木偏に春と書く椿は日本で生まれた字。春を迎える花だから。
駅の向こうの団地の中に、1本の木に、いろんな色、いろんな姿の花が咲く椿がある。
それも連なるように密に咲く。
薄ピンクの地に赤い絞り。ボンボンのような蕊も豪華だ。
たくさんの花が重なり合って、連なるように咲く椿を、万葉人は「つらつら椿」と歌った。
巨勢山(こせやま)のつらつら椿つらつらに 見つつ偲(しの)わな巨勢の春野を」
(巨勢山に連なって咲く椿を思い出して、春ののどやかな巨勢野を懐かしもうよ)
巨勢野は故郷なのか、旅路なのか、思い出の懐かしい地なのでしょう。
長閑な優しい地に違いない。