似ている、光会長は思った。
美花は、写真の曾婆ちゃんに。杏奈は往年のコニー・フランシスのよう。
方や、国民学校の女先生。方やアメリカンポップスの女王。
一見真逆のようだが……例えれば、長い冬を耐えて咲いた三分咲きの桜のような清楚で新鮮な華やぎがあった。そして、桜自身は、ただの三分咲きの桜で、けして長年、多くの人の心を励まし慰めてきた自覚など無い。
「君たちは、三分咲きの桜のようだ!」
言われた二人はポカンとしている。相手のハゲ頭がAKRの生みの親である光ミツルであることが分かっていない。
「ボクは、今まで大きな花束のようなアイドルグループばかり育ててきた。あれはあれで魅力のあるものだけど、君たちは満開の桜の木になれる。一本だけで……いや、今のところはデュオの方がいい」
「あのう……」
杏奈が遠慮がちに声を出した。直美が間に入ろうとしたが、光会長は続けた。
「ま、取りあえず、リラックスして、この曲を聞いて……直美さん、CDをかけたいんだけど」
「あ、こちらにどうぞ」
スタジオの複合プレイヤーにCDをかけた。
美花は、写真の曾婆ちゃんに。杏奈は往年のコニー・フランシスのよう。
方や、国民学校の女先生。方やアメリカンポップスの女王。
一見真逆のようだが……例えれば、長い冬を耐えて咲いた三分咲きの桜のような清楚で新鮮な華やぎがあった。そして、桜自身は、ただの三分咲きの桜で、けして長年、多くの人の心を励まし慰めてきた自覚など無い。
「君たちは、三分咲きの桜のようだ!」
言われた二人はポカンとしている。相手のハゲ頭がAKRの生みの親である光ミツルであることが分かっていない。
「ボクは、今まで大きな花束のようなアイドルグループばかり育ててきた。あれはあれで魅力のあるものだけど、君たちは満開の桜の木になれる。一本だけで……いや、今のところはデュオの方がいい」
「あのう……」
杏奈が遠慮がちに声を出した。直美が間に入ろうとしたが、光会長は続けた。
「ま、取りあえず、リラックスして、この曲を聞いて……直美さん、CDをかけたいんだけど」
「あ、こちらにどうぞ」
スタジオの複合プレイヤーにCDをかけた。
《ハッピークローバー》
もったいないほどの青空に誘われて アテもなく乗ったバスは岬めぐり
白い灯台 心引かれて 降りたバス停 ぼんやり佇む三人娘♪
ジュン チイコ モエ 訳もなく走り出した岬の先 白い灯台 その足もとに一面のクロ-バー
これはシロツメクサって、チイコがしたり顔してご説明♪
諸君、クローバーの花言葉は「希望」「信仰」「愛情」の印
茎は地面をはっていて所々から根を出し 高さおよそ20cmの茎が立つ草。茎や葉は無毛ですぞ♪
なんで、そんなにくわしいの くわしいの~♪♪
いいえ 悔しいの だってあいつは それだけ教えて海の彼方よ♪
ハッピー ハッピークローバー 四つ葉のクロ-バー
その花言葉は 幸福 幸福 幸福よ ハッピークローバー♪
四枚目のハッピー葉っぱは、傷つくことで生まれるの
踏まれて ひしゃげて 傷ついて ムチャクチャになって 生まれるの 生まれるの 生まれるの~♪
そうよ あいつはわたしを傷つけて わたしは生まれたの 生まれ変わったの もう一人のわたし♪
ハッピー ハッピークローバー、奇跡のクローバー♪♪
もったいないほどの青空に誘われて アテもなく乗ったバスは岬めぐり
白い灯台 心引かれて 降りたバス停 ぼんやり佇む三人娘♪
ジュン チイコ モエ 訳もなく走り出した岬の先 白い灯台 その足もとに一面のクロ-バー
これはシロツメクサって、チイコがしたり顔してご説明♪
諸君、クローバーの花言葉は「希望」「信仰」「愛情」の印
茎は地面をはっていて所々から根を出し 高さおよそ20cmの茎が立つ草。茎や葉は無毛ですぞ♪
なんで、そんなにくわしいの くわしいの~♪♪
いいえ 悔しいの だってあいつは それだけ教えて海の彼方よ♪
ハッピー ハッピークローバー 四つ葉のクロ-バー
その花言葉は 幸福 幸福 幸福よ ハッピークローバー♪
四枚目のハッピー葉っぱは、傷つくことで生まれるの
踏まれて ひしゃげて 傷ついて ムチャクチャになって 生まれるの 生まれるの 生まれるの~♪
そうよ あいつはわたしを傷つけて わたしは生まれたの 生まれ変わったの もう一人のわたし♪
ハッピー ハッピークローバー、奇跡のクローバー♪♪
「これ、AKRのユニットの三つ葉のクローバーの……」
「ハッピークローバーですね……」
「そうだよ」
「この曲が……?」
「この曲を聞いているときの二人はすてきだよ。目の輝き、自然にとってるリズム感。最後はいっしょに口ずさんでいたね、いいハーモニーだった」
「いつもバイト先のお店で聞いてますから。でも、素人の鼻歌です」
「蕾だけど華がある。作詞者が言うんだから間違いない」
「こちら、AKRのヒカリプロの会長さん……」
「「ええ……!」」
「いや、運命としか言いようがない!」
それから二人は、ヒカリプロのスタジオに連れて行かれ、プロダクションのスタッフたちの前で歌わされた。
そして、スタッフ全員の賛成で、杏奈と美花は住み込みで光会長の家で特待研究生として育てられることになってしまった……。
「ハッピークローバーですね……」
「そうだよ」
「この曲が……?」
「この曲を聞いているときの二人はすてきだよ。目の輝き、自然にとってるリズム感。最後はいっしょに口ずさんでいたね、いいハーモニーだった」
「いつもバイト先のお店で聞いてますから。でも、素人の鼻歌です」
「蕾だけど華がある。作詞者が言うんだから間違いない」
「こちら、AKRのヒカリプロの会長さん……」
「「ええ……!」」
「いや、運命としか言いようがない!」
それから二人は、ヒカリプロのスタジオに連れて行かれ、プロダクションのスタッフたちの前で歌わされた。
そして、スタッフ全員の賛成で、杏奈と美花は住み込みで光会長の家で特待研究生として育てられることになってしまった……。