なんだか恋人同士みたいだったわよ
国道26号線の信号にひっかかると、それがスイッチやったみたいに姫乃が言う。
国道26号線の信号にひっかかると、それがスイッチやったみたいに姫乃が言う。
「え、恋人てぇ!?」
すみれが好奇心むき出しにして、あたしと姫乃の顔を交互に見る。
「高石のBNRの前、マッタイラ君と居たのよ(ホッチが)」
「えー! ホッチがマッタイラと!?」
「ムー、そんなんとちゃうわよ。てか、なんで姫乃知ってんのん?」
「タクシーで家に帰る途中、信号でタクシーが停まって、それで見かけた。いま信号が変わったんで思い出したの」
学校からの帰り道、信号待ちで、取り留めのないガールズトークが飛躍した。
「あれはやね……」
すみれが好奇心むき出しにして、あたしと姫乃の顔を交互に見る。
「高石のBNRの前、マッタイラ君と居たのよ(ホッチが)」
「えー! ホッチがマッタイラと!?」
「ムー、そんなんとちゃうわよ。てか、なんで姫乃知ってんのん?」
「タクシーで家に帰る途中、信号でタクシーが停まって、それで見かけた。いま信号が変わったんで思い出したの」
学校からの帰り道、信号待ちで、取り留めのないガールズトークが飛躍した。
「あれはやね……」
アンパンマンの写真からドラミちゃんの誕生日に発展し、高石のBNRでマッタイラに頼まれてドラミちゃんのフィギュアを買うハメになったいきさつを話した。
「マッタイラ、意外に妹想いやねんねえ」
すみれが感心したところで信号が青になる。
「あたし一人っ子で兄妹いてへんやんか、なんかほだされるんよね」
「なんかホノボノする話しやねえ」
「ねえ、マッタイラというのは、やっぱ苗字の松平が訛ったんだよね?」
「え、ああ、そうやよ」
「ほんとに?」
すみれが感心したところで信号が青になる。
「あたし一人っ子で兄妹いてへんやんか、なんかほだされるんよね」
「なんかホノボノする話しやねえ」
「ねえ、マッタイラというのは、やっぱ苗字の松平が訛ったんだよね?」
「え、ああ、そうやよ」
「ほんとに?」
姫乃が覗き込むように、あたしの顔を見る。好奇心が強いんやろけど、姫乃が時折見せる、こういう表情は反則や。なんとも可愛らしい。男やったら惚れてしまうやろなあ。そう思たら、半分照れ隠しに笑てしまう。
「なんで笑うのよ?」
説明がややこしいんで、つい喋ってしまいそうになる。
「身体的特徴のモジリやから、人には言わんといてね」
すみれが断りをいれてから説明を始める。
「マッタイラて、後頭部がすごい絶壁でしょ。ストンいう感じ」
空中にマッタイラの横顔をなぞる。さすが弓道部、指の動きは見事にマッタイラの絶壁頭をトレースしてる。
「あ、ああ!」
アハハハハハハハ
若さとは残酷なもんで、三人ともマッタイラの大絶壁頭を思い浮かべて大爆笑。
女子高生三人が朗らかに笑てんのは健康的でええもんに見えるんやと思う。すれ違たオバチャンの三人連れが(あたしらもそうやった)いうような目で微笑み返してくる。
因果なもんやなあ、マッタイラこそ、ええ面の皮。
羽衣の駅にに向かう最後の角が迫って来た。
ええねん どーせあたしはマッタイラや!
大きな声で叫びながら女子中学生が飛び出してきたんで、三人ともビックリして立ち止まってしもた。
ま、待てやアツコ!
その後を追いかけてきたのは通学カバンを肩にかけたマッタイラやったんで、二度びっくりの三人娘やった!
説明がややこしいんで、つい喋ってしまいそうになる。
「身体的特徴のモジリやから、人には言わんといてね」
すみれが断りをいれてから説明を始める。
「マッタイラて、後頭部がすごい絶壁でしょ。ストンいう感じ」
空中にマッタイラの横顔をなぞる。さすが弓道部、指の動きは見事にマッタイラの絶壁頭をトレースしてる。
「あ、ああ!」
アハハハハハハハ
若さとは残酷なもんで、三人ともマッタイラの大絶壁頭を思い浮かべて大爆笑。
女子高生三人が朗らかに笑てんのは健康的でええもんに見えるんやと思う。すれ違たオバチャンの三人連れが(あたしらもそうやった)いうような目で微笑み返してくる。
因果なもんやなあ、マッタイラこそ、ええ面の皮。
羽衣の駅にに向かう最後の角が迫って来た。
ええねん どーせあたしはマッタイラや!
大きな声で叫びながら女子中学生が飛び出してきたんで、三人ともビックリして立ち止まってしもた。
ま、待てやアツコ!
その後を追いかけてきたのは通学カバンを肩にかけたマッタイラやったんで、二度びっくりの三人娘やった!