行後にはそれを確かめることさえできないらしい。ということを確かめることもできない。
運用基準、指定判断は政府に委ねられている。国民の知る自由は奪われ、政府のやり方が「拡大解釈」になっているかどうかをチェックする方法がない。
秘密指定の期間は原則三十年というが、その指定を解除したかどうかを確かめる方法はない。
やりたい放題ではないか。
ともあれ、特定秘密保護法、特定秘密の指定対象になり得る四分野計五十五項目の要旨は次の通り。
【防衛に関する事項】(十九項目)
・自衛隊の運用、これに関する見積もり、計画、研究
(1) 自衛隊の訓練、演習
(2) 自衛隊の情報収集・警戒監視活動
(3) 自衛隊法に規定する防衛出動、治安出動、自衛隊施設などの警護出動、その他のわが国の安全を確保するための自衛隊の行動
(4) 自衛隊、米軍の運用、これに関する見積もり、計画、研究
(5) 電波情報、画像情報、その他情報収集手段を用いて収集した情報
(6) 外国の政府、国際機関から提供された情報
(7) (5)または(6)を分析して得られた情報
(8) (5)から(7)までに掲げる事項に関する情報の収集、分析の対象、計画、方法、情報源、実施状況、能力
(9) 防衛力の整備のために行う国内外の諸情勢に関する見積もり、これに対するわが国の防衛、防衛力の整備に関する方針
(10) 防衛力の整備のために行う防衛力の能力の見積もり、これに基づく研究
(11) 自衛隊、米軍の防衛力の整備に関する見積もり、計画、研究
(12) 武力攻撃事態、その他の緊急事態への自衛隊の対処に際して自衛隊の部隊が装備する武器、弾薬、航空機、その他の防衛の用に供する物(船舶を含む)の種類、数量のうち当該部隊が当該事態に対処する能力を推察できるもの
(13) 自衛隊の部隊の間での通信に使用する通信網の構成、通信の方法
(14) 防衛の用に供する暗号で、わが国の政府が用いるために作成された暗号
(15) 自衛隊の潜水艦、航空機、センサー、電子戦機器、誘導武器、情報収集機器、これらの物の研究開発段階のものの仕様、性能、使用方法
(16) 武器、弾薬、航空機、その他の防衛の用に供する物、これらの物の研究開発段階のものの仕様、性能、使用方法のうち外国の政府などから提供されたもの
(17) 自衛隊の潜水艦、航空機、センサー、電子戦機器、誘導武器、情報収集機器、これらの物の研究開発段階のものの製作、検査、修理、試験の方法
(18) 武器、弾薬、航空機、その他の防衛の用に供する物、これらの物の研究開発段階のものの製作、検査、修理、試験の方法のうち外国の政府などから提供されたもの
(19) 防衛の用に供する施設の構造、その他の設計上の情報、施設の能力に関する情報、内部の用途
【外交に関する事項】(十七項目)
・外国の政府、国際機関との交渉、協力の方針、内容のうち、国民の生命、身体の保護、領域の保全、その他の安全保障に関する重要なもの
(1) 国民の生命、身体の保護
(2) 領域の保全
(3) 海洋、上空などにおける権益の確保
(4) 国際社会の平和と安全の確保
(5) 外国の政府などとの協力の方針、内容のうち、当該外国の政府などにおいて特定秘密保護法の規定により行政機関が特定秘密を保護するために講ずることとされる措置に相当する措置が講じられるもの
・安全保障のためにわが国が実施する貨物の輸出、輸入の禁止、その他の措置、その方針
(6) 外国人の本邦への入国の禁止、制限、邦人の外国への渡航の自粛の要請
(7) 貨物の輸出、輸入の禁止、制限
(8) 資産の移転の禁止、制限
(9) 航空機の乗り入れ、船舶の入港の禁止、制限
(10) (7)の貨物を積載した船舶の検査
(11) 外国の政府などに対してわが国が講ずる外交上の措置(わが国と国民の安全に重大な影響を与えるものに限る)
(12) 領域の保全のためにわが国の政府が講ずる措置、その方針
・安全保障に関し収集した国民の生命、身体の保護、領域の保全、国際社会の平和と安全に関する重要な情報、条約、その他の国際約束に基づき保護することが必要な情報
(13) 電波情報、画像情報、その他情報収集手段を用いて収集した情報
(14) 外国の政府などから提供された情報
(15) (13)または(14)を分析して得られた情報
(16) (13)から(15)までに掲げる事項に関する情報の収集、分析の対象、計画、方法、情報源、実施状況、能力
(17) 外務省本省と在外公館との間の通信、その他の外交の用に供する暗号で、わが国の政府が用いるために作成された暗号
【特定有害活動の防止に関する事項】(十項目)
・特定有害活動による被害の発生、拡大の防止のための措置、これに関する計画、研究
(1) 特定秘密保護法に規定する核兵器、化学製剤、細菌製剤、その他の物を輸出、輸入するための活動の防止
(2) 緊急事態への対処に係る部隊の戦術
(3) 重要施設、要人などに対する警戒警備
(4) サイバー攻撃の防止
(5) 特定有害活動の防止のために外国の政府などと協力して実施する措置、これに関する計画、研究のうち、当該外国の政府などにおいて特定秘密保護法の規定により行政機関が特定秘密を保護するために講ずることとされる措置に相当する措置が講じられるもの
・特定有害活動の防止に関し収集した国民の生命、身体の保護に関する重要な情報、外国の政府、国際機関からの情報
(6) 電波情報、画像情報、その他情報収集手段を用いて収集した情報
(7) 外国の政府などから提供された情報
(8) (6)または(7)を分析して得られた情報
(9) (6)から(8)までに掲げる事項に関する情報の収集、分析の対象、計画、方法、情報源、実施状況、能力
(10) 特定有害活動の防止の用に供する暗号で、わが国の政府が用いるために作成された暗号
【テロリズムの防止に関する事項】(九項目)
・テロリズムによる被害の発生、拡大の防止のための措置、これに関する計画、研究
(1) 緊急事態への対処に係る部隊の戦術
(2) 重要施設、要人などに対する警戒警備
(3) サイバー攻撃の防止
(4) テロリズムの防止のために外国の政府などと協力して実施する措置、これに関する計画、研究のうち、当該外国の政府などにおいて特定秘密保護法の規定により行政機関が特定秘密を保護するために講ずることとされる措置に相当する措置が講じられるもの
・テロリズムの防止に関し収集した国民の生命、身体の保護に関する重要な情報、外国の政府、国際機関からの情報
(5) 電波情報、画像情報、その他情報収集手段を用いて収集した情報
(6) 外国の政府などから提供された情報
(7) (5)または(6)を分析して得られた情報
(8) (5)から(7)までに掲げる事項に関する情報の収集、分析の対象、計画、方法、情報源、実施状況、能力
(9) テロリズムの防止の用に供する暗号で、わが国の政府が用いるために作成された暗号